
- 所在地:東京都
- 病床数:904床
- 看護師数:1272名
個々の可能性を伸ばし、成長を支援します!
医療・看護のDX特集
東京医科大学病院ではDXを活用して現場の業務効率化を推進しています。なかでも近年導入したAI音声認識システムは、看護記録の省力化に大いに貢献しています。
Patient Firstを実現する有効なツールを
臨床現場ではベッドサイドケアより、看護記録に費やす時間の方が長い――どの病院にも共通する悩みです。当院は「温かな心のこもった看護」を看護部理念に掲げています。勿論、記録は看護師として重要な業務です。しかし自身の一連の業務終了後に記憶を辿りながら記録をする看護師の姿を見て、電子カルテを持ってベッドサイドに行けるのだから、もっと適時に効率よく記録ができないだろうか。そうすることで、より患者さんの声に耳を傾け寄り添う時間ができ、看護師としてのやりがいに繋げられるのではないかと日々苦悩しました。そのような折、音声認識システムの存在を知りました。これは日本語に特化した高精度の音声認識システムで、医療現場でも活用されています。時期を同じくして大学病院の会合で、他施設の方に使用感を訊ねる機会にも恵まれ、利便性を確認し実践の場への導入を決意しました。高額機器の導入にあたり病院長と事務部長の承認が必要ですが、「働きやすさや超過勤務時間の改善に繋がるのであれば」と快諾してくれました。
導入から3年、本システムは着実に普及していますが、当初は予想よりも利用率が伸び悩みました。道具は活用して初めて生きるものです。ただ、現場に道具を渡すだけでは活用が定着せず、投資した意味がありません。現在、普及しているのは責任者の副看護部長をはじめ、意欲的な師長たちが色々と創意工夫して取り組んでくれた成果です。本システム導入により、記録の効率化が図れたことは確かですが、ベッドサイドケアの充実の効果を数値化するのは困難です。しかしインフォームド・コンセントに看護師が同席する割合が急増し、患者さんへの安心感向上に寄与しています。面談内容を正確に記録するなど、活用の幅も広がっています。
新人看護師さんは理想の看護観を胸に入職しますが、現実は多重課題に追われ理想通りにはいきません。わずかな時間であっても患者さんのもとに足を運べるよう、管理者は患者さんに寄り添える環境を整える責務があります。医療DXの推進は「Patient First(患者第一)」を実現する有効な手段です。当院では本システム以外にもバイタル測定値自動入力システムを導入するなど、先駆的に取り組んでいます。優先すべきことを見極め、周囲を感化し協力を得られる人なら当院で理想の看護を追求できるでしょう。
■副院長 看護部長 高城さん
高度医療の最前線を担う大学病院。DXの領域でも先進的な取り組みが注目されている
ヘビーユーザーを手本に普及を促進。残業も大幅に減少
ベッドサイドケアをもっと大切に。熱い想いを共有し、タッグを組んで導入・普及を推進
私は看護部の情報担当として、音声認識システムの導入と普及に取り組んでいます。始めは5病棟に試験導入し、その結果を踏まえて2023年11月に本格稼働させました。試験導入では看護記録を書く時間が明らかに減少し、アンケートも高評価でした。しかし病棟や部門により看護師の動き方も様々なので、本稼働したばかりの頃は、私たちもどんな場面で使うか、なかなか具体的に伝えられず、そこで使用頻度が抜群に多いスタッフをデータからピックアップ。私たちは「ヘビーユーザー」と呼んでいますが、その人たちにインタビューして師長会や主任会で使用例を共有し、現場のスタッフに広めていきました。
効果は大きく、使用頻度は一気に上昇。例えば患者さんと接した直後に病室の外で音声記録をとったり、トイレ介助の合間に気になる点を吹き込んだりと「スキマ時間」を有効に活用しています。また当院は地上20階建ての高層ビルなのでエレベーターの待ち時間が長く、その間に記録するスタッフも多いです。その他音声認識システムにはスタンプ機能もあり、清拭や吸引を終えた後にタップすれば完了。いつ処置を行ったか、わざわざ時間をメモする必要もありません。
