看護師のシフトとは?パターンごとの勤務時間やスケジュールを解説

看護師のシフトとは?パターンごとの勤務時間やスケジュールを解説

看護師のシフトパターンは、病院や施設によってさまざまです。シフトの種類ごとに勤務時間や1日の流れが異なるので、職場探しを始める前にそれぞれの特徴を確認しておくことが大切です。

この記事では看護学生の皆さんに向けて、看護師のシフトパターンや勤務時間、1日のスケジュール例をわかりやすく解説します。また、休みの取り方や給料についても紹介するので、今後の就職準備にぜひ役立ててください。

監修者

木下 知理

木下 知理

日鋼記念看護学校看護学科を卒業後、呼吸器内科・透析科・健診センターでの勤務を経て、現在は札幌市内のデイサービスに勤務。現役看護師として働く中で得た経験をもとに、看護記事の監修を担当。読者にわかりやすい内容になるよう現場の視点を大切にしている。

1. 看護師の主なシフトパターンを知ろう

昼夜を問わず患者のために尽力する看護師は、日勤・夜勤・交代制など、さまざまなシフトパターンで勤務しています。シフトの種類ごとに勤務時間や1日の流れが異なるので、どの勤務形態を選択するかで、休日の取り方やプライベートの予定にも影響が出てきます。

ここでは、看護師の主なシフトパターンである、日勤・交代制・変則交代制・夜勤専従について解説します。看護師を目指す学生の方は、まずはそれぞれの特徴を確認しておきましょう。

日勤のみ

看護師のシフトパターンで最も多いのが、日勤です。検査や診察のサポート、入院患者のケアが中心で、医師や他スタッフとの連携も多く、治療計画の調整など日勤ならではの業務をこなします。以下に、日勤の勤務時間や労働時間の目安を紹介します。

勤務形態 勤務時間 労働時間
日勤 8:30~
17:30
8時間(休憩1時間)

交代制

交代制のシフトパターンは、「日勤+夜勤」の2交代制と、「日勤+準夜勤+深夜勤」の3交代制に分けられます。それぞれの勤務時間や労働時間は、以下のとおりです。

2交代制
勤務形態 勤務時間 労働時間
日勤 8:30~
17:30
8時間(休憩1時間)
夜勤 17:00~
09:00
16時間(休憩2時間)
3交代制
勤務形態 勤務時間 労働時間
日勤 8:00~
17:00
8時間(休憩1時間)
準夜勤 16:30〜
01:00
8時間(休憩1時間)
深夜勤 0:30〜
9:00
8時間(休憩1時間)

変則交代制

変則交代制のシフトパターンは、日勤・夜勤ともに10時間〜12時間前後の勤務形態のことを指します。各シフトの勤務時間や労働時間は、以下のとおりです。

勤務形態 勤務時間 労働時間
長日勤(ロング日勤) 9:00〜
20:00
10時間(休憩1時間)
夜勤 19:30〜
9:30
12時間(休憩2時間)

また、変則交代制の中には、朝食や夕食前後の忙しい時間帯に対応する早番や遅番といったシフトパターンもあります。これらの勤務では、患者の受け持ちはなく、補助作業を中心としたフリー業務となるため、精神的な負担は比較的少ないとされています。

勤務形態 勤務時間 労働時間
早番 7:00〜
16:00
8時間(休憩1時間)
遅番 12:00〜
21:00
8時間(休憩1時間)

夜勤専従

夜勤専従とは、夜勤のみを担当する勤務形態のことで、勤務先によっては2交代制または3交代制で夜勤を担うのが一般的です。日本看護協会の「夜勤・交代制勤務ガイドライン」では、1ヶ月あたりの夜勤時間の上限を144時間以内とすることが推奨されており、2交代制の場合は月9回程度、3交代制では月15回程度が目安とされています。

夜勤専従は、夜勤手当などによる給与面でのメリットが大きい一方で、生活リズムが乱れやすく、心身の健康維持が懸念される働き方でもあります。活動と休息のバランスを保ち、病棟での事故リスクを回避するためにも、夜勤時間は月144時間以内に抑えることが望ましいとされています。

木下 知理

木下 知理

夜勤の2交代や3交代のシフトは、病院によってさまざまです。
また、手術室や訪問看護、介護施設などでは、待機勤務という働き方があり、施設から連絡があれば出勤します。

2. 2交代制・3交代制とは?どっちがきつい?

