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看護実習の目標はどのように立てる?実現するためのコツも解説
看護実習では、「目標を立てること」が学びを深めるうえで大切な第一歩になります。ただ実習をこなすだけでなく、自分なりの目標を持つことで、患者さんとの関わり方や看護技術の習得、チームでの動き方がより明確になります。
本記事では、看護学生が実習で生かせる目標設定の基本的な考え方、シーン別の具体例、目標を実現するための工夫と振り返りのポイントをまとめて解説します。
監修者
木下 知理
日鋼記念看護学校看護学科を卒業後、呼吸器内科・透析科・健診センターでの勤務を経て、現在は札幌市内のデイサービスに勤務。現役看護師として働く中で得た経験をもとに、看護記事の監修を担当。読者にわかりやすい内容になるよう現場の視点を大切にしている。
1.看護実習の目標設定が重要なのはなぜ?
看護実習では、目標を持つことで日々の学びに意図が生まれ、主体的に行動できるようになります。具体的な目標を意識すると、患者さんとの関わり方や手技、観察・判断など、さまざまな行動の質も高められます。
そして、目標を達成した経験は自信となり、次の課題への挑戦意欲も向上するでしょう。小さな目標を積み重ねることで、実習全体の学びがより充実し、自分の成長として実感しやすくなるため、明確な目標設定が重要です。
実習で目標を持つことで学びが深まる
看護実習の際、ただ指示通りに行動するだけでは学びが浅くなりやすいです。目標を持つことで「今日は何を学ぶのか」「どのようなスキルを伸ばしたいのか」が明確になり、日々の実習に意図が生まれます。
例えば、患者さんとのコミュニケーションを目標に設定すれば、挨拶・声かけ・表情の観察など、具体的な行動に意識が向きます。また、目標に向かって行動する過程で、観察力や判断力、手順の正確さなども自然に身に付いていくでしょう。
そして、目標を達成した経験は自信につながり、次の課題への挑戦意欲も高めることができます。
振り返りや改善をしながら成長できる
目標を達成した後は、振り返りの習慣を取り入れることが成長を加速させます。実習の終わりに「今日できたこと」「上手くいかなかったこと」「次回に向けて改善すること」をノートに書き出せば、自分の成長過程を客観的に把握できます。
具体的には、患者さんのバイタルサイン測定が上手くいかなかった場合、どの手順でつまずいたかを分析し、次回の練習に生かせます。振り返りと改善の繰り返しで少しずつ自分の課題を克服でき、実習全体の学びを深めながら成長のヒントを見つけられるでしょう。
2.看護実習での基本的な目標設定の考え方
看護実習では、目標を立てることで学びの方向性を明確にでき、日々の実習がより意義のあるものになります。ただ「頑張る」と漠然と思うのではなく、具体的で達成可能な目標を持つことが大事です。
学生でも使えるSMART目標を活用する
SMART目標とは、具体的(Specific)・測定可能(Measurable)・達成可能(Achievable)・関連性(Relevant)・期限(Time-bound)の5つの要素を持つ目標設定の指標です。
SMART目標は学生でも取り入れられ、患者さんに声をかける回数、バイタルサイン測定の手順を意識して行動するような目標を行動に落とし込むことができ、達成度も確認しやすくなります。
SMARTの考え方を使えば、自分がどこまでできているかを客観的に評価しつつ、成長の実感にもつなげられます。目標は具体的で現実的な内容にするのがポイントで、実習の学びと直結しているかどうかも意識すれば、得られる効果を高められるでしょう。
「できるようになりたいこと」から逆算する
目標を立てるときは、まず「できるようになりたいこと」を明確にするのが大切です。例えば、採血ができるようになりたい場合、すぐ実践に入るのではなく、器具の準備や手順の確認、モデルでの練習を経て、最後に患者さんで実践するといった流れを逆算して考えます。
