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専門看護師と認定看護師の違いとは?分野、仕事内容、適性について解説
専門看護師と認定看護師には、専門分野や役割、仕事内容、資格の得られ方など、さまざまな違いがあります。看護師としての進路選択の際には、自分の強みや興味・関心を把握し、どの資格を目指すか考えることが大切です。
本記事では、専門看護師と認定看護師の6つの違いや、取得する資格の選び方、さらに看護学生が進路選択に役立てられるポイントを解説します。
監修者
木下 知理

日鋼記念看護学校看護学科を卒業後、呼吸器内科・透析科・健診センターでの勤務を経て、現在は札幌市内のデイサービスに勤務。現役看護師として働く中で得た経験をもとに、看護記事の監修を担当。読者にわかりやすい内容になるよう現場の視点を大切にしている。
1.専門看護師と認定看護師の違いとは?
専門看護師と認定看護師は、どちらも特定の分野において高い専門知識を持つ看護師を指します。この2つは日本看護協会が認定する看護資格であり、それぞれ役割や仕事内容などは異なります。
ここではまず、専門看護師と認定看護師がそれぞれどういった職種なのかについて解説します。
専門看護師とは
専門看護師とは、患者や家族が抱える問題について、特定分野の知識や技術を発揮して水準の高い看護を行う看護師のことです。1994年に認定資格が制度化され、がん看護や家族支援、在宅看護など14の専門分野が定められています。
専門看護師は、高度・複雑化する医療現場に対応するため、患者や家族だけでなく、地域全体における看護の質を高めることが期待される職業です。
認定看護師とは
認定看護師とは、特定の看護分野において、熟練した技術と知識を生かし、水準の高い看護を実践できる看護師のことです。1995年に認定資格が制度化され、クリティカルケアや緩和ケア、認知症看護など19の専門分野が定められています。
このように、認定看護師はさまざまな看護を必要とする人に対して、状況に応じた的確な看護を提供する職業です。
2.専門看護師と認定看護師の6つの違い
専門看護師と認定看護師は、いずれも特定の分野で高い専門性を持つ看護師ですが、担当する専門分野や役割、仕事内容などには違いがあります。ここでは、日本看護協会の資料を基に、両者の違いを6つに分けて比較しました。
専門分野の違い
専門看護師と認定看護師が扱う専門分野については、それぞれ以下のように定められています。
| 専門看護師 | 認定看護師 |
|---|---|
| がん看護 | クリティカルケア |
| 精神看護 | 緩和ケア |
| 地域看護 | がん薬物療法看護 |
| 老人看護 | 在宅ケア |
| 小児看護 | 生殖看護 |
| 母性看護 | 腎不全看護 |
| 慢性疾患看護 | 摂食嚥下障害看護 |
| 急性・重症患者看護 | 小児 プライマリケア |
| 感染症看護 | 脳卒中看護 |
| 家族支援 | 呼吸器疾患看護 |
| 在宅看護 | 心不全看護 |
| 遺伝看護 | 皮膚・排泄ケア |
| 災害看護 | 感染管理 |
| 放射線看護 | 糖尿病看護 |
| 新生児集中ケア | |
| 手術看護 | |
| 乳がん看護 | |
| 認知症看護 | |
| がん放射線 治療看護 |
求められる役割の違い
専門看護師と認定看護師に求められる役割については、それぞれ以下のように定められています。
| 専門看護師 | |
|---|---|
| 実践 | 個人、家族および集団に対して卓越した看護を実践する |
| 相談 | 看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う |
| 調整 | 必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う |
| 倫理調整 | 個人、家族および集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る |
| 教育 | 看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす |
| 研究 | 専門知識および技術の向上並びに開発を図るために実践の場における研究活動を行う |
| 認定看護師 | |
|---|---|
| 実践 | 個人、家族および集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術および知識を用いて水準の高い看護を実践する |
| 指導 | 看護実践を通して看護職に対し指導を行う |
| 相談 | 看護職等に対しコンサルテーションを行う |
仕事内容の違い
専門看護師は、患者やその家族、地域が抱える課題に対応し、幅広い視点で看護を行います。具体的には、高度な臨床看護の実践、ケア提供者へのコンサルテーション、保健医療福祉関係者の調整、看護に関わる倫理的課題の解決などです。
一方、認定看護師は、患者個人の状況やニーズに応じたケアを中心に実践するため、一般の看護師の模範となるような臨床業務の実践や、技術指導やコンサルテーションへの対応などを担当します。
資格の違い
専門看護師と認定看護師はそれぞれ取得する認定資格の要件が異なりますが、どちらも看護師として5年以上の実践経験と、定められた教育課程を修了したうえで認定審査への合格が必要です。
以下では、専門看護師と認定看護師それぞれの認定資格の要件を表にまとめました。
| 専門看護師 | 認定看護師 | |
|---|---|---|
| 実務経験 | 通算5年以上(うち3年間以上は専門看護分野の実務研修) | |
| 教育課程 | 看護系の大学院で修士課程の修了・38単位の取得 | 1年間で800時間程度の教育カリキュラムを受講・修了 |
| 認定時期 | 年に1回 | |
| 審査方法 |
|
筆記試験(マークシート方式・四肢択一)100分 |
| 費用 | 約200万円~350万円 | 約100万円 |
| 資格の有効期限 | 5年ごとに更新 | |
※2025年11月時点
登録人数の違い
資格の登録人数については、2025年11月時点で、専門看護師が3,445人、認定看護師が24,626人(A課程:19,123人、B課程:5,503人)です。
専門看護師が認定看護師よりも少ないのは、受験において大学院修了が必要であることや書類審査の存在、習得にかかる費用の差などが影響していると考えられます。
【出典】日本看護協会「分野別都道府県別登録者検索(認定看護師・専門看護師)」
給料・年収の違い
令和4年度の日本看護協会「専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」を基に、専門看護師と認定看護師の給料や年収を以下の表にまとめました。
| 専門看護師 | 認定看護師 | |
|---|---|---|
| 基本給月額 | 331,456円 | 319,013円 |
| 給与総月額 | 435,291円 | 429,170円 |
| 年間給与額 | 5,223,492円 | 5,150,040円 |
どちらも給与総月額には資格手当や残業手当などが含まれており、基本給月額より10万円ほど高くなっています。年収額は給与総月額の12か月分として算出され、あくまで平均的な目安ですが、それぞれ約500万円以上を目指せるでしょう。
【出典】日本看護協会「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査(4.賃金)」

