vol.01 身だしなみ - 動画で解説! 実習マナー&コミュニケーション講座

vol.01 身だしなみ

身だしなみの基本

身だしなみの基本は「相手に好印象を与える」こと。特に医療従事者は、お子さまから年配の方まで違和感なく受け入れられることが大切です。第一印象の大半を決める身だしなみはコミュニケーションの第一歩とも言えます。以下、5つのポイントを押さえましょう。

  1. 清潔であること
  2. 安全であること
  3. 機能的(動きやすい)であること
  4. 調和が取れていること(浮いていない)
  5. 落ち着きがあること

特に5は患者さんに安心感を与えて信用を築く、医療従事者にとって大切な要素です。いつでもどこでも円滑なコミュニケーションが取れるように基本の身だしなみをマスターしましょう。

身だしなみ編

看護学生

ヘアスタイル

  • 顔や肩にかからないことが原則
  • 髪の色は地毛の色を基調とし、周囲から浮かない自然な色
  • 長い髪は束ね、まとめてアップにする
  • お辞儀をしたときに落ちてくる髪は留める
  • 前髪をあげると明るい印象になる
  • 髪留めはシンプルなデザインの物。色は黒、茶などの落ち着いた色を選ぶ
  • 奇抜なヘアスタイルはNG
看護学生
  • サイドの髪は耳にかからない、バックの髪は襟に触れない長さ
  • もみあげは伸ばさない。ボサボサ禁止
  • フケ、抜け毛がない
  • 整髪料でツンツン立たせたり、固めたりする奇抜なヘアスタイルはNG
看護学生

ヘアカラー

実習中は、幅広い年齢層の患者さんと接します。すべての方に安心いただくために、地毛に近い自然な髪色の方が良いでしょう。
色が抜けて明るくなりすぎていたり、根元と毛先のほうの色の差がわかるようでは、ふさわしい色ではありません。髪の毛が伸びたときに、根元の色が目立ちすぎないようにしておきましょう。また、あまりに白髪が多い場合も、印象が悪いということで染めるように指導されるものです。
髪の色でも、不快感を与えずに、好印象を与えることが基準なのです。

顔まわり

  • 化粧は薄めにして、自然に健康的に見えるナチュラルメイクがよい

アイライン、アイシャドウはつけない 顔色がよくなかったり、くまができていたりすると不健康に見えてしまうので、ファンデーション、コンシーラー、チークなどで軽くカバーするとよい 眉毛は、不自然に剃ったり抜いたりしない 唇のお手入れは無色のリップクリームでOK

スキンケア

クレンジングと洗顔はスキンケアの基本。洗顔後は、化粧水で保湿して乳液とクリームで保護して素肌の健康を保ちましょう。

  • 清潔感を保つ
  • 耳の後ろ、首まわりも清潔を保つ

オイリータイプの肌の人は気がついたら皮脂やテカリをふき取るとよい 髭は伸ばさない 眉毛は、不自然に剃ったり抜いたりしない 無色のリップクリームなどをつけて、あまりかさかさにならないように

スキンケア

毎日の洗顔がスキンケアの基本。オイリータイプの肌の人は、脂性肌用の化粧水、乳液で保湿ができればベスト。

制服

  • 汚れ、シワのないもの。特に襟と袖口!
  • 開襟は立てない。ボタンはすべて閉める
  • 裾は糸がほつれていないかチェック
  • 下着は制服から透けて見えないような色を選ぶこと
  • 名札は決められた位置に相手に見えるようにつける
  • ポケットに入れる物は必要最小限に
制服

  • 切ったらヤスリで丸くしておく
  • マニキュア・つけ爪厳禁(爪が割れる方はクリームやオイルでマッサージをして予防する)
  • 爪は伸ばさない(3mm以上NG)
  • 汚れた爪もNG!清潔にしておこう
爪

時計・めがね・アクセサリー

  • 時計は華美(キラキラ、装飾付)にならないもの。時刻はきちんと合わせよう!
  • 眼鏡は磨いておく。曇り止めをつければベスト
  • イヤリング、ピアスはNG
  • ブレスレットはNG
  • 指輪はNG(結婚指輪はOK)

足もと

  • ストッキングは肌の色に近いナチュラルカラー・薄いベージュ・白または指定の色
  • 予備のストッキングを用意しておくと安心
  • 靴下は無地の白。穴があいていないか確認しよう
  • ペディキュアもNG
  • 靴は軽やかに行動ができるようにナースシューズまたは、指定の靴を履く
  • 汚れを落とし常に清潔を保つ
  • 靴のかかとを踏まない
  • パタパタ音がしないように自分に合ったサイズを履く
足元

その他

香り・匂い

  • 香りも匂いもしないことがベスト。患者さんの治療の妨げにならないように「無臭」がよい
  • オーデコロンのほか、ヘアケア製品の香料もかなり気になるものなので、注意しよう
  • 体臭・口臭が気になる場合は、意識してケアを心がけると同時に食事を選び、体調管理に注意しよう
  • オーラルケアも忘れずに。歯磨き、マウスウォッシュを心がける

持ち物

  • 筆記用具もシンプルな物が好ましい
  • 携帯電話は病院の指示に従い持ち込み可能な範囲を守る
  • 携帯電話のマナーモードは短く設定しておく

携帯電話の影響を受ける医療機器の一部

院内ではペースメーカーだけではなくさまざまな機器に影響を及ぼす可能性があるので注意する。
例:自動血圧計・人工呼吸器・ペースメーカー・輸液ポンプ・電子体温計・心電図など

身だしなみチェックシート (ダウンロード)

チェックシートをプリントアウトしておけば、実習中いつでも自分の身だしなみを確認できます!
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身だしなみチェックシート
(389KB)

身だしなみチェックシートイメージ
プロフィール

医療マナー講師 栗田 瑠美子

医療マナー・就職マナー担当講師。美容健康アドバイザー。医療系専門学校、ハローワーク委託訓練、病院、薬局、介護施設においてセミナー多数。明日から役立つ研修内容には定評がある。働く女性のための健康アドバイスや健康メイクアップ講座も好評。

医療マナー講師 栗田 瑠美子
動画監修

東京都立多摩総合医療センター

東京都立多摩総合医療センター

人口400万人を抱える多摩地域において、総合診療基盤をもつ唯一の都立病院。超急性期からがん診療・周産期医療まで幅広い医療機能を持ち、看護職としてキャリアアップをめざす上で絶好の環境が整っている。基礎・ジェネラルコースの研修だけでなく、多職種が参加する様々な勉強会に参加できる学びの宝庫。

多摩総合医療センター看護部ホームページ
https://www.tmhp.jp/tama/

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