目標を段階的に分けることで、達成感を得ながら着実にスキルを取得できます。また、逆算した小さな目標を毎日意識すれば、実習全体を効率良く学びに変えられるでしょう。
自分の強み・弱みを踏まえて考える
目標を立てる際には、自分の強み・弱みを把握しておくことが重要です。得意な分野はさらに伸ばすことを意識し、苦手な分野は克服できるような目標を設定すれば、無理なく実習を進めていけます。
例えば、人と話すのが得意なら患者さんとのコミュニケーションを目標に設定し、技術面に不安がある場合は手順や操作の正確さを意識した目標を立てると良いでしょう。
自分に合った目標を立てることで、実習中の達成感を得やすくなり、モチベーションを維持しながら学び続けられます。

木下 知理
医療処置は見学が中心となることが多く、患者さんを受け持つ実習では、受け持ち患者さんとのコミュニケーションを行う場面が多くなると思います。
患者さんとの会話に苦手意識を持つ学生さんも多いかもしれません。だからこそ実習前に具体的な目標を設定しておくことが大切です。
苦手でも大丈夫です。避けずに意識して関わろうとした経験そのものが、確かな学びにつながっていきます。
3.看護実習で使えるシーン別の目標例
看護実習では、日々の業務をただこなすだけでなく、場面ごとに明確な目標を持つことで学びが深まります。ここでは、実際の実習で想定されるシーン別に、どのような目標を立てると良いのか例を挙げて解説します。
患者さんとの接し方に関する目標
患者さんとの接し方における目標は、信頼関係を築き、安心してもらえるコミュニケーションを意識するのが基本です。例えば、「患者さんの不安を汲み取って笑顔で対応する」「傾聴を意識し、患者さんの話を遮らずに最後まで聞く」といった目標が挙げられます。
実習では、患者さん一人ひとりの立場や感情に寄り添う姿勢が評価されやすいため、日々の関わりの中で自分の対応を振り返ることも大切です。さまざまな対話を通じて得た、小さな気付きを次のケアに生かすようにしましょう。
看護技術・医療ケアに関する目標
看護技術の分野では、基礎的な手技を正確に行うことを中心に目標を立てます。「清潔ケアを安全かつ効率的に行う」「バイタルサイン測定時に異常値を正しく判断できるようにする」など、技術面での成長を意識するのがポイントです。
その際、練習を重ねるだけでなく、手技の根拠を理解したうえでの実践が求められます。実習の指導者や先輩看護師に確認しながら改善していき、自信を持ってケアに臨めるようにしましょう。
チームや指導者に関する目標
看護はチーム医療の一部であり、連携・協働の姿勢を学ぶことも重要です。「チームメンバーの動きを観察して円滑な連携を意識する」「指導者の指示を正確に理解し、報告・連絡・相談を適切に行う」といった目標を設定すると良いでしょう。
自分がどのようにチームへ貢献できるかを考えることが、看護師としての視野を広げるきっかけとなります。チーム全体の動きを理解しながら、自分の行動が看護・ケアにどう影響するかを意識して行動につなげるのが大事です。

木下 知理
患者さんは学生の学習のために存在しているわけではなく、治療や療養のために入院されています。
看護実習はこれまで学んできた知識や技術を実践する大切な機会ですが、患者さんや周囲への配慮を忘れず、感謝の気持ちを大切にしましょう。
また、看護師へ報告・連絡・相談を行う際は、緊張する場面も多いと思いますが、要点を整理して伝えることを意識すると、やり取りがスムーズになります。
4.目標を実現するための工夫と振り返り
看護実習で立てた目標は、日々の記録と繰り返しを通して達成へと近付いていきます。実習をこなす中で目標を見失わないようにするには、継続的な意識を保つ工夫が必要です。ここでは、目標を実現するために役立つ振り返りの方法や習慣をつける大切さを解説します。
実習ノート・実習記録を活用する
