看護師の仕事内容をわかりやすく解説!1日の流れや主な勤務先も

看護師の仕事内容をわかりやすく解説!1日の流れや主な勤務先も

看護師の仕事内容は非常に幅広いため、看護師を目指すにあたっては実際の仕事を把握しておくことが大切です。病院勤務だけでなく、さまざまな現場で活躍する看護師の仕事内容を知ることで、将来の働き方を具体的に描けるようになるでしょう。この記事では、看護学生の方に向けて、看護師の仕事内容や1日の流れ、働く場所について、わかりやすく解説します。これからの進路選びや実習に向けて、ぜひ参考にしてください。

監修者

木下 知理

木下 知理

日鋼記念看護学校看護学科を卒業後、呼吸器内科・透析科・健診センターでの勤務を経て、現在は札幌市内のデイサービスに勤務。現役看護師として働く中で得た経験をもとに、看護記事の監修を担当。読者にわかりやすい内容になるよう現場の視点を大切にしている。

1.看護師の主な仕事内容

看護師の仕事は、患者さんのケアや医師のサポート、カルテの記入や病院の環境整備など多岐にわたります。まずは、看護師の主な仕事内容について改めて確認していきましょう。

患者の健康観察・バイタルチェック(体温・脈拍・血圧など)

患者さんの状態を把握するための健康観察は、看護師の大切な業務の一つです。具体的には、患者さんのバイタル(体温・脈拍・血圧・呼吸数など)を測定し、体調の変化を細かく記録します。

これにより、病気の悪化や改善の兆しを早期に発見でき、適切な対応へとつなげることができます。数値だけでなく、顔色や表情、食欲、眠りの様子などを観察し、医師や他の医療スタッフと情報を共有する役割も担います。

医師の診察や処置の補助

医師が診察を行う際は、看護師が患者さんを誘導したり体位の調整を行ったりして、診察がスムーズに進むようサポートするのが一般的です。

また、医師が医療処置で使用する器具の準備や片付けも、多くの場合看護師が担当します。医師の指示を正しく理解し的確に動くことが、患者さんの安全につながります。

注射・点滴・採血などの医療行為

看護師は、注射・点滴・採血といった医療行為も行います。これらの医療行為を行う際は、薬の種類や量、患者さんの体調を確認しながら安全に実施する必要があり、ミスのない正確な処置が求められます。また、患者さんの不安を和らげるためのコミュニケーション能力も大切です。

なお、国家資格を持たない准看護師でも注射・点滴・採血を行えますが、准看護師には「医師や看護師の指示がないと行えない」「動脈血採血などの特定行為は行えない」などの制約があります。

食事の介助・排泄のサポート・薬の管理など

医療行為だけでなく、患者さんの日常生活に関わるサポートも看護師の大切な仕事です。例えば、自分で食事をとることが難しい方には食事の介助を行い、栄養状態や食欲の様子を確認します。

また、排泄が困難な方にはトイレの付き添いやオムツ交換を行い、清潔を保ちながら体調の変化にも気を配ります。さらに、薬の管理も重要で、決められた時間と量を守って正しく服用できるよう準備したり、飲み忘れや副作用の有無を確認したりする役割も担います。

巡回やナースコールの対応

患者さんが安全かつ快適に入院生活を送れるよう、定期的に病室を巡回して様子を確認します。また、患者さんからの呼び出し(ナースコール)があれば、すぐに駆けつけて症状の確認と必要なケアを行わなければなりません。

こまめな見守りを行い、小さな体調の変化を見逃さないように注意しながら、患者さんに安心して療養してもらうことが看護師の重要な仕事です。

患者さんやご家族への説明・相談対応

看護師は、患者さんはもちろん、ご家族への説明や相談対応も行います。入院生活や治療内容についてわかりやすく説明し、不安や疑問に丁寧に答えることで、患者さんとご家族が安心して治療に向き合えるようサポートします。

さらに、退院後の生活や介護についての相談も受け、必要に応じて地域の支援サービスを案内することもあります。患者さんの気持ちに寄り添い、信頼関係を築く大切な業務の一つです。

