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Topic. 01
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フランスの看護学生のリアルを追うドキュメンタリー映画に注目!
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(詳細は記事の後半で)
作品情報
学校で看護の基礎を学んでも、実習ではうまくいかないことがたくさんあるもの。時に悩み、涙しながらも成長を続ける看護学生がいるのは、日本だけではありません。フランスの看護学生に密着した映画『人生、ただいま修行中』を観れば、自分と同じような思いを抱いている「誰か」を見つけられるかもしれませんよ。
- 『人生、ただいま修行中』
- 11月1日(金)新宿武蔵野館他全国順次公開
- 配給:ロングライド
- 監督・撮影・編集:ニコラ・フィリベール
- 2018年/フランス/フランス語/105分/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー/英題:Each and Every Moment/日本語字幕:丸山垂穂/字幕監修:西川瑞希
- 協力:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
- longride.jp/tadaima/
- © Archipel 35, France 3 Cinéma, Longride -2018
看護師の卵たち40人の150日間にわたる成長
舞台の中心となるのは、フランスのパリ郊外にある看護学校、クロワ・サンシモン校。本作は、この学校で学ぶ看護学生40人に、およそ150日間かけて密着を試みたドキュメンタリー映画です。学生たちは、年齢や性別はもちろん、国籍や宗教もさまざま。多様な背景を抱える40人が、それぞれの思いを胸に、知識ゼロの状態から成長していく姿を丁寧に切り取っています。
監督・撮影・編集の3役をこなしたのは、現代ドキュメンタリー界で名高いニコラ・フィリベール氏です。日本でも大ヒットした『ぼくの好きな先生』などの名作で世界的に有名な映画監督で、人間の成長をテーマにした作品を数多く生み出してきました。2016年に自身が塞栓症で救命救急室に運ばれ、一命をとりとめたことがきっかけとなり、この作品が誕生しました。
作品内には、状況を解説するようなナレーションや注釈は一切入りません。また、エンドクレジットを除けば音楽はなく、BGMすら使用されていないのです。その分、出演者の言葉や現場の音に集中でき、よりリアリティーを感じられる作品に仕上がっています。
看護学校では、座学に加えて、臨床を想定した実技指導も数多く行われる。学んだことを生かすべく実習に挑む看護学生たちだが、思うようにならない現実に直面する。
実習に出てからのリアリティーショックに共感
全部で105分の作品ですが、大きく3つのパートに分かれているのが特徴です。1つめのパートは、学校での授業の場面。手指衛生などの基礎の基礎から学ぶ学生たちは未知の学びに興味津々で、どこか和気あいあいとした雰囲気の中で講義や実技指導が進んでいきます。
ところが、臨床実習を切り取った2つめのパートで、状況は大きく変化します。1年生たちは、一般病棟やホスピス、精神科、小児科などさまざまな実習先で「本物の患者さん」と初めて出会い、少なからずリアリティーショックを経験するからです。そして、3つめのパートでは、実習後に行われた教師との面談に迫ります。現場を知った学生たちがそこで何を語るのかは、ぜひ劇場でご覧ください。
実習先では、学生が患者さんに直接的に医療処置を行う場面も少なくありません。なかなか採血がうまくいかず、近くで見ている先輩に助けを求めるような「あるある」シーンも、包み隠さずに映し出されています。日本の実習との違いを意識しながら観るのもおもしろいですね。
成長するときに誰もが相対しなければならない、自分の弱さ。人間らしい看護学生のありのままの姿は、きっとあなたの心に何かを残してくれるはずです。
教師との面談で、実習中の体験を振り返る看護学生。次に挑戦したいことをいきいきと語る者もいれば、心が折れかけて涙する者もいる。