木下 知理
資格取得までの難易度や必要な時間、役割などに違いがありますが、いずれも一定期間、臨床現場を離れて学習に専念する必要がある点は共通しています。
また、特定分野の専門性を深めることでキャリアの軸が明確になる一方、分野によっては転職先が限られる場合もあります。
長期的な働き方やライフプランも視野に入れながら検討することが大切です。
3.専門看護師と認定看護師どちらを選べば良い?
ここまで専門看護師と認定看護師の違いをさまざまな視点から比較してきましたが、どちらを目指すべきか迷うこともあるでしょう。ここでは、自分に合った進路を選ぶためのポイントを解説します。
どんな看護師になりたいかで選ぶ
専門看護師と認定看護師、どちらを選ぶべきか迷った際は、まずは「どんな看護師になりたいか」を基準に考えてみるのがおすすめです。以下では、それぞれに向いている人の特徴を紹介します。
【専門看護師】
- チームや他職種と協力し、医療の質向上に関わりたい
- 研究や教育を通じて看護の発展に貢献したい
- 患者や家族をはじめ、複雑なニーズにも応えたい
- 臨床実践に加え、倫理的課題の解決にも取り組みたい
【認定看護師】
- 特定分野の専門家として技術を磨きたい
- 患者への直接的なケアを行いたい
- 現場の最前線で即座に判断・対応できる力を身につけたい
- 現場での実践を中心に看護の質向上に貢献したい
これらの特徴はあくまで参考程度にとどめ、自分の理想とする看護師像に照らして進路を検討しましょう。
資格取得の難易度も考慮する
専門看護師と認定看護師では、資格取得までの道のりや難易度が異なります。認定看護師は1年間の教育課程で取得できますが、専門看護師は大学院修了が必要で最短でも2年かかります。時間的・経済的な負担も考慮し、自分に合った選択をしましょう。
また、2026年度以降、専門看護師や認定看護師の認定更新審査における要件が以下のとおり変更されます。
| 認定審査 | |
|---|---|
| 廃止内容 | 論述試験の廃止 |
| 変更内容 |
|
| 認定更新審査・再認定審査 | |
|---|---|
| 廃止内容 |
|
| 変更内容 | 公に向けて学術集会等での発表または論文掲載を2回以上行う |
【出典】日本看護協会「専門看護師・認定看護師・認定看護管理者の個人審査を変更します」

