看護師国家試験攻略法

第110回
看護師国家試験に向けて

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2022年度から看護基礎教育が見直されることを踏まえて、第109回看護師国家試験では、
「人体の構造と機能」や「疾病の成り立ちと回復の促進」からの出題が増えました。
この傾向を引き継ぐと思われる第110回試験に立ち向かうためには、
どのような対策が必要になるのでしょうか。
効果的な勉強法をお伝えします。
(監修:ナース・ライセンススクールWAGON 講師代表・髙栁真理子)

「過去問を学ぶ」よりも「過去問で学ぶ」

「第109回看護師国家試験の振り返り」でもお伝えした通り、看護師国試では過去問の類似問題が出題されるケースが少なくありません。つまり、しっかりと過去問対策に取り組んでおけば、ほぼ確実に拾える得点があるということ。逆に、こうした問題を取りこぼしてしまうと、合格への道は遠のいてしまいます。

ここで大切なのは、「過去問を学ぶ」というよりも、「過去問で学ぶ」という意識を持つこと。過去問を解いた後、単純に正誤だけをチェックして満足するのはNGです。出題形式や内容がアレンジされることを見越して、自身の解答の正誤にかかわらず、すべての選択肢について理解を深めてください。

そのためには、解説が丁寧で分かりやすい過去問題集を選ぶことも大切です。複数の過去問題集を前にして選択に迷ったときは、同じ問題の解説を見比べるなどして、より分かりやすいと感じたほうを選びましょう。なお、古すぎる過去問は、内容が最新の医療状況からかけ離れている可能性があります。直近5年分の過去問を中心に取り組み、特に「全国の正答率が70%以上」の問題に力を入れるとよいでしょう。

看護師国家試験合格への道

「用語の定義」や「基準値」を頭にたたき込もう

「人体の構造と機能」や「疾病の成り立ちと回復の促進」といった専門基礎分野からの出題が増えていくことを考えても、あわてて応用的な問題に取り組むよりも、じっくりと基礎力をアップさせていくことが重要です。そのために意識したいのが、あやふやになっている用語の定義を確実に押さえることです。

例えば、第109回試験の問題89(午前)では、「終末期がん患者にみられる悪液質の兆候はどれか」と問われました。悪液質の意味(低栄養や体重減少、筋力低下などが進行していく状態のこと)を知っていれば、簡単に正答を導ける問題です。ところが、「液」という漢字が含まれているためか、体液に関連する用語だと誤解してしまう受験生が少なからず見受けられました。こうした、直感とは異なる意味を持つ用語については、特に注意して理解・暗記しておく必要があります。

同じく、基準値についても確実に覚えておきたいものです。検査値に関する問題を解くときは必須の知識ですから、重要な数値は分野ごとに取りこぼしなく押さえておきましょう。ここで大切なのは、検査の意味を考えながら暗記すること。例えば、高血糖・低血糖の見極めが大切な血糖値では、70~110mg/dLという基準値の高いほう・低いほうのどちらも覚える必要があります。一方、カリウムの基準値は3.5~5.0mEq/Lですが、約4.0mEq/Lとして覚えておけば問題に対応できるはずです。

実習に取り組む姿勢が国試合格を左右する

「実習が終わらなければ試験勉強はできない」と考えているとしたら、それは大きな誤解です。むしろ、実習と国家試験対策は「車の両輪」といえるほど密接に関係しています。実習中にしっかりとアセスメントができた学生さんは、合格に大きく近付いていること間違いなし! 近年の看護師国試ではMRIやCTなどの画像付き問題も出題されるため、現場でリアルな検査データをみられるという意味でも大きなチャンスだといえます。

もちろん、実習での学びを効果的なものにするためには、基礎的な知識が欠かせません。具体的には、人体における「正常」を理解することがすべてのスタートになります。とはいえ、実習中にすべてを網羅的に学ぶことはできないでしょう。まずは自分が関わっている患者さんの病態について、正常と異常を整理してみてはどうでしょうか。「この状態は正常、それとも異常?」「異常だとしたら、このままだとどうなる?」「そうならないために、どんな看護が必要?」と考えを巡らせていくことで、アセスメント能力を問われるような問題にも対処できるようになっていきます。

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理想は「1月末」までに合格ラインへ達すること

最後に、これからの学習の進め方をあらためて確認しておきましょう。2月中旬に試験があることを考えると、1月末の時点で「必修問題80%」「一般問題・状況設定問題70%」という合格ラインに達している必要があります。逆算すると、最終学年の8月末までには「必修問題80%」をクリアしてしまい、その後の秋~冬の期間は一般問題・状況設定問題にも対応できるように学びを深めていくことが理想的。だからこそ最優先して取り組むべきは、必修問題の多くの割合を占める「人体の構造と機能」や「疾病の成り立ちと回復の促進」なのです。

「アセスメント能力などが問われる応用問題に早く取り組まなければ」と焦る学生さんもいるでしょう。しかし、国試対策は、いわば「家づくり」のようなもの。あわてて大きな家を建てようとしても、基礎がしっかりしていない土地では、いずれ崩れ落ちてしまうことが目に見えています。まずは「人体の構造と機能」や「疾病の成り立ちと回復の促進」という基礎を確実に固めてから、「成人看護学」「老年看護学」といった柱を立てるという順番が大切です。最後に「看護の統合と実践」という屋根をかけることで、合格の高みに手が届くイメージです。

看護師国試のために学んだことは、臨床で必要とされる知識にほかなりません。あこがれの現場で自身が活躍している姿を想像し、そこへ一歩ずつ近付いていくような気持ちで学習を積み重ね、第110回試験に挑んでいきましょう!

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