前述のとおり、看護師の交代制勤務には、「日勤+夜勤」の2交代制と、「日勤+準夜勤+深夜勤」の3交代制があります。夜勤時間の長さやシフトの分かれ方によって、心身への負担や生活リズムへの影響にも違いが出てきます。

ここでは、それぞれの特徴を比較しながら、負担の違いや生活への影響について解説します。

2交代制の場合

2交代制は、24時間を日勤と夜勤に分けてシフトを組む方法です。日勤は通常の日勤と同様に、8:30〜17:30などの8時間(休憩1時間含む)勤務し、検査や診察のサポート、入院患者のケアなどが業務の中心になります。

一方夜勤は、17:00〜9:00などの16時間(休憩2時間)勤務し、日勤看護師からの引き継ぎから始まり、巡回・バイタル測定・患者の介助・ナースコール対応などを行います。

2交代制の勤務スケジュール

以下では、2交代制における夜勤の勤務スケジュールの例について紹介します。

夜勤(17:00~9:00の場合)
時間 業務内容
17:00 出勤、日勤看護師からの引き継ぎ
17:30 巡回・点滴交換・検温
18:00 夕食の配膳・食事介助・与薬・口腔ケア
19:00 巡回・点滴交換・バイタル測定・排泄介助
20:00 休憩
21:00 就寝準備・消灯
21:30〜
4:00
巡回・カルテ整理・排泄介助・体位変換・ナースコール対応(交代で休憩)
5:00 点滴・採血準備
6:00 起床・点滴交換・バイタルサイン測定・採血・洗面介助
7:00 朝食の配膳・食事介助・与薬・口腔ケア
8:30 日勤看護師への引き継ぎ
9:00 退勤

2交代制のメリット・デメリット

2交代制は、夜勤が長時間であるため、夜勤手当に加えて時間外手当が付くことが多く、収入が安定しやすい傾向があります。病院の規定によっては、ボーナスの算定額が高くなるケースも見られます。

また、夜勤明けと休日を組み合わせて連休を取りやすいため、旅行などの予定が立てやすく、プライベートの時間を確保しやすい点も魅力です。

ただし、夜勤が16時間と長いため、休憩があるとはいえ心身への負担が懸念されます。生活リズムの乱れや睡眠不足などに注意した体調管理が求められます。

3交代制の場合

3交代制は、24時間を日勤・準夜勤・深夜勤の3つに分け、各8時間ずつ勤務するシフトです。

日勤は8:00~17:00(休憩1時間)、準夜勤は16:30〜1:00(休憩1時間)、深夜勤は0:30〜9:00(休憩1時間)などのスケジュールが一般的です。

準夜勤では、日勤看護師からの引き継ぎ後に巡回や就寝準備、ナースコール対応などを行い、深夜勤では夜間の巡回や急変対応、朝の引き継ぎ準備などを担当します。

3交代制の勤務スケジュール

以下では、3交代制における準夜勤と深夜勤の勤務スケジュールの例について紹介します。

準夜勤(16:30〜1:00の場合)
時間 業務内容
16:30 出勤、日勤看護師からの引き継ぎ
17:00 巡回・点滴交換・検温
18:00 夕食の配膳・食事介助・与薬・口腔ケア
19:00 巡回・点滴交換・バイタル測定・排泄介助
20:00 休憩
21:00 就寝準備・消灯
21:30~
23:00
巡回・点滴交換・排泄介助・体位変換・ナースコール対応
0:30 深夜勤への引き継ぎ
1:00 退勤
深夜勤(0:30〜9:00の場合)
時間 業務内容
0:30 出勤、準夜勤看護師からの引き継ぎ
1:00 巡回・カルテ整理・排泄介助・体位変換・ナースコール対応
4:00 休憩
5:00 巡回・カルテ整理・排泄介助・体位変換・ナースコール対応
6:00 起床・点滴交換・バイタルサイン測定・採血・洗面介助
7:00 朝食の配膳・食事介助・与薬・口腔ケア
8:30 日勤看護師への引き継ぎ
9:00 退勤