カルテ記録・看護記録の作成

事務的な仕事には、カルテ記録や看護記録の作成などがあります。カルテや看護記録には、バイタルサイン、処置内容、患者さんの様子、会話の内容などを記入し、医療チーム全体で情報を共有します。

これにより、治療方針の確認や緊急時の対応がスムーズに行えるようになります。ミスを防ぎ、患者さんの安全を守るためにも、丁寧で正確な作業が求められる重要な業務です。

病棟や施設内の環境整備

患者さんの負担を軽減し、安心して治療に専念できる環境を整えることも看護師の役割です。具体的には、病室のベッド周りを清潔に保ったり、必要な医療器具が適切に配置されているかを確認したりします。

また、事故や感染を防ぐために室内の整理整頓や消毒を徹底するなどして、安全で快適な療養環境を維持します。

急変時の緊急対応・救命処置の補助

患者さんの容体が急変した際、看護師はすぐに状況を判断し、医師への報告や必要な処置の準備を行います。

心停止や呼吸困難など緊急の場面では、心臓マッサージやAEDの使用、点滴の確保などを迅速に実施し、医師の救命処置をサポートしなければなりません。常に冷静に行動し、命を守るための判断力と対応力が求められます。

木下 知理

木下 知理

ほかにも手術室や訪問看護など、病棟とは少し異なる現場で看護師が勤務する場面があります。
配属先によっては業務内容や扱う医療機器、患者さんとの関わり方が異なるため、幅広い経験を積むことができます。

2.看護師の仕事の流れ・1日のスケジュールは?

看護師は、実際にどういった流れで上記のような仕事を行っているのでしょうか。ここでは、外来看護師・病棟看護師・オペ看護師・ICU看護師という4つのケースに分けて、1日のスケジュール例を紹介します。

外来看護師の例

病院の外来で働く外来看護師のスケジュール例は次のとおりです。

時間帯 主な仕事内容
8:00 出勤・ミーティング・当日の予約患者や急患の確認など
9:00
  • 外来診療スタート
  • 診察介助、検査案内
  • 採血・点滴・注射などの処置
  • バイタルチェックなど
12:00 お昼休憩(1時間程度、交代または一斉にとる場合がある)
13:00
  • 午後の診療開始
  • 診察介助・検査説明など
  • 診療の合間に物品補充・記録入力・翌日の準備など
18:00 最終受付・診察終了・片付け・記録まとめなど
18:30 ミーティング・情報共有・退勤

外来看護師は、日中に通院する患者さんの診療補助やバイタルチェックなどを担当します。夜勤はないため、朝出勤して夕方退勤するという勤務体系が一般的ですが、診療時間が長い病院の場合は、早番と遅番に分かれている場合もあります。

病棟看護師の例

病棟看護師は、入院している患者さんのケアを行う看護師です。病棟では24時間体制でのケアが必要なため、病棟看護師は日勤と夜勤のシフト制で働くのが一般的です。

日勤の場合

病棟看護師の日勤のスケジュール例は次のとおりです。

時間帯 主な仕事内容
8:00 出勤・申し送り(夜勤者から患者の状態や注意点の引き継ぎ)
9:00
  • 体調、バイタルチェック・点滴確認
  • 清拭・排泄介助
  • 医師の回診同行・診察補助など
12:00 昼食準備・食事介助・口腔ケアなど
12:45~ 休憩(交代で昼休憩をとる)
13:00
  • 内服薬の確認
  • 患者の状態観察、記録記入
  • 検査や処置の準備と実施
  • リハビリへの付き添い
  • ナースコール対応、環境整備など
16:00 夕方のバイタルチェック・点滴交換・巡回など
16:30 申し送り(夜勤者へ患者さんの状態・注意点を引き継ぐ)
17:00 日勤業務終了・退勤

病棟看護師の仕事内容には、医師の診療補助だけでなく、食事や排泄の介助、ナースコール対応などが加わります。日勤の場合は、夜勤の担当者へ患者さんの状態や注意点を正確に引き継ぐ必要があります。

夜勤の場合(2交代制)

