正看護師と准看護師の違いとは?資格や仕事内容、給料について解説

  • 公開:2025/11/25
  • 更新:2025/11/25
正看護師と准看護師の違いとは?資格や仕事内容、給料について解説

看護師には「正看護師」と「准看護師」の2種類があり、それぞれ資格の取り方や仕事内容、給料に違いがあります。キャリアや収入面を考えるなら正看護師、学費を抑えていち早く経験を積みたいなら准看護師など、自分のキャリアパスに沿って選ぶのがおすすめです。

本記事では、正看護師と准看護師の違いやメリットをわかりやすく解説し、准看護師から正看護師を目指す方法も紹介します。

1.正看護師と准看護師の違い

「正看護師」と「准看護師」では、資格の取り方や業務範囲、働き方に違いがあります。どちらも医療現場を支える大切な存在ですが、キャリアの選び方や将来の働き方を考えるうえでは、違いを理解しておくことが重要です。

ここでは、資格の種類、取得ルート、仕事内容、人数の推移、給与面までそれぞれの特徴を整理しながら解説します。

資格の違い

正看護師と准看護師の大きな違いは「国家資格であるか」です。正看護師は厚生労働省が行う国家試験に合格して免許を取得します。一方、准看護師は都道府県知事が免許を出す仕組みで、国家資格ではありません。

そのため、正看護師のほうが社会的な評価や業務の幅が広いとされています。准看護師は医師や正看護師の指示を受けて働くことが前提になっているため、自分の判断でできる仕事が限られるのが特徴です。

資格取得ルートの違い

正看護師を目指す場合は、看護大学や看護専門学校などに進学し、3〜4年間学んだうえで国家試験に合格する必要があります。大学では学士の学位も取れるため、将来は研究や教育の道に進むことも可能です。

准看護師の場合は、基本的に高校を卒業してから、2年間の准看護師養成所や高校の衛生看護科で学び、試験に合格することで資格が取れます。学ぶ年数や学費が違うため、自分のライフスタイルと経済的な事情に合わせて選ぶのが大切です。

業務権限・仕事内容の違い

正看護師は患者の状態を観察して必要なケアを考え、自分の判断で実施することができます。医師の指示に従うだけでなく、チーム医療の一員として中心的な役割を果たします。

准看護師は医師や正看護師の指示のもとで業務を行うため、診療の補助・生活援助が中心となり、仕事の範囲がやや限られます。その結果、病院によってはできる仕事の幅に差が出てしまうこともあります。

人数の違い

令和6年の厚生労働省「衛生行政報告例」の統計によると、就業している看護師のうち正看護師は約136万人、准看護師は約23万人です。割合にすると、全体の約8割以上を正看護師が占めており、准看護師は少なめといえます。

また、准看護師は40代以上の比率が87.5%と高く、若い世代では正看護師が圧倒的に多い傾向です。これは、正看護師を目指す看護大学や専門学校への進学が一般的になり、准看護師養成課程に進む人が少なくなっていることが背景にあります。

合計
正看護師 118,068人 1,245,074人 1,363,142人
准看護師 17,691人 215,331人 233,022人

給料・年収の違い

e-Statのデータによると、正看護師の平均月収は約33万円、年収は約479万円程度です。准看護師は平均月収が約27万円、年収は約392万円ほどとなっており、年間でおよそ90万円の差があります。

これは、資格の違いによって任される仕事の範囲が変わることが大きな要因とされています。正看護師は病棟・外来・手術室・在宅など、あらゆる分野で中心的な役割を担うため、責任が大きく給与水準にも反映されやすい傾向にあります。

一方、准看護師は「医師または看護師の指示のもとで業務を行う」と定められており、雇用形態や配置される職場も正看護師とは異なる場合が多く、給与にも差が出やすいです。ただし、あくまで統計は平均値であり、勤務先や勤務形態によって実際の収入は変わります。

平均月収 年間賞与その他特別給与額 年収
正看護師 329,600円 835,000円 4,790,200円
准看護師 273,700円 640,100円 3,924,500円

2.正看護師になるメリット

正看護師は、看護の専門職として幅広い業務を任される国家資格を有する方だけが就ける職業です。現場における役割の大きさだけでなく、キャリアの選択や収入の安定性といった点でも強みがあります。

ここでは、正看護師を目指すことで得られるメリットについて解説します。

業務範囲が広く、キャリアの選択肢が増える

正看護師になると、医師の指示を受けてさまざまな医療行為を任されるため、現場での役割は大きく広がります。自分の判断でできることも増えることから、より主体的に患者のケアに関われるのが特徴です。

例えば、一般病棟だけでなく、手術室や集中治療室といった高度医療の現場でも活躍することができます。さらに、正看護師の資格を持っていれば、保健所や助産師、養護教諭といった関連資格へのキャリア選択も可能になります。

将来的なキャリアの幅を広げたい人や、自分の得意分野を見つけて専門性を高めたい人にとって、正看護師を目指すことは大きなメリットになるでしょう。

安定した収入が期待できる

正看護師は准看護師と比べて給与水準が高めに設定されており、夜勤手当や資格手当、役職手当といった加算もつきやすいです。

全国的に正看護師の求人は豊富にあり、病院・クリニック・在宅医療の分野など、活躍の場が広いため、ライフステージに合わせて働き方を変えながら長く安定して働き続けることができます。

