地域医療の魅力を知る

地域医療の重要性が叫ばれるようになって久しく、そこへ関心を向ける看護師や看護学生も増えてきています。ただ、地域医療は一くくりにできるものではなく、その地域ごとに抱える課題があり、その解決へ向けたアプローチも異なります。ある地域の医療を知るためには、そこで働く人たちの声を聞くことが近道です。そこで、宮城県山元町役場と国立病院機構宮城病院を訪問し、お話を伺ってきました。

山元町役場インタビュー

病院と行政が
顔の見える関係を築き、
高齢化する地域を支える

宮城県山元町役場
保健福祉課長兼山元町こどもセンター長

桔梗俊幸さん

宮城県の南東部に位置する山元町は、山にも海にも恵まれた自然豊かな土地柄です。1939年に開設された宮城病院は、山元町の医療を支える中心的な存在です。とりわけ2004年に国立病院機構へ改組されてからは、住民が気軽に立ち寄れる「地域の病院」であるという意識が強まり、役場としてもボランティアを募って病院の環境整備をお手伝いするなどして、互いに顔の見える関係を構築しています。
2015年度には、宮城病院と隣町の亘理町との間で、保健・医療・福祉分野の相互協力規定が締結されました。地域医師会との連携を強化し、急速に高齢化する当地域の医療を、手を取り合って支えていくという意志を明確に示したものです。
また、宮城病院の立地する場所一帯は、東日本大震災後の集団移転先の一つにもなりました。

宮城県山元町役場 保健福祉課健康推進班の皆さん

そこで、周辺一帯を「医療福祉ゾーン」と位置付け、介護福祉施設を誘致するなど、地域包括ケアの象徴となるべく開発を進めています。
医療福祉以外に目を向けても、山元町には魅力的な環境だと思っています。特産物のイチゴやリンゴは美味しいですし、町内でサーフィンやゴルフが楽しめるほか、スキー場までも車で約1時間というロケーションです。穏やかな環境で丁寧な看護を追求したい方や、大自然の中で思い切りアクティビティーを楽しみたい方は、ぜひ山元町へお越しいただきたいと思っています。

山元町新市街地「つばめの杜」

いちごは山元町自慢の特産品です

山元町に広がる田園風景

宮城病院 病院長インタビュー

「神経難病」と
「地域医療」を軸に
多様な機能を果たす

独立行政法人国立病院機構宮城病院

院長 永野功さん

宮城病院が果たすべき役割としては、「神経難病への専門医療」と「地域医療の実践」を二本柱に据えています。神経難病医療には1980年頃から力を入れており、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、多発性硬化症といった難しい疾患について、地元に限らず宮城県全土や隣接する福井県などから訪れる患者さんの治療に当たっています。神経難病は多くの場合、生涯付き合っていくことになるものですから、いかに患者さんのQOLを高めつつご家族の負担を減らすか試行錯誤しながら、より良い治療やケアを追求しています。
もう一つの軸である地域医療については、65歳以上の高齢者が人口の37.1%を占める山元町において、医療職・保健職・介護職が一体となり、自立した老後を送れるよう支援する中核機能を担っています。
さらに救急告示病院として救急医療にも対応しており、2016年度には約270件の救急搬送がありました。地域医療において幅広い機能を果たす当院なら、看護師としてかけがえのないキャリアを積んでいただけるものと確信しています。

宮城病院 看護部長インタビュー

若い世代の看護師が
長く活躍できる環境です

独立行政法人国立病院機構宮城病院

看護部長 中野良子さん

当院では現在、168人の看護師が働いていますが、その約半数が20~30歳代の子育て世代です。各自のライフプランに応じて産休や育休、時短勤務を選択しやすい組織風土であるほか、看護師宿舎や院内保育所といった施設も充実しており、若い世代の看護師が長く勤められる環境を整えています。院内の雰囲気作りも重視しており、遊び心のある飾りつけや季節ごとの各種イベントなどに、全職員で楽しみながら取り組んでいるんですよ。
2016年に地域包括ケア病棟が新設されたことで、地域医療に対する看護師の意識は大きく変わったと思います。患者さんを地域へつなぐ際のより適切なご説明の仕方、様々な社会資源の知識などを学ぼうという意識が高まりました。地域に根付き、向上心を持ちながら医療を支え続けたいと思ってくださる方をお待ちしています。

宮城病院 先輩職員紹介

山元町の医療の実態と宮城病院で働く魅力がわかる バスツアー開催! 2017年3月22日(水) 9:00〜17:00予定