WEB面接の対策術

WEB面接の対策術

近年、WEBツールを使ったオンラインでの面接を行う病院が増えています。
対面で行われる選考との違いや、WEB面接で特に気を付けたい点などを紹介します。

WEB面接とは

自前のパソコンやタブレットなどのデバイスを使い、指定のWEBツールを通して、オンラインで行われる面接のことです。
「これまで主流だった対面面接が、WEBに置き代わるだけでは?」という認識では不十分。思わぬ失敗に繋がる恐れも。どんなことに気をつければいいのか、ポイントを押さえておきましょう!

ポイント
  • 1
    カジュアルな服装はNG。清潔感のある落ち着いた身だしなみを。上下スーツを着用しよう。
  • 2
    表情がわかる距離にデバイス(PCやスマートフォン)をセット。撮影時はできるだけカメラに正対する位置で。
  • 3
    画面に映る面接官を見るのではなく、カメラを見て話す。常ににこやかに。
  • 4
    明るめの声で、普段より少しゆっくり話す。強調したい言葉や文章は、より丁寧に。
  • 5
    面接官が回線を切るまで笑顔で。指示がない限り、自分から切らない。
  • 6
    提出済の履歴書の内容と面接の回答に差異がないようにする。
  • 7
    手元にメモ用紙とペンを準備。次回面接の日時などを書き留める。

事前準備のポイント

ここからは、就活本番での選考で油断しがちなポイントを紹介。その改善策も、合わせて確認しておきましょう。

セッティング編

背景

自宅や学校で撮影するときは、背景の映り込みも要注意です。
自宅の場合、スペースに限りがあり、カメラの設置位置も選べない...なんてこともあります。
せっかく自分の身なりを整えて臨んでも、映り込む背景が気になって面接官が集中できないなんてことがないよう周囲の環境へも気を配りましょう。

バーチャル背景で周りを隠すこともできますが、面接官に要らぬ疑念をもたれることも。また、通信速度の遅延に繋がる場合もあります。

背景
ポイント

できれば無地の壁をバックにしてセッティングしましょう。私物が背景に映る場合、移動させたり、布などで隠す配慮を。面接官は背景に映っているものから、あなたのことを想像します。

目線

パソコンやスマートフォンの位置が低いと、画面越しに面接官を見下ろしていることになるので注意しましょう。
カメラレンズが小さいので見にくいのですが、強調したい部分、文章の終わりなどは意識してレンズを見るようにしましょう。

目線
ポイント

使用するデバイスのカメラ部分を顔と同じ高さにすると、面接官の目を見て話しているように映ります。目は口ほどに物を言う、と言われるくらいに目の印象は重要です。日頃から意識し、カメラの映り方も研究しておきましょう。

照明

自分が思っている以上に表情が暗く映っていることがあります。逆光の場合、表情はおろか、あなたの顔がよく見えない残念な結果になることも。

ポイント

できるだけ顔に影ができない場所を選んでください。窓から強い自然光が入る場合は、反対側に照明を置くように。顔全体にリングライトを当てるのも効果的。また、メモ用に白い紙を、顔の真下に置くのもおすすめです。

通信環境

WEB面接の場合、始める前に必ずインターネット環境に問題がないかを確認しましょう。面接の途中で、急に音が聞こえなくなったり、映像がフリーズしたり、音と映像の動きにタイムラグが発生したりする可能性があります。無料のWi-Fiスポットや電波が弱い環境は要注意です。

通信
ポイント

自宅で面接を行う場合、他の家族の使用具合も確かめておきましょう。家族全員で使うと、動作が鈍くなることもあります。有線LANケーブルでインターネットに接続できる場所がおすすめ。そうでない場合はルーターの近くやWi-Fi電波が常に強い場所を探しておきましょう。

デバイスの環境設定

開始時間の直前にデバイスの準備をすると、気持ちに余裕がなくなってしまいます。ましてや、充電も十分でなかったらますます不安になります。事前の準備も評価の対象になるという心持ちが大切です。

デバイスの環境設定
ポイント

双方向で声や映像が正常か、できれば前日までに確認しておきましょう。充電確認も同じタイミングで済ませるといいでしょう。面接のやりとりに焦りは禁物です。集中するためにも早めの環境設定を。

スマートフォンでの撮影

パソコンに比べてスマートフォンは持ち運びが便利です。しかし、手に持ちながらのWEB面接は、無理があります。画面が安定しないうえ、音が途切れてしまうことも。腕も疲れてきて、会話に集中できない場合もあります。

スマートフォンでの撮影
ポイント

スマートフォンやタブレットは、映像や音声が安定するように、三脚やスタンドを使用して固定しましょう。その際、顔と上半身がきちんと映る位置に調整。周りに少し余白を作り、窮屈過ぎないように。

動画もチェックしよう

セッティングで気を付けたいポイントを動画でも紹介しています。

身だしなみ編

髪型

WEB面接を行う場合、撮影場所によっては天候や時間帯の違いにより、被写体への光の当たり方も変わります。それによって、影ができてしまい表情が見えにくかったり、顔全体が暗くなったりしてしまうことがあるので注意が必要です。
また、顔が隠れるようなヘアスタイルも気を付けましょう。

髪型
ポイント

表情がしっかりと見えるよう、顔に髪がかからないようなヘアスタイルを心がけましょう。特にフェイスラインにかかる髪は、画面を通すと余計に好感度を下げる要因になりかねません。眉毛が見える長さだと「目」の印象がはっきりしますね。面接官は「目」からの情報を大事にしています。

