看護師国家試験攻略法

第115回
看護師国家試験に向けて

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第114回看護師国家試験は、「王道」とも言えるような正統派の問題が多く出題された印象でした。合格率90.1%と高水準であり、必修問題の平均点が46.2点と高かったことからも分かるように、計画的に勉強を進め、基本的な医療知識をしっかりと身に付けていけば、確実に得点できる内容だったと言えます。
これらを踏まえて、第115回試験に向けてはどんな対策を取るべきでしょうか。押さえておきたいポイントや効果的な勉強方法に加え、無料で受講できる国試対策講座についてもご紹介します。
(監修:ナース・ライセンススクールWAGON 講師・小坂宣靖)

過去問を「解くだけ」で満足しない!

過去問を用いた勉強は、看護師国家試験の対策として非常に効果的な方法です。とはいえ、過去問を解いただけで満足してしまうと、類似する問題には対応できても、少し視点を変えた出題には対応しきれないことがあります。

例えば、第114回試験の午後問題12を振り返ってみましょう。「胆汁は脂質を乳化する」という知識だけをなんとなく覚えてさえいれば解答できたでしょう。しかし、違う角度から「胆嚢を摘出した患者さんによく見られる症状は?」と問われたら、解答に迷ってしまう受験生は少なくありません。単発の知識を暗記するだけでは、ちょっと角度を変えられただけで対応できないリスクがあるわけです。

午後問題12:胆汁の作用はどれか。

1.脂肪の乳化
2.蛋白質の分解
3.胃酸分泌の促進
4.炭水化物の分解

正解:「1」

そのため、過去問を活用して基本的な知識をしっかりと身に付けるだけでなく、関連する周辺知識を整理し、理解を深めていくことがより効果的な学習方法になります。単に過去問を繰り返して慣れるだけでなく、どんな角度から出題されても対応できる応用力を身に付けることが合否のカギを握るでしょう。

しかし、そうした勉強を独りで進めるのは決して簡単ではありません。実際、高得点を取った学生の多くは、日頃から計画的に勉強を進めるだけでなく、講習会などにも積極的に参加していました。試験対策のプロの力を借りて学習を進めるのは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、そうしたサポートをうまく活用して確かな知識を身に付けておくことは、国家試験の合格にとどまらず、臨床に出て実際に看護を提供する際にも大いに役立ちます。

国試対策のプロが教える効果的な勉強法

1.「調べるクセ」を付けて知識を定着させる

疑問が浮かんだ時は、すぐに調べるよう習慣付けましょう。「時間がある時に……」と後回しにすると、そのまま忘れてしまうかもしれません。分からないことを即座に、能動的に調べることで、知識として定着しやすくなります。

調べる際は、インターネットだけに頼らず、できるだけテキストや参考書に当たってください。インターネットは便利ですが、情報の信頼性にばらつきがあります。もし、間違った知識を定着させてしまうと、それを修正するまでに大きな労力が必要になってしまいます。

2.仲間と一緒に勉強する

人間ですから、独りで勉強を続けるのは気が乗らないこともあるでしょう。そんな時は、誰かと約束をして「勉強する時間」を強制的に設けてください。例えば、実習中の隙間時間を活用して、同じグループの仲間と一緒に勉強してみましょう。同じ病棟で過ごし、共通の患者さんの事例を共有している仲間であれば、その事例をもとに学びを深めることができます。座学だけでなく、実習などを通して具体的な場面を思い浮かべながら学ぶことで、知識はより確実に定着していきます。

また、本番直前の1~2か月前からは、互いに問題を出し合うスタイルで勉強するのもお勧めです。人に教えられるようになるということは、知識がしっかりと定着している証拠でもあり、自信につながります。過去問を活用し、問題文はそのままに選択肢をアレンジするなど、工夫次第で学びの質をさらに高めることができるでしょう。

看護師国家試験合格への道

3.多様な方法で脳に記憶をたたき込む

例えば、図解やイラストを使った学びは、文章だけで学ぶより記憶に残りやすいと言われています。特に、自分の手で描きながら学ぶと、内容が視覚的に整理され、理解が深まります。この時、少し大げさなくらい大きく描くと、視覚的なインパクトが脳に残りやすくなり、より効果的です。

さらに学習効果を高めるなら、音読を組み合わせるのがお勧め。声に出して読むことで、その言葉が自分の耳に届き、骨を通して頭に響くため、インプットしやすくなります。図解やイラストを描きながら、その内容を声に出して説明すると、視覚と聴覚を同時に使うことができるので、記憶の定着率はさらに高まります。

また、付箋を使った記憶法も効果的です。覚えたいことを付箋に書いた後、ノートや教科書に貼ったままの人が多いでしょうが、ここでひと工夫すると記憶の効率が大きくアップします。お勧めはノートを2冊用意する方法! 1冊目は「覚えられていないノート」、2冊目は「覚えられたノート」として使い分けます。まず、1冊目のノートに覚えたい内容を書いた付箋を貼り、完全に覚えられたと感じたら、その付箋を2冊目のノートへ移します。こうすることで、「何を覚えていて、何を覚えていないのか」が一目瞭然に。その後は、日常生活の中で1冊目のノートを頻繁に見返し、2冊目のノートも定期的に復習します。復習する中で「知識がまだ不安定だな」と感じたら、再びその付箋を1冊目のノートへ戻します。これを繰り返すことで、自然と知識の整理と定着が進んでいくでしょう。

今すぐ!第115回に向けて勉強態勢を整えよう

冬期になってから勉強を始めると、どうしても追い込まれたようになって焦りが生じ、学習効果が低下しがちなので、早いうちから少しずつでも進めていくことが重要です。独りで勉強するのが難しい場合は、まずは学習環境の整備に着手してみましょう。例えば、友人と勉強会を開くことで、モチベーションを保ちながら勉強を進めることができます。

また、マイナビ看護学生がオンラインで無料提供する「看護師国家試験対策講座」も役立ちます。ナース・ライセンススクールWAGONによる講義動画が配信されており、参加者は公式LINEを通して講師に直接質問することも可能(ライブ配信のみ。資料の配布やアーカイブ配信はないので見逃し注意!)。

現時点で予定されている講義の一部は次の通りです。

  • ・精神の実習にも繋がる!統合失調症の理解&治療・薬理
  • ・尿の生成の理解から、利尿薬の種類を理解し実習に繋げる
  • ・状況設定問題・実習に活かす、ムーアの分類の理解

※夏期講習や冬期講習では、必修科目対策や国試直前対策も実施予定
※2025年5月30日時点のスクール情報です。

臨床経験に加え、看護師国家試験に精通したプロの講義に無料で参加できる貴重なチャンスです。最近の看護師国家試験では、看護師としてのアセスメント力を問う設問が増えており、その難易度は年々高くなっています。この講義を受けることで、検査値や画像の見方といった基礎知識だけでなく、看護過程の考え方など実習や臨床に役立つ応用力を養い、看護の本質を深く理解することができます。ぜひ、これらの講座を上手に活用し、国家試験対策につなげていきましょう!

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