木下 知理
専門看護師と認定看護師は、目指す役割や学びの過程が異なりますが、どちらも看護の可能性を広げてくれる魅力あるキャリアです。将来「組織全体に働きかける立場で活躍したい」のか、「臨床の最前線で専門性を高めたい」のかを具体的にイメージしながら考えてみるとよいでしょう。
また、いずれも一般の看護師免許とは異なり、5年ごとの更新審査があることも理解しておきましょう。
4.看護学生の進路選択に役立つポイント
ここでは、これから専門看護師や認定看護師を目指す学生の方に向けて、進路選択に役立つポイントを3つ紹介します。
興味・関心のある分野について調べる
まずは、自分が興味・関心を持つ看護分野について調べてみましょう。専門看護師と認定看護師がそれぞれどの分野でどのような役割を担うのか、具体的な業務内容を理解するところから始めます。
また、実際に活躍している人たちがどういった働き方をしているのかを調べるのもおすすめです。現場の経験談を知ることで、自分の将来像をより具体的にイメージできるでしょう。
自分の強みや理想の働き方を把握する
進路選択においては、自分の強みや理想の働き方を把握することも大切です。例えば、コミュニケーション力を患者や家族との関わりで発揮したいのか、多職種との連携・調整で発揮したいのかによって、目指す進路が変わります。
また、病院・訪問看護ステーション・クリニック・教育機関など、どのような環境で働きたいかも考えてみましょう。自分の強みと希望する働き方を照らし合わせることで、進路の方向性が見えてきます。
病院見学や説明会に参加する
さまざまな視点から自分に合う勤務先を絞ることはできますが、条件面だけでは測れない要素があります。そこで、病院見学会や説明会に参加することで現場の雰囲気を実際に確認でき、不明点を質問して解決できるため、働くイメージを具体的に持ちやすくなるでしょう。
また、病院によっては資格取得支援制度が設けられている場合もあるため、将来キャリアアップを目指す方は、こうした制度の有無や内容の確認も大切です。

木下 知理
専門看護師・認定看護師いずれも、資格取得には5年以上の臨床経験が必要です。
多くの患者さんと関わる中で、自分が理想とする看護師像や強み、深めたい分野が少しずつ見えてくるでしょう。目の前の臨床経験を大切にしながら、長期的なキャリアプランを考えることが重要です。
また、資格取得にあたっては、勤務先の病院が研修費用や進学費用を補助してくれる場合もあります。病院見学や説明会では、教育体制や支援制度について質問しておくことも大切なポイントです。
5.まとめ
専門看護師と認定看護師は、どちらも特定分野において高い専門知識を持つ看護師です。それぞれ専門分野や役割、仕事内容、資格の取得方法などに違いがあります。
こういった看護師を目指すには、一定の実務経験に加え、専門的な教育カリキュラムを経て審査や試験に合格することが必要です。どちらを目指すべきか迷う場合は、興味のある分野や目指したい看護師像、資格取得の難易度などを踏まえて検討しましょう。
自分に合う勤務先選びには、看護学生向けの合同説明会や就職セミナーで情報収集が可能なマイナビ看護学生への登録がおすすめです。病院情報や説明会日程を簡単にチェックできるので、効率よく自分に合った勤務先を探せるでしょう。














木下 知理
専門看護師と認定看護師は、どちらも特定分野のスペシャリストという共通点がありますが、取得方法と役割が異なります。
専門看護師は大学院で教育を受け、実践に加えて教育・相談・調整・研究など、病棟や職種の枠を越え、チーム全体を支える立場で活動します。
一方で、認定看護師はより臨床現場に近い立場で、熟練した看護実践を通してケアの質向上を担います。