看護師の夜勤とは?勤務形態ごとの時間帯やスケジュール例、手当を紹介

看護師の夜勤とは?勤務形態ごとの時間帯やスケジュール例、手当を紹介

看護師の夜勤は、24時間看護が必要な患者さんを支える大切な業務です。日勤とは異なる役割があり、やりがいがある一方で生活リズムの乱れや体力的な負担を伴うこともあります。

本記事では、看護師の夜勤とはどのような働き方なのかを解説し、2交代制・3交代制の時間帯やスケジュール例を紹介します。さらに、夜勤のメリットとデメリットなども解説しますので、就職先を選ぶ前に夜勤についてしっかり理解しておきましょう。

監修者

荒井 麻弥

荒井 麻弥

昭和大学保健医療学部看護学科卒業。大学病院の集中治療室で急性期看護に従事したのち、産業保健師として労働者の健康管理やメンタルヘルス支援に携わる。離島医療や高齢者施設での勤務を経験し、急性期から慢性期、在宅支援、終末期ケアまで幅広い領域を担当。地域特性に応じた支援や多職種連携を重視し、一人ひとりの生活に合わせたケアを心がける。これまでの幅広い臨床経験をもとに、看護師や保健師を目指す方に役立つ情報を発信中。

1. 看護師の夜勤とは?どんな仕事をする?

看護師の夜勤とは、主に夕方から翌朝までの時間帯に勤務し、患者の状態を観察しながら必要なケアを行う勤務形態です。夜間はスタッフの人数が限られているため、一人ひとりの看護師が多くの患者を受け持ち、臨機応変な判断力や観察力が求められます。

夜勤中の主な業務は、患者のバイタルサイン測定、点滴・投薬管理、排泄介助、急変時の対応、夜間入院への対応などです。特に、深夜帯は患者の容態変化が起きやすい時間帯でもあるため、わずかなサインを見逃さない観察力が重要になります。

一方で、落ち着いた状況であれば業務の流れが比較的シンプルになり、日勤よりも患者さんのケアや状態観察に集中しやすくなる場合もあります。

2. 看護師の夜勤の勤務形態は主に2種類

看護師の夜勤は、病院や施設によって勤務体制が異なりますが、主に2交代制と3交代制の2種類に分けられます。さらに、希望に応じて日勤を行わず夜勤のみを担当する夜勤専従という働き方もあります。

ここでは、それぞれの特徴をわかりやすく整理して解説します。

2交代制

2交代制は、日勤と夜勤の2つの勤務帯に分かれる勤務形態で、夜勤は17時頃から翌朝9時頃までの約16時間勤務が一般的です。夜勤時間が長いため、途中に1〜2時間程度の仮眠が設定されている職場も多く、体力と集中力の維持が大切になります。

1回の勤務時間が長い分、翌日は「夜勤明け休み」、その翌日は「公休」になるケースもあり、連続した休みを確保しやすいのが特徴です。また、患者の状態を一晩通して見守れるため、経過を細かく把握しながら継続的なケアが行いやすいといえます。

勤務形態 勤務時間 労働時間
日勤 8:30~17:30 8時間(休憩1時間)
夜勤 17:00~09:00 16時間(休憩2時間)

3交代制

3交代制は、日勤・準夜勤・深夜勤の3つに分かれており、1回あたりの勤務時間が短いため、2交代制よりも体力的な負担が軽いです。勤務時間は、日勤・準夜勤・深夜勤のいずれも8時間程度です。

特に、大学病院や大規模な急性期病院など、24時間体制で細やかな看護が求められる現場で多く導入されています。準夜勤は夕方から夜にかけての時間帯に患者のケアや入院対応を行い、深夜勤は静かな環境の中で容態の変化を見守る役割を担います。