看護師の夜勤スケジュールは、「2交代制」か「3交代制」によって異なります。

2交代制は日勤と夜勤を交代でこなすため夜勤の時間が長いのに対し、3交代制では夜勤を準夜勤と深夜勤に分けているため夜勤の時間は短くなります。

「2024年病院看護実態調査報告書」によると、看護師に適用されている勤務形態は2交代制が8割近くと多数を占めているため、ここでは2交代制のスケジュール例を紹介します。

時間帯 主な仕事内容
16:30 出勤・日勤者から申し送り(患者さんの状態・注意事項の確認)
17:00 点滴確認・バイタルチェック・ナースコール対応など
18:00 夕食の配膳・食事介助・内服薬確認など
19:00 片付け・環境整備・記録入力など
20:00 巡回(患者さんの体調確認・点滴チェック)
21:00
  • 消灯
  • バイタルチェック・ナースコール対応・夜間巡回・点滴交換・記録入力など
1:00
  • 休憩(交代で仮眠・仮眠のない病棟もあり)
  • 夜間巡回
  • ナースコール対応など
6:00 起床介助・採血・検温・バイタルチェック
7:00 朝食の配膳・食事介助・内服確認
8:00 片付け・環境整備・記録入力など
8:30 日勤者への申し送り・夜勤業務終了
9:00 退勤

夜勤では定期的に巡回を行い、患者さんの状態を観察したり急変に対応したりしなければなりません。また、夕食や朝食の準備と片付け、介助なども夜勤看護師の仕事です。

オペ看護師の例

オペ看護師(手術室ナース)の主な仕事は、手術中に医師のサポートを行うことです。器械の準備や患者さんの体位管理、手術前後のケアなどを担当し、安全で円滑な手術の進行を支えます。

手術の内容や件数によって、1日のスケジュールは大きく異なります。ここでは、約2時間の手術を2件行う場合のスケジュール例を紹介します。

時間帯 主な仕事内容
8:00 出勤・ミーティング・当日の手術スケジュール確認
8:30 手術室の準備(器材・物品・機器の点検)
9:00 1件目の手術開始(患者さんの受け入れ・器械出しなど)
11:00 手術終了・患者さんの移送・手術室の清掃・器械の洗浄など
11:30 2件目の手術準備・器材セッティング
12:00 昼休憩(手術状況により前後する・交代で取る場合もある)
13:00 午後の手術開始(患者さんの受け入れ・器械出し・物品補充など)
15:00 手術終了・器械洗浄・記録作成・翌日の準備など
17:00 片付け・ミーティング・情報共有
17:30 退勤(緊急手術がなければ)

手術は患者さんの命に関わることもある医療行為であり、その場に立ち会うオペ看護師には高い集中力と冷静な判断力が求められます。

看護師資格以外に特別な資格は必要ありませんが、手術の流れや器械の扱い、医師のサポートを的確に行うには、ある程度の現場経験が不可欠です。

ICU看護師の例

ICU看護師とは、集中治療室(ICU)で重篤な状態の患者さんを24時間体制で看護する看護師です。ICU看護師の日勤スケジュール例は次のとおりです。

時間帯 主な仕事内容(日勤の場合)
8:00 出勤・夜勤者から申し送り・患者さんの状態確認
8:30
  • バイタルチェック、ドレーンや点滴、呼吸器管理
  • 医師の回診同行、指示確認、記録
  • 体位変換・口腔ケア・吸引 など
12:00 昼休憩(交代でとる)
13:00
  • モニター観察・薬剤投与・採血
  • 家族対応 など
16:00 患者ケアのまとめ・記録
16:30 夜勤者へ申し送り
17:00 退勤(緊急入院や処置があれば残業のことも)

夜勤の場合も、おおむね同様のスケジュールです。ICUには命の危険がある患者さんも多く、急変に対して迅速に対応しなければならないため、特に冷静な判断力が求められます。

木下 知理

木下 知理

看護師の1日は勤務先によって異なりますが、こういった基本の流れを知っておくと働くイメージがつかみやすくなります。
どの部署においても患者さんの情報確認や申し送りは欠かせません。

