実習悩み相談室 こんな時、あなたならどう考える?

看護学生にとって自分の看護観を形作る重要な時間が「看護実習」。
とくに臨地実習では誰もが苦労や挫折を経験するようです。

この連載は実習での起こったトラブルとその対処方法を紹介します。
いま、この記事を読んでいるあなたならどう考えますか?たくさんの意見の中から自分なりの看護を考えてみましょう。

対患者さん編 CASE9 難病の患者さんとのコミュニケーションを取るには?まりちゃん(大学3年生)

難病の患者さんとのコミュニケーションを取るには?

1回目の実習は整形外科で、回復が目に見えていたため、患者さんに励ましの言葉などコミュニケーションをとりやすかったのですが、2回目の実習で難病である皮膚筋炎の患者さんを受け持ちました。


30代と若く、女性であることから皮膚症状などのボディイメージの変容や小学生の娘を一人で育てていることから役割喪失感があり、さらに、一生付き合っていく難病であることで精神的負担が大きいと考え、どのようにコミュニケーションを図っていくかが課題でした。

初対面のときは、疾患のことには触れず、趣味やすきなものなどの話題でコミュニケーションを取りました。しかし、その日患者さんの気持ちになって考えたところ、本当はつらい気持ちを誰かに話したいのではないか、学生が気を遣っていると思っていたらショックを受けるのではないだろうかと考え、対応を悩みました。

どうやって乗り切ったか

話しかけ方を変えてみました。

次の日、私は患者さんに対し、「●●さん、調子はどうですか」と尋ねたところ、ステロイドの副作用の座創がひどく現れており「にきびみたいなものがたくさんあってショック」という発言がありました。

そこから疾患についてどう感じているのか、退院後の不安なことなど時間をかけてコミュニケーションをとることができ、患者さんが感情を表出することができたと思いました。

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みんなのつぶやき

本人が気にされていそうなことについて触れるのって勇気がいりますよね。自分はある患者さんと関わらせてもらった実習で最後まで思いに踏みこむことができず心残りに感じています。なので、ちゃんさんが不安や疾患に対しての思いを聴くことができたといわれていてすごいと思いました。

患者さんの気持ちになって声かけを少しずつしていきます。

ストレスコーピングの方法は人それぞれ。医師から不安な部分について説明を受ければ安心できる方もいれば、看護師に不安を聞いてもらうことでコーピングできる患者さんもいらっしゃるのではないでしょうか。まずは1人の人間として信頼関係を築き、患者さんに寄り添う姿勢を示すことが学生としてできる最初の関わり方ではないかと考えています。

ゆっくりでいいから患者が気持ちを打ち明けるまでまつことが大事だと思う。聴くことも大事だけど、側に寄り添うことで患者に安心感を与え、気持ちを緩和させることが出来ると思います。

コミュニケーションは難しいですよね。個人的な意見ですが、患者様の感情表出を聞いたり、受け止めたりするのは必ずしも学生や看護師でなくてはならないということはないと思います。面会にこられた家族や友人などに話したいと思っている患者様も多いのではないでしょうか。話しやすい環境を整えることも大切なのだと私も患者様から教わりました。

最初は日常会話などから入るのがよいと思います。何日か経って顔を覚えてもらったら、バイタル測定などをしながら「皮膚の調子はどうですか?」「気になることはありますか?」などさりげなく聞いてみるのはどうでしょうか?

つらい気持ちを誰かに聞いてほしい方、むしろ触れてほしくない方に分かれると思いますが、その見分けが難しいと思います。まりちゃんさんのように開かれた質問でコミュニケーションをとることは、その返答によって話す会話の内容が検討されていくと思うので、とても効果的だと思います。最終的には患者さんの不安等の感情表出まで介入できたみたいなので、とても素晴らしい介入ができたのではないでしょうか。

実習期間には限りがありますが、少しずつ2人の距離を詰めていきながら話の内容を深くしていけばいいと考えました。

うーん難しい

実習お疲れさまでした。

難病疾患にも指定にもされている膠原病のひとつ「皮膚筋炎」。自己免疫疾患であり、緩解と増悪を繰り返し、残念なことに完治のない疾患です。自己免疫疾患の患者さんへのアセスメントして重要になってくる主な項目として「症状の緩和」「ボディイメージの変容」「精神的サポート」が挙げられます。

実習初日、これらのことを踏まえつつ、患者さんと接点を掴むために、まりちゃんさんが取ったコミュケーションは間違いではなかったと思います。また翌日の関わりでも、患者さんの言葉から色々な情報収集ができ、患者さんも心の中にある不安や現在の感情を表へ出すことができたのではないでしょうか? そして自分の看護を振り返ること。それができること、しようとすることが一番大切なんですよ。

患者さんとのたわいもない会話の中から患者さんの背景や心情の糸口が見えてくることはたくさんあります。

疾患が見つかり、思わぬ入院をすることになる。今まで健康であったが故に穏やかでいられる人はいません。告知から入院まで時間があったとしても、疾患を受け入れなければならないこと、入院という現実、これからの不安は本当に計り知れないものでしょう。

そんな状況で、初めて会った自分のことを何も知らない看護学生に「ご自分の病気をどう思われますか?」と聞かれても、私なら「あなたに何がわかるの!?」と不信感を抱くと思います。

やはり、患者さんの気持になってコミュケーションを進めることが一番大切ですね。でも、「患者さんとの話してばかりで、何か情報は?」なんて指導者さんや教官さんから怒られることもあったりして…。看護学生の立場ってなかなか大変です(苦笑)。

その時々でコミュケーションを拡げるのも閉ざすのも、看護技術の1つだと思います。コミュケーションは難しいけれど、看護の第一歩。これからの実習も頑張ってくださいね。

プロフィール

ナースいぶき

南国出身。看護学生時代は学費捻出のため、バイトに明け暮れる毎日。 (恥ずかしながら追試が多かった…(^_^;))
就職後、内科、循環器など、数々の科を経験。現在、仮面ライダーにハマっている夫、泣き虫な4歳の息子、おてんばな2歳の娘、おばあちゃん猫(♀)と暮しながら育児とナース、医療ライター業をこなすパワフルアラフォー。

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