看護実習でのノートや記録は、ただ提出のために書くものではなく、自分の学びを整理して成長につなげるために活用するのが大事です。記録には「なぜその行動を選んだのか」「患者さんの反応はどうだったか」といった観察や考察も含めると、学びがより深まります。
実習中の経験や気付きを記録に残すことで、自分の強みと課題を客観的に把握できるようになり、過去の記録を振り返れば、自分の成長過程を確認しながら次の実習における目標設定にも役立ちます。
単に書くことではなく、「学びを深めるために活用する」意識を持つのがポイントです。
指導者や先輩に相談して修正する
目標を立てた後も、実習の進み具合に応じて柔軟な見直しが必要です。実際の現場では、思い通りにいかないことや想定外の課題に直面することも少なくありません。
そのようなときは、指導者や先輩看護師に相談し、助言をもらいながら目標の方向性を修正すると良いでしょう。他者の視点を取り入れることによって、自分では気付けなかった改善点や新しい学びを得られます。
1日の終わりに振り返る習慣をつける
忙しい実習の中で、1日の終わりに数分だけでも振り返る時間を設けるのが大事です。その日に行ったケアや関わりを思い返し、「評価された点」「課題と感じたこと」「次回から意識したいポイント」を簡潔にまとめてみましょう。
特に、文字にして整理することで、学びが自分の中に定着しやすくなります。そして、実習のたびに振り返る習慣は実習記録やレポートを書く際にも役立ち、学びの積み重ねを実感しやすいです。
また、上手くいかなかったことも「次にどう改善するか」という視点を持つと、前向きな気持ちで取り組めます。
「できたこと」も必ず書き出しておく
看護実習では、つい反省点ばかりに目が向きがちですが、上手くいったことを意識して書き出すことも重要です。例えば、「昨日よりも自然に声をかけられた」「初めて担当した処置を落ち着いて行えた」など、小さな達成感も書き出していきます。
自分の成長を具体的に言葉で表すことで、モチベーションを保ちやすくなり、実習の終わりや評価の際に自分の変化を振り返る材料としても活用できます。積極的に成功体験を記録し、自己肯定感を高めながら前向きに学び続ける力へと結び付けるのがおすすめです。
反省と同じくらい「できたこと」を見つけて、自分を認める姿勢を大切にしましょう。

木下 知理
実習中に立てた目標は、すべて達成できなくても問題ありません。
うまくいかなかった場面や迷った経験の中にも、多くの学びがあるからです。最初から完璧にこなそうとする必要はありません。
一つひとつの経験を積み重ねながら、他者と比較することなく、自分のペースで成長していきましょう。
5.まとめ
看護実習において、目標を立てて行動することは学びを深め、成長を加速させるための大事な手段です。日々の実習で目標を意識し、シーンごとの具体的な目標を設定すれば、観察力・判断力・技術力を効率的に高められます。
また、実習ノート・実習記録を活用し、振り返りや指導者の助言を取り入れると、学びを定着させやすいだけでなく、自己肯定感を高めて前向きに実習に取り組む力を養えます。小さな成功や気づきを積み重ね、課題を改善しながら学びを継続していきましょう。
看護学生のうちは、目標を意識しながら主体的に行動することが、将来の看護師としての基盤づくりに役立ちます。看護師になる前から目標設定を意識し始めるなら、まずはマイナビ看護学生に登録し、説明会・セミナーへの参加や病院検索を行ってみるのがおすすめです。














木下 知理
事前に目標を決めないまま実習に臨むと、「忙しかった」という印象だけが残り、学びを十分に振り返れないこともあります。
あらかじめ目標を設定しておくことで、実習中に何を意識して行動すればよいかが明確になり、日々の経験を学びとして積み重ねやすくなります。
短い実習期間だからこそ、自分なりの目標を持ち、一つひとつの経験を次の学びにつなげていきましょう。最初から完璧な目標でなくても大丈夫です。