本格導入から1年の間に時間外労働は2割ほど減少。これまで看護記録には1日の業務を全て終えてから取りかかっていたので、残業の減少=看護記録の負担軽減に繋がりました。またこの3月にデータをまとめ、分析したところ、音声認識システムの使用回数が年間8千回を超える部署は、顕著に記録時間が減少していると分かりました。そこで「年8千回を目指してください」と師長さんたちにお願いすると、自ら管理画面のデータを確認しながら使用回数の少ないスタッフを促すように。目標値の設定とデータの可視化による効果の大きさに驚くとともに、音声認識システムの活用も新たなフェイズに入ったと感じています。
今後は看護記録の時間減少、つまり量的な改善はもちろん質の向上にもさらに注力していきます。音声認識システム導入の一番の目的は看護ケアの質を高めること。最新の職員満足度調査では「私は患者ケアに十分な時間を費やしている」という問いに対する満足度が上がっていて嬉しく思います。「温かな心のこもった看護」を提供して患者さんを癒す、看護師本来のやりがいを味わえるようこれからも業務の効率化に取り組みます。
■副看護部長 柳井さん
患者さんに寄り添う毎日は、充実感に満ちています
3年前、病棟師長からスマートフォン型音声認識システムの使用を提案されました。私はタイピングが速いのでパソコンで記録した方が早いと思い使用に対して消極的でしたが、病棟全体で使ってみることになり、私も試しに使用を開始しました。ところがこれが予想外で、大学病院は外来患者さんや検査や手術のお迎えなど、エレベーターの待ち時間が多いですが、音声入力ならどこにいても隙間時間を使いリアルタイムに記録ができます。あっという間に看護記録が完成し、残業時間が大幅に短縮されました。その分、業務時間内での係活動や患者さんのケアや指導に時間をかけられるようになりました。
病棟にはALSや人工呼吸器を付け動けない患者さんが入院しており、洗髪やシャワー浴の清潔ケアなど、もっと多くしてあげたいことがあったのですが、手が回らず対応ができないこともありました。しかしこの導入によって余裕が生まれ、チームの皆で協力し、週に何度かベッドサイドで洗髪、手浴、足浴など患者さんが本当に喜んでくれることを行えるようになりました。「こんなに沢山してもらえるなんて」と喜んでくれた患者さんの笑顔が忘れられません。
この春から所属する病棟では音声認識システムの使用率が低く、「どう使えばいいのかわからない」という声が多かったため、前病棟での経験を活かして具体的な使用方法の例を示しました。チームの皆も積極的に受け入れてくれて、病棟で日常的に活用されるようになりました。本システムのおかげで定時で業務が終わる日が増え、ジムで体を鍛えたり、病棟のスタッフ同士で誘い合って食事に行ったりとプライベートの時間が充実しています。
当院の看護部は「温かな心のこもった看護」を理念に掲げ、医師をはじめ多職種が連携しチーム力を発揮して治療、看護を実践しています。師長はスタッフをとても大切にし、個々の困り事や悩み事に対しても共に向き合ってくれるなど頼れる存在です。当院は外部生や既卒者も多く垣根なく働け、新入職者へのサポートも手厚いです。思いやりを持った人達が多く、働いていてとても楽しいです!皆さんと一緒に仕事ができる日を楽しみにしています!
■看護師 蛸島さん/2020年入職
今では音声認識システムは「あって当たり前」の存在。看護業務に欠かせないパートナー
働く環境も進化しています!
心電図モニターの遠隔確認システムや診療・検査説明のアプリ、電子カルテと床頭台を連動させて注意喚起情報を表示させるシステムなど、当院には病棟だけでも様々なIT機器が稼働しています。これらにより業務が効率化され、看護師をはじめスタッフの負担が軽減。職員が心身ともに安心・安全な状態にあることは、患者さんの安心・安全を守ることに繋がります。何より、余裕をもって患者さんに対応できるため、理想の看護を目指していきいきと活躍するとともに、ワークライフバランスを大切にした働き方ができます。
問い合わせ先
| 問い合わせ先・雇用法人名 | 学校法人東京医科大学 東京医科大学病院 看護部フリーダイヤル 0120-77-1136 平日 9:00~17:00 |
|---|---|
| 住所 |
160-0023 |
| アクセス | 地下鉄丸ノ内線 西新宿駅下車すぐ JR・小田急線・京王線 新宿駅下車西口から徒歩10分 |
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