3交代制のメリット・デメリット

3交代制は、1回あたりの勤務時間が短いため、体への負担が比較的少ない勤務形態です。シフトが日勤・準夜勤・深夜勤に分かれていることで、一人あたりの業務量を軽減しやすく、職員同士の連携も取りやすいというメリットがあります。

ただし、夜勤手当が少なくなりやすいことに加え、準夜勤の退勤や深夜勤の出勤が深夜帯となるため、防犯面の不安が挙げられます。また、日勤と夜勤が連続する場合、まとまった休みが取りにくいことも考慮すべきポイントです。

木下 知理

木下 知理

2交代制も3交代制もそれぞれメリットがありますが、どちらの場合でも、少人数で入院患者さんを受け持つ必要があります。
また、急変対応や夜間の入院受け入れがあると、休憩が取りにくくなったり残業が発生することもあります。こうした点もしっかり頭に入れたうえで検討しましょう。

3. 看護師は休みを自由に取れる?

看護師は、これまで紹介したようなシフトパターンで勤務することが一般的です。では、休みはどの程度自由に取れるのでしょうか。ここでは、看護師の休みの取り方や有給取得率について解説します。

看護師は4週8休制(4週に8日の休日)が多い

看護師は、4週8休制で働いていることが一般的です。これは、28日間のうちに8日間の休日を設ける勤務体制で、シフト勤務が中心の看護師にとって全体の労働時間を調整する目的で導入されています。

また、入院患者の状況に応じて勤務時間を柔軟に設定する必要があるため、変形労働時間制を採用している職場も多く、固定の休みを取るのが難しい場合もあります。

休みを申請して周囲と調整するのが一般的

看護師が休みを取りたい場合は、シフト表や業務予定を確認したうえで、事前に申請するのが一般的です。手術や検査の予定、入院患者の状態、他の職員のシフト希望などと調整しながら、希望休の取得が可能か判断されます。

看護師の有給取得率

令和5年度の日本看護協会「病院看護実態調査 報告書」によると、正規雇用看護職員の有給取得率は、最も多いのが「70~80%未満」の16.7%、次いで「60~70%未満」が16.1%、「90%以上」が16.0%でした。

看護業界の全体的な有給取得率は67.7%であり、令和6年度の厚生労働省「令和6年就労条件総合調査」が示す全国平均の65.3%と比べると、やや高い水準です。ただし、これはあくまで平均値であり、勤務先の規模や業態によって大きく異なります。

木下 知理

木下 知理

外来やクリニックのように固定休みが決まっている場所もありますが、病棟のように24時間フル稼働している現場では、事前に休みを申請しても、状況によって調整が必要な場合があります。
ご家庭の事情や体調不良でどうしても休む必要が出ることもあるため、チームで助け合いながら働くことが大切です。

4. 看護師の給料はシフトによってどう変わる?

看護師のシフトには日勤・夜勤・交代制などがありますが、勤務形態によって給与にどのような違いがあるのでしょうか。

看護師の夜勤手当

看護師の仕事では、深夜の病棟巡回や入院患者の容態管理といった夜勤業務が欠かせません。夜勤手当は、深夜手当(午後10時から午前5時までの割増賃金)とは異なり、企業や施設の独自規定に基づいて支給される手当です。

医療・介護業界をはじめ、製造業や建設業などでも支給されることが多く、看護師が深夜勤務に従事する場合も、夜勤手当が支給されるのが一般的です。支給額は勤務先の規模や地域、勤務形態、労働時間などによって異なり、規模の大きい施設ほど手当が手厚い傾向があります。

「日勤のみ」と「夜勤あり」の給料の違い

看護師のシフトパターンには「日勤のみ」と「夜勤あり」がありますが、当然ながら「夜勤あり」の方が給与は高くなります。では、実際にどの程度の差があるのでしょうか。

令和6年度の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、日勤のみの看護師の平均月給は329,600円でした。