服装

自宅で撮影・面接に臨むからといって、カジュアルな私服や部屋着はNG。また、下半身は見えないだろうと上半身だけ身なりを整えていると、何かの拍子に映り込んでしまうことがあるので要注意です。

服装
ポイント

上下スーツを着用しましょう。画面越しだからこそ、映像に映った印象、少ない情報で全てが決まります。特に第一印象は重要。清潔感のある好感度の高い身だしなみを意識しましょう。服装の手抜きは、態度に現れやすいです。

化粧

就活メイクは、決して「なりたい自分を表現するもの」ではありません。「清潔感と働く意欲が感じられるもの」に仕上げましょう。派手になりすぎないナチュラルメイクで。自然体を重視しすぎたノーメイクはNG。さりげないメイクは、社会人として、人に会う際のマナーです。

ポイント

面接が長時間に渡ると、化粧崩れもしやすくなります。明るく元気な印象を与えるためのメイクが逆効果にならないように、シンプルなメイクを心がけましょう。

動画もチェックしよう

身だしなみで気を付けたいポイントを動画でも紹介しています。

WEB面接中のポイント

撮影・面接開始編

始まり〜終わり方のマナー

ポイント
  • 1
    開始と終了の2秒前と後は忘れずに微笑んで
  • 2
    不安なことがあれば早い段階で面接官に尋ねる。「声の届き方に問題はないですか?」
  • 3
    「学校・学部名、氏名(フルネーム)」で自己紹介
  • 4
    短い文章にまとめ、ゆっくりめに話す
  • 5
    最後のお礼のあいさつは心を込めて丁寧に

表情

直接会って話しをするよりも、画面を通じてのコミュニケーションは取りづらく、面接官の記憶に残りにくいこともあります。自分では微笑んでいても、相手に冷たい印象を持たれることもあるので要注意です。

表情
ポイント

普段から口角を上げて、自然な笑顔を心がけましょう。少しオーバーかなと思うくらい明るい表情を意識しても、画面越しだとちょうどよいことが多いです。鏡を見ながら表情を豊かにする練習を。

声のトーンとスピード

画面越しだと、どのくらいの声量が適当なのかつかみにくいものです。大きすぎると音が割れてしまい、小さすぎるとマイクが声を拾ってくれません。デバイスによっても違うので気をつけましょう。

ポイント

普段話す声量よりも、少しだけ大きめに話してみましょう。話すスピードも重要。緊張すると早くなりがちなので、少しゆっくり話す意識を持ち、特にキーワードとなる言葉を丁寧に強調して会話にメリハリをつけましょう。

しぐさ

丁寧に面接官と向き合うことはとても大事なことです。ただ、膝に手をのせたまま微動だにしないというのは、WEB面接の場合、印象に残りにくいので要注意です。いい発言をしても動きがないとマイナス効果に結びつくこともあります。

ポイント

言葉とともに思いも届けるイメージで、適度に手ぶりもつけて話してみましょう。また、相手の話しを聞いているときや相づちを打つ際に、少し大げさにうなづき、話を理解しているというサインを送ることも効果的です。

通信音やキーボード音

スマートフォンの通知音やキーボードをたたく音など、意外と画面越しに聞こえています。このくらい大丈夫だろう思っていたら、実は面接官は不快な思いをしていた…ということもあるので要注意です。

通信音やキーボード音
ポイント

メモを取るときは、メモ帳など紙に書くようにしましょう。また、パソコンにインストールしているSNS等は完全に閉じ、通知のポップアップやアラームなどの電子音が鳴らないようにしましょう。スマートフォンの場合も同様です。

動画もチェックしよう

WEB面接の本番で気を付けたいポイントを動画でも紹介しています。

トラブル対処法

しっかり事前準備をしていても、トラブルが起きてしまうこともあります。WEB面接中に万が一トラブルが起きても冷静に対応できるように、事前に対処法を確認しておきましょう。

通信トラブル

音声が途切れてしまうときは

WEB面接は、双方の通信環境が良好でないとスムーズな会話ができません。面接官の環境に不具合が起きることも考えられます。

“音が途切れる”“話す声が小さい”“画面共有されるべきものがされていない”など異変に気付いた時は、堂々と「恐れ入りますが」などのことわりを入れて、トラブルに感じる現状を伝えましょう。

音声が途切れてしまうときは

通信が切断されてしまったときは

環境の悪さ、操作ミスなどが原因で、通信が切断されてしまうこともあります。その際は落ち着いて再接続しましょう。
通信環境が悪い場合、周りにある他のデバイスの電源を落としたり、遠ざけたりするだけで変わることがあります。それでも、再接続できない場合は、緊急の連絡先に一報を。緊急連絡先を手元に置いておくことも重要ですね。

WEB面接事前準備チェックリスト

事前準備に役立つ
チェックリストをダウンロードしよう

WEB面接に臨む前にやるべきことのチェックリストをダウンロードできます。
WEB面接は、何よりも事前準備をしておくことが大切です。
チェックリストを活用してしっかりと対策し、万全な状態で臨みましょう!

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監修

YDサポート株式会社
外村倫子(とむら のりこ)

キャリアコンサルタント。フリーアナウンサー。局アナとして報道番組に15年以上携わったのちフリーで活動。 企業の採用支援や大学生の就職支援講座、社会人向け話し方講座など幅広い分野で講師を務める。 ニュースやドキュメンタリー番組のナレーターとしても活躍中。

外村倫子(とむら のりこ)

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