助産師としての働き方
働き方を考える
助産師って
どんな仕事?
助産師ってどんな仕事?
妊娠から出産、育児に至るまで、母子の健康を支える助産師。出産をサポートして赤ちゃんを取り上げるだけでなく、妊娠期や出産後の健康指導、乳房ケア、新生児のケアなども担います。正常分娩であれば医師の指示を受けることなく、自身の判断による助産介助を許された専門職です。
現在、助産師の約7割が病院で働いています。産科への配属が基本ですが、混合病棟では他の診療科の仕事を兼務するケースもあり、必ずしも助産師としての役割だけに集中できるとは限りません。
近年では、産科医不足の影響もあり、「助産外来」や「院内助産」というかたちで病院助産師が活躍することも増えています。助産外来は、妊産婦・褥婦の健康診断や保健指導などを病院助産師が行う専門外来です。院内助産は、比較的リスクの低いお産について、院内での出産介助やケアを助産師が中心となって行うことです。「病院の中に開設された助産院」と考えればわかりやすいでしょう。
看護師資格にも保健師資格にもない助産師資格の大きな特徴は、助産院の開業権が認められていることです。そのため、病院などに勤めながら、将来的に助産院の開業をめざす人も少なくありません。助産院には医師が常駐せず、助産師が全面的に出産をサポートすることになります。ただし、妊娠中の経過やお産の状態によっては、連携している病院や診療所の医師の支援を受けることもあります(異常分娩の対応は医師にしか許されていません)。助産院では落ち着いた家庭的な雰囲気での出産となることが多く、そうしたお産を希望するお母さん方のなかでは、助産院での出産が一つのトレンドとなっています。
実際に働いている助産師の声
私が勤務する病院は、周産期センターを備えるほか、院内助産も可能。助産師として主体的に出産へ関わりながら、慎重な医療対応を要する難しい症例についても経験を積むことができています。
(29歳、大学病院勤務)
新たな命の誕生を直接的にサポートできるのは、助産師ならではのこと。生まれた赤ちゃんが元気な声で泣いてくれた瞬間は、何度体験してもグッとくるものがあります。
(32歳、市中病院勤務)
自身が助産院での出産を経験したことがきっかけで、地元の助産院へ転職。家庭的な環境でのお産には、病院とは一味違った魅力があると日々実感しています。
(35歳、助産院勤務)
幸せなお産ばかりではない、というのが現実です。どれだけ手を尽くしても死産という結果が避けられないこともあり、それでも気持ちを切り替えて次のお産に当たらなければなりません。
(40歳、市中病院勤務)
オンコール体制の職場ということもあり、連日のように夜間の呼び出しがあると、やっぱり大変です。夜間のお産は、なぜか続くときは続くものですから。
(32歳、クリニック勤務)
助産師に向いている人
- ベストな方法で母子の健康を守るため、知識や技術をアップデートし続けられる人
- 不安定になりがちな妊娠・出産期の女性の心に、思いやりを持って寄り添える人
- 夜間のお産や長引くお産にも対応できる体力・精神力がある人