また、結婚や出産などで1度現場を離れても、再就職先が見つけやすいのも安心できるポイントといえます。資格そのものが国家資格であるため、将来にわたって安定した収入と雇用の安心感を得られるのは大きな強みといえるでしょう。

3.准看護師になるメリット

准看護師は、正看護師と比べて短期間・低コストで資格を取得できるのが特徴です。早く現場に出て経験を積みたい人、働きながら正看護師を目指したい人にとっても現実的な選択肢になります。

ここでは、准看護師としてキャリアをスタートすることで得られるメリットについて解説します。

短期間かつ安い学費で資格取得を目指せる

准看護師養成課程は2年間で修了できるため、正看護師よりも早く現場に出て働き始めることが可能です。同年代の正看護師志望者よりも先に臨床経験を積み始められ、実務を通して看護の力を育てたい人にとっては大きなメリットになります。

さらに、経済的な面でもメリットが大きく、学費は正看護師養成課程より安いことから、費用を抑えて資格を取得したい人にとって現実的な選択肢です。

早期に就業し、給与を得ながらキャリアを築いていけるため、「少しでも早く自立したい」「働きながら経験を重ねたい」と考える人に向いているといえるでしょう。

働きながら正看護師が目指せる

准看護師資格を取得した後は、病院や介護施設などで実際に働きながら、定時制または通信制の学校に通って正看護師を目指す道もあります。

この方法では、日々の仕事を通じて得た臨床経験を授業内容と結び付けることができるため、知識の習得と実践を同時に進められるのが大きな魅力です。そして、生活費や学費を自分で補いながら正看護師を目指せるのも強みです。

「まずは准看護師として経験を積み、将来的には正看護師としてキャリアの幅を広げたい」と考える人には、選択しやすい方法といえるでしょう。

4.准看護師から正看護師になるには

准看護師として働きながら、「もっと専門的な知識を身に付けたい」「キャリアの幅を広げたい」と考えて正看護師を目指す人は少なくありません。正看護師になるためには、国家試験の受験資格を得る必要があり、いくつかの進学ルートが用意されています。

ここでは、代表的な進学ルートについて解説します。

看護専門学校・看護短期大学の全日制2年課程に通う

学業に専念して正看護師を目指すなら、全日制2年課程が一般的な選択肢です。短期間で効率良く学べるため、集中して勉強したい人や国家試験に向けてしっかり準備を整えたい人に向いています。

実習や講義が充実していることにより、臨床現場で必要なスキルを体系的に習得できるのが魅力です。ただし、学校に通う間は収入を得ることが難しくなるため、生活費や学費をどのように工面するのかを事前に計画しておくのが重要です。

看護専門学校の定時制3年課程に通う

昼間は仕事をしながら、夕方から夜にかけて学校に通うのが定時制課程です。学習期間は3年と少し長めですが、働きながら学校に通えるため、経済的な負担を軽減できるのが大きなメリットです。

また、准看護師として実際の現場で経験したことを授業内容と結び付けて、効率的に知識の定着度を高められます。一方、仕事と学業を両立するには体力的・精神的な負担も大きくなるため、スケジュール管理や自己管理が欠かせません。

看護専門学校・看護短期大学の通信制2年課程に通う

通信制課程は、自宅での学習を基本としつつ、必要に応じてスクーリングや実習に参加する進学ルートです。仕事やプライベートと両立しやすく、遠方に住んでいる人でも進学を検討できます。

ただし、自分のペースで学べる自由度が高い反面、計画的に学習を進める自己管理能力が強く求められます。そして、通信制でも臨地実習は必須となるため、一定期間は仕事を調整する必要がある点も理解しておくと安心です。

5.准看護師は廃止になる?いつから?

准看護師制度については、長年にわたって廃止をめぐる議論が続いています。看護の高度化や医療現場のニーズに対応するため、日本看護協会をはじめとした関係団体は「正看護師に一本化すべき」との立場を示しています。

実際に、法務省や文部科学省に対して養成の停止を求める要望も出されています。しかし、現時点では「いつから廃止されるのか」という具体的な時期は決まっていません。

地域によっては准看護師養成校が未だ存在しており、医療人材を確保する役割も果たしているため、すぐに制度廃止とはいかないのが現状です。今後は、国の方針や地域医療の人材需要を踏まえて、段階的に見直されていくと考えられます。

6.まとめ

正看護師と准看護師には、資格の取得方法や業務範囲、人数の割合などに大きな違いがあります。特に、近年は正看護師が主流となっており、准看護師の数は減少傾向です。

そのため、准看護師制度の今後については「廃止に向けた検討」が進められており、将来的には正看護師への一本化がより明確になると考えられます。一方、現在も准看護師として活躍されている方も多く、経験を積みながら正看護師を目指すルートも複数用意されています。

「正看護師になるか」「准看護師として働き続けるか」は一人ひとりの事情や目的によって異なりますが、准看護師制度と社会の流れを理解したうえで選択するのが大切です。イメージを掴むにはマイナビ看護学生に登録し、説明会・セミナーへの参加や病院検索を行いましょう。