3.看護師の勤務体制による仕事内容の違い

次に、日勤と夜勤の仕事内容の違いを解説します。看護師として働くにあたり、それぞれの仕事内容にはどういった特徴があるのかをチェックしておきましょう。

日勤の仕事内容

日勤で行うことが多い仕事内容には次のようなものが挙げられます。

  • 医師の回診の同行
  • 検査・リハビリの付き添い
  • 看護計画の立案・見直し会議・カンファレンス
  • ご家族対応・説明の機会
  • 入退院患者さんの受け入れ・手続き
  • 昼食の準備、介助、片付け

日中は、回診や検査、リハビリを行うことが多いため、医師・理学療法士・診療放射線技師などと連携しながら患者さんをケアします。また、治療方針について情報を共有し合うカンファレンスや、ご家族への説明なども日中に行われるのが一般的です。

日勤は夜勤に比べてスタッフの数が多くサポート体制が整いやすい分、仕事の量や種類も多い傾向があります。

夜勤の仕事内容

夜勤で行うことが多い主な仕事内容には次のようなものが挙げられます。

  • 夜間の定期巡回
  • 夜間のナースコール、急変対応
  • 患者さんの睡眠環境の調整
  • 夜間救急からの患者さん受け入れ
  • 夕食・朝食の準備、介助、片付け

夜勤は少人数体制で患者さんを看るため、一人ひとりの責任が重くなりやすいといえます。また、巡回やナースコールの対応では、患者さんの睡眠を妨げないよう配慮しながら行う必要があるなど、昼間とは違った気配りも求められます。

4.看護師の主な勤務先による仕事内容の違い

ここからは、看護師の主な勤務先による仕事内容の違いを解説します。病院だけでなく、介護施設や学校などで勤務する場合の仕事内容についても詳しく紹介します。

病院

まずは、看護師の勤務先として最も多い病院について解説します。一口に病院といってもさまざまな種類があるため、ここでは5つに細分化して紹介していきます。

大学病院

大学病院とは、医学部や歯学部、医科大学に附属する病院のことです。大学病院では高度な医療を提供し、重症患者や専門的治療にも対応します。

  • 高度・専門的な医療行為の補助
  • 急変・救命対応
  • 実習生・新人看護師の指導
  • 臨床研究・治験サポート
  • 医師・薬剤師・リハビリなどとの定期カンファレンス
  • チーム医療の実践
  • 多診療科・他病棟との連携

大学病院では、高度かつ専門的な医療が行われることが多く、看護師にも高いスキルが求められます。また、多様な診療科があるため、チーム医療を担う幅広い対応力が必要です。

民間病院

民間病院とは、企業や個人が運営する病院のことです。公的病院に比べて自由度が高く、サービスの質や設備の充実に力を入れる傾向があります。

  • 一般病棟での患者ケア
  • 外来・診療補助
  • 検査・処置の補助
  • 入退院の対応
  • 介護的ケア
  • 健康診断・予防接種の実施
  • 訪問看護・デイサービス併設型の連携

複数の科をもつ民間病院では、看護師にも幅広いスキルが求められます。また、規模が小さい民間病院の場合は、一人の看護師が多様な業務を兼任しなければならないこともあります。

公立病院(都道府県市区町村組合)

公立病院は地方自治体やその組合が運営する病院で、地域住民に安定した利用を提供することが目的とされています。自治体が直営する公立病院の看護師は、その自治体の公務員となります。

  • 救急医療・災害時対応
  • 地域包括ケアの実施
  • 行政機関との連携業務
  • 感染症対策業務
  • 公務員ならではの研修参加
  • 健康診断・予防事業の実施

公立病院の看護師は、多様な患者層に対応しながら、地域医療の重要な役割を担います。救急や高度医療の現場が多いため、専門的な知識が求められるとともに、チーム医療や多職種連携も重視されます。

公的病院(国家公務員、独立行政法人、赤十字等)

公的病院は独立行政法人や赤十字社などが運営する医療機関で、国民全体への安定した医療提供や災害時の支援、特殊医療を担っています。

  • 救急搬送・24時間救急対応
  • 災害医療・感染症医療の対応
  • 高度急性期医療の提供
  • 行政機関や他施設との連携
  • 看護研究・教育の実施
  • 災害時の広域応援派遣
  • 生活困窮者・医療的弱者の支援