また、日本看護協会「2023年病院看護実態調査 報告書」によると、「三交代制の準夜勤では平均4,234円、深夜勤では平均5,199円であった。二交代制の夜勤では平均11,368円であった。」としており、夜勤1回につき夜勤手当が手厚いことがわかります。

以下は、2交代制の勤務形態で「日勤のみ」と「夜勤あり(月4回)」の給与例です。夜勤手当は1回あたり11,368円で計算しています。

勤務形態 基本給(月給) 夜勤手当合計 合計支給額(月)
日勤のみ 329,600円 - 329,600円
夜勤あり 329,600円 45,472円 375,072円

上記のことから、日勤のみと夜勤ありの給料の違いは、月に4〜5万円程度であることが分かります。年収に換算すると、およそ48万〜60万円の差となります。

5. シフトに注目して職場を探すときのポイント

これまでのように、看護師はシフトの種類や働き方によって、収入や生活リズムが大きく変わります。自分に合った勤務スタイルを選ぶためには、シフトに注目して職場を探すことが大切です。ここでは、その際に押さえておきたいポイントを5つ紹介します。

2交代制と3交代制のどちらを採用しているか

看護師の夜勤には、主に2交代制と3交代制の勤務形態があります。どちらを採用しているかによって、夜勤手当の金額や働き方のリズムが大きく変わります。夜勤手当をしっかり得たいなら2交代制、生活リズムの安定を重視するなら3交代制が向いていると言えるでしょう。

実際の勤務時間はどれくらいか

看護師のシフトパターンには、日勤・夜勤・交代制などさまざまな勤務形態があります。通常の日勤は8時間前後が一般的ですが、変則的な交代制では日勤でも10時間程度になることがあります。

夜勤はさらに長く、勤務先によっては16時間に及ぶケースもあります。無理のない勤務時間かどうかは、職場を選ぶうえで重要なチェックポイントです。

何人の看護師でシフトを回しているか

看護師不足が続く中、勤務先によっては少人数でシフトを回しているケースも見られます。人手が足りない職場では、一人あたりの負担が大きくなり、長時間勤務を求められたり、休みが取りづらくなったりすることもあります。

就職前に病院説明会などで、何名の看護師でシフトを組んでいるのかを確認しておくことで、働き方のイメージがしやすく、採用のミスマッチも防げるでしょう。

シフトの自由度はあるか

シフトの自由度は、働きやすさを左右する重要なポイントです。人手不足が深刻な職場では、希望通りのシフトが通りにくく、人手が足りない日にシフトを入れられてしまうこともあります。

プライベートの予定が立てにくくなり、ライフワークバランスを崩す原因になることもあるため、事前に希望休やシフト調整の柔軟さを確認しておくと安心です。

勤務時間に見合った手当が支給されているか

看護師の仕事は、長時間の立ち仕事や患者の身体介助など体力を要する場面が多いだけでなく、限られた時間内に多くの業務をこなす必要があるため、身体的・精神的な負担が大きいと言われています。

そのため、職場を選ぶ際には勤務時間に見合った手当が支給されているかを確認することが重要です。給与だけでなく手当の内容も確認し、納得できる環境を選びましょう。

木下 知理

木下 知理

職場をシフトで選ぶときは、生活リズムや希望に合った働き方を意識することが大切です。
夜勤手当を重視して収入を増やしたいのか、ライフワークバランスを大切にしたいのか、まず自分の優先順位を考えましょう。
固定休か変則休かも確認し、休暇希望がどの程度通るかを事前にチェックしておくと安心です。

6. まとめ

看護師のシフトパターンは、日勤・夜勤・交代制などさまざまな勤務形態があります。給与もシフトの組み方次第で大きく変わるため、シフトの自由度が高く、勤務時間に見合った手当がある職場を選ぶと安心です。

これから社会人になる新卒の皆さんにとって、数ある求人の中から自分に合う職場を見つけるのは簡単ではありません。就職前の見極めには、合同説明会や就職セミナーで情報を集めることが有効です。

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