看護師国家試験攻略法

第111回
看護師国家試験に向けて

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第110回看護師国家試験の出題傾向は、次回にも引き継がれると考えられます。
それを踏まえて、第111回試験に立ち向かうためにはどのような対策が必要になるのでしょうか。
効果的な勉強方法をはじめ、押さえておくべきポイントをお伝えします。
(監修:ナース・ライセンススクールWAGON 講師代表・髙栁真里子)

現行の出題基準による試験は次回まで?

第110回試験は「保健師助産師看護師国家試験出題基準」(平成30年度版)に基づいた出題がなされましたが、この出題基準は令和3年度(2021年度)中に改訂が予定されています。そして、改訂された出題基準がいつの試験から適用されるかについては、次のように言及されています。

改定された出題基準の適用時期については、出題基準の改定に関する今後の検討及び周知期間を勘案し、令和5年実施の第109回保健師国家試験、第106回助産師国家試験、第112回看護師国家試験から適用することが望ましい。
その際、令和5年実施の保健師助産師看護師国家試験から数年間は改正前のカリキュラムで学んだ受験者と改正後のカリキュラムで学んだ受験者が混在することから、当該国家試験の受験に際して、両者ともに不利益を被ることがないよう、特段の配慮が必要である。

※厚生労働省「医道審議会保健師助産師看護師分科会 保健師助産師看護師国家試験制度改善検討部会 報告書」(令和3年3月31日)より引用

つまり、現行の出題基準に基づいた試験は、次回の第111回が最後になる可能性が高いのです。第111回試験で出題傾向が一変することはありませんが、仮にここで合格できずに第112回試験を受けるとすると、改定後の出題基準を踏まえた国試対策が必要になってくると考えられます。それを避ける意味でも、必ず合格をつかみ取りたいところです。

看護師国家試験合格への道

実習での学びは国試対策に直結する

「実習が終わらなければ試験勉強はできない」と考えているとしたら、それは大きな誤解です。むしろ、実習と国試対策は「車の両輪」といえるほど密接に関係しています。実習中にしっかりとアセスメントができた学生さんは、とりわけ全体関連図が適切に書けるようになっている学生さんは、合格に大きく近付いていること間違いなし! 近年の試験ではMRIやCTなどの画像付き問題も出題されるため、現場でリアルな検査データをみられるという意味でも大きなチャンスだといえます。

もちろん、実習での学びを効果的なものにするためには、基礎的な知識が欠かせません。具体的には、人体における「正常」を理解することがすべてのスタートになります。とはいえ、実習中にすべてを網羅的に学ぶことはできないでしょう。まずは自分が関わっている患者さんの病態について、正常と異常を整理してみてはどうでしょうか。「この状態は正常、それとも異常?」「異常だとしたら、このままだとどうなる?」「そうならないために、どんな看護が必要?」と考えを巡らせていくことで、アセスメント能力を問われるような問題にも対処できるようになっていきます。

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正答率が高い問題を確実に拾うべし

看護師国試では過去問の類似問題が出題されるケースが少なくありません。つまり、しっかりと過去問対策に取り組んでおけば、ほぼ確実に拾える得点があるということ。逆に、こうした問題を取りこぼしてしまうと、合格への道は遠のいてしまいます。

ここで大切なのは、「過去問を学ぶ」というよりも、「過去問で学ぶ」という意識を持つこと。過去問を解いた後、単純に正誤だけをチェックして満足するのはNGです。出題形式や内容がアレンジされることを見越して、自身の解答の正誤にかかわらず、すべての選択肢について理解を深めてください。

そのためには、解説が丁寧で分かりやすい過去問題集を選ぶことも大切です。複数の過去問題集を前にして選択に迷ったときは、同じ問題の解説を見比べるなどして、より分かりやすいと感じたほうを選びましょう。なお、古すぎる過去問は、内容が最新の医療状況からかけ離れている可能性があります。直近5年分の過去問を中心に取り組み、特に「全国の正答率が70%以上」の問題に力を入れるとよいでしょう。

必修問題の正答率80%を早期にクリアすべし

2月中旬に試験があることを考えると、1月末の時点で「必修問題80%」「一般問題・状況設定問題70%」という合格ラインに達している必要があります。逆算すると、最終学年の8月末までには「必修問題80%」をクリアしてしまい、その後の秋~冬の期間は一般問題・状況設定問題にも対応できるように学びを深めていくことが理想的。特に「人体の構造と機能」と「疾病の成り立ちと回復の促進」は最優先で取り組んでください。

「アセスメント能力などが問われる応用問題に早く取り組まなければ」と焦るかもしれませんが、国試対策は「家づくり」のようなもの。あわてて大きな家を建てようとしても、基礎がしっかりとしていない土地では、いずれ崩れ落ちてしまうことが目に見えています。まずは「人体の構造と機能」や「疾病の成り立ちと回復の促進」という基礎を確実に固めてから、「成人看護学」「老年看護学」といった柱を立てるという順番が大切です。最後に「看護の統合と実践」という屋根をかけることで、合格の高みに手が届くイメージです。

看護師国試のために学んだことは、臨床で必要とされる知識にほかなりません。あこがれの現場で自身が活躍している姿を想像し、そこへ一歩ずつ近付いていくような気持ちで学習を積み重ね、第111回試験に挑んでいきましょう!

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