公的病院の看護師も高度な医療に関わる機会が多いため、専門知識や技術の習得が求められます。救急医療や災害対応、感染症対策など、公共性の高い業務に携わることもあります。

医院・クリニック

医院やクリニックは、地域の身近な医療機関で、内科や小児科、皮膚科など特定の診療科を中心に診察や治療を行います。入院設備がない場合が多く、比較的軽度な症状の患者さんが訪れます。

  • 診察準備・器具の準備・消毒
  • 採血・注射・点滴の実施
  • 検査説明・結果案内
  • 患者さんへの服薬指導・生活相談
  • 院内清掃・環境整備
  • 小手術や処置の補助

医院・クリニックの看護師は、患者さんの問診補助、採血、注射、検査準備など幅広い業務を担当します。患者さんとの距離が近いため、看護知識に加えて高いコミュニケーション能力が必要です。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、病気や障がいを抱えた方が病院を離れても安心して療養できるよう、在宅ケアを提供する事業所です。

  • 利用者宅への訪問看護
  • バイタルチェック
  • 点滴・注射の実施
  • 服薬管理・指導
  • リハビリ補助
  • 家族への介護指導
  • 医療機関やケアマネとの連携

訪問看護ステーションで働く看護師は利用者の自宅へ出向き、健康管理や症状の観察を行います。また、点滴・注射などの医療処置や、家族への介護指導を行うこともあります。

利用者一人ひとりに合わせたケアを自立支援の視点で提供し、チーム医療の一員としてさまざまな職種と連携しながら働きます。

介護施設

介護施設は、高齢者や障がいをもつ方が日常生活のサポートを受けながら安心して過ごせる場所です。入所型や通所型など、さまざまな形態があります。

  • 健康管理・バイタルチェック
  • 服薬管理
  • 褥瘡(床ずれ)予防・処置
  • 点滴・注射・採血の実施
  • 緊急時の対応
  • スタッフへの医療指導
  • 家族への連絡・相談対応
  • 医療機関との連携

介護施設の看護師は、利用者の健康管理や服薬管理、バイタルチェックなどを行います。また、介護職員と連携して利用者の生活支援やリハビリのサポートを担当する場合もあります。

保育園・幼稚園・学校

保育園や幼稚園、学校では、医療的ケアが必要な子どものために看護師が必要とされるケースもあります。

  • 医療的ケア児の健康観察と体調チェック
  • 喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアの実施・補助
  • 保護者・医療機関・教職員との連絡調整と情報共有
  • 医療機器や薬品の管理と使用準備
  • 医療的ケアの記録・管理・報告

喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアを行うには、法令に基づいた資格が必要です。そのため、医療的ケア児がいる保育園や学校では看護師が求められています。看護師は医療的ケアのほかにも、保護者や教職員との連絡調整などを行います。

企業

企業で働く看護師は「企業看護師」や「産業看護師」と呼ばれ、会社内の医務室などで従業員の健康管理や職場環境の改善サポートを行います。

  • 従業員の健康診断の実施・結果管理・フォロー
  • ケガや急病時の応急処置・体調不良者の対応
  • メンタルヘルス相談・ストレスチェックの実施
  • 健康管理指導や生活習慣改善のための面談・相談対応
  • 職場の衛生管理・安全衛生委員会への参加

企業看護師の主な仕事は、従業員の健康相談やメンタルケア、応急処置です。また、定期健康診断の実施やフォローアップを行う場合もあります。病院の仕事とは異なり、予防と健康維持に重きを置いています。

保健所・保健センター

看護師は地域住民の健康を守る「公衆衛生の専門職」として、保健所や保健センターで働くこともできます。

  • 予防接種の実施
  • 健康診断・がん検診の実施と結果フォロー
  • 地域住民への健康教育・保健指導の企画運営

主な仕事は地域住民の健康相談や保健指導などであり、企業看護師と同様、治療よりも予防が中心の仕事内容です。公務員として働けるため、雇用や収入が安定しやすい傾向にあります。

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看護職の仕事図鑑
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病院の規模や施設によって、看護師の業務内容や役割は大きく異なります。
専門分野に分かれて業務を行う大規模病院もあれば、小規模病院やクリニックでは幅広い業務を担当することもあります。
それぞれの環境で多様な経験を積むことができます。

5.看護師は幸せ?先輩看護師が感じる「やりがい」とは

これから看護師を目指す皆さんの中には、看護師の仕事内容を見て「大変そう…」と不安に感じている方がいるかもしれません。確かに、看護師は体力的・精神的にハードな場面がありますが、その分やりがいや喜びを感じる瞬間もたくさんあります。

実際に働く先輩たちは、どんなときに「看護師をしていて良かった」と感じているのでしょうか。ここでは、日本看護研究学会雑誌の調査を参考に、先輩看護師が感じるやりがいと幸せな瞬間を紹介します。

患者さんの回復を間近でサポートできる

上記の調査では、「患者さんが自分のサポートによって回復し、無事に退院していく姿を見ることに幸せを感じる」という意見がありました。

患者さんがつらい治療や入院生活を乗り越えて、少しずつ元気になっていく姿をそばで見守れるのは看護師ならではの経験です。

長い時間患者さんと関わる看護師は、医療職の中でも患者さんの回復を最も間近で感じられる職業の一つといえます。看護師を目指すうえで、このやりがいは大きな魅力になるでしょう。

患者さんやご家族から感謝してもらえる

先輩看護師からは、「患者さんに感謝してもらえる」「自分が実施したことで患者さんが笑顔になる」など、患者さんの喜ぶ姿にやりがいを感じるという声が多く聞かれます。

患者さんやご家族からの「ありがとう」という言葉は、看護師にとって何よりの励みになります。人から感謝されることで得られる心理的報酬が、看護師の自信ややりがいにつながっているといえるでしょう。

命に関わる仕事に誇りを感じられる

「自分が看護職であることに、プライドを持って働いている」という先輩看護師は多くいます。看護師は、患者さんの生活に直接関わる重要な役割を担っており、状況によっては一瞬の判断が命を左右することもあります。

その緊張感の中、無事に患者さんが回復へ向かう姿を見届けられたとき、自分の仕事に大きな誇りと使命を感じられるでしょう。看護師は、責任の重さと同時に他の職業では得られない特別なやりがいがある仕事です。

雇用や収入が安定している

医療の現場は常に人手不足の傾向があり、看護師は景気の変動を受けにくい職業といわれています。特に、高齢化社会が進む日本においては、病院だけでなく介護施設や訪問看護など幅広い活躍の場があるため、長く働き続けやすいのが魅力です。

また、経験を重ねることで給与や待遇がアップする制度も整っているため、安定した生活基盤を築きながら、自分のペースでキャリアアップを目指せるのも、看護師のやりがいにつながっています。

日常生活でも役立つ看護スキルを身に付けられる

看護師として働く中で身につくスキルは、医療現場だけでなく日常生活でも大いに役立ちます。万が一、身近な人がケガをしたり体調不良に陥ったりしても、看護の知識があれば適切な対応や判断ができます。

健康に関する不安を気軽に相談できる看護師は、周囲にとってたいへん頼もしい存在です。実際に、「看護職であることで友人や親族から賞賛される」という先輩看護師の声があります。

自分を含め、周囲の人の健康を守る知識を自然と身につけられることも、看護師ならではの大きなやりがいの一つといえます。

木下 知理

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看護師の仕事では、とくに患者さんと関わる中でやりがいを感じる瞬間があります。
間近で患者さんの回復や退院の姿を見たり、信頼関係を築き、些細な変化に気づいてサポートしたときに「いつもありがとう」とお言葉を頂けると、自分のケアが役に立ったことを実感できます。

6.まとめ

看護師の仕事内容は、患者さんの健康チェック、診療の補助、医療処置、環境整備など多岐にわたります。日勤か夜勤か、外来か病棟かという勤務条件だけでなく、働く場所によっても仕事内容は大きく異なります。

満足できる就職先を探すには合同説明会や就職セミナーに参加し、実際の仕事内容を確認するのがおすすめです。マイナビ看護学生を利用すれば、就職に役立つ情報がまとめて手に入るうえに、気になる病院を比較することもできます。

ぜひ、マイナビ看護学生に登録して、理想の職場探しをスタートさせましょう。