なお、3交代制は勤務の入れ替わりが多く、生活リズムを整えにくい面もあるため、自分なりに休息の仕方を工夫することが大切です。

勤務形態 勤務時間 労働時間
日勤 8:00~17:00 8時間(休憩1時間)
準夜勤 16:00~01:00 8時間(休憩1時間)
深夜勤 0:00~09:00 8時間(休憩1時間)

夜勤専従という働き方も

夜勤専従とは、日勤を行わずに夜勤のみを担当する働き方です。病院が導入している交代制とは異なり、看護師本人の希望や勤務契約によって選択するケースが多いです。

夜勤回数が固定されるため収入が安定しやすく、夜勤手当も多くなる傾向にあります。しかし、日中の看護業務に携わる機会が少なくなることから、さまざまな経験を重ねながらキャリアの幅を広げたい人には注意が必要です。

荒井 麻弥

荒井 麻弥

看護師の夜勤には、主に二交代制と三交代制があり、それぞれ勤務時間や生活リズムへの影響が異なります。どちらが自分に合うかは、体力面だけでなく、家庭環境や通勤距離、休日の過ごし方によっても変わります。制度そのものの違いだけで判断するのではなく、自分の生活に無理なく組み込めるかという視点で考えることが大切です。

3. 看護師の夜勤の時間帯・スケジュール例

夜勤は日勤とは異なり、夜間の患者観察や急変対応、日中に行えなかったケアを行う大事な時間です。勤務時間が長く、体力的・精神的な負担が大きいため、休憩や仮眠の取り方、時間配分に工夫が必要となります。

ここでは、2交代制・3交代制別に時間帯ごとのスケジュール例を整理し、夜勤中における業務の流れについて表でわかりやすく解説します。

2交代制の場合

2交代制の夜勤は通常17:00~09:00で、長時間勤務となります。夜勤は体力を消耗しやすく、生活リズムの昼夜逆転につながるため、仮眠のタイミング、食事の摂取、業務の効率的な進め方が重要です。

仮眠は病棟の状況によって1〜2時間程度取れる場合があります。短時間でも質の高い仮眠を取ることが、夜勤中の集中力の維持と安全な看護につながります。

時間 業務内容
17:00 出勤、
日勤看護師からの引き継ぎ
17:30 巡回・点滴交換・検温
18:00 夕食の配膳・食事介助・
与薬・口腔ケア
19:00 巡回・点滴交換・
バイタルサイン測定
・排泄介助
20:00 休憩
21:00 就寝準備・消灯
21:30

4:00
巡回・カルテ整理・
排泄介助・体位変換
・ナースコール対応
(交代で休憩)
5:00 点滴・採血準備
6:00 起床・点滴交換・
バイタルサイン測定
・採血・洗面介助
7:00 朝食の配膳・食事介助・
与薬・口腔ケア
8:30 日勤看護師への引き継ぎ
9:00 退勤

3交代制の場合

3交代制では、準夜勤(16:30〜1:00)と深夜勤(0:30〜9:00)に分かれています。準夜勤・深夜勤を連続で担当する場合もありますが、勤務の切り替えが頻繁に発生しやすいため、睡眠・食事・休養の計画が非常に重要です。

準夜勤の場合、20:00頃には短時間でも休憩を取り、仮眠や軽食で体力を回復させます。そして、準夜勤終了時には、深夜勤スタッフへ情報の引き継ぎを正確に行うことが求められます。

深夜勤では、患者の急変が少ない場合もありますが、油断せずに観察を続けることが大切です。休憩や深夜帯に短時間で取り、仮眠を計画的に確保します。朝方は点滴交換・採血・洗面介助などを行い、日勤看護師への引き継ぎ後に勤務終了となります。

準夜勤

時間 業務内容
16:30 出勤、
日勤看護師からの引き継ぎ
17:00 巡回・点滴交換・検温
18:00 夕食の配膳・食事介助・
与薬・口腔ケア
19:00 巡回・点滴交換・
バイタルサイン測定
・排泄介助
20:00 休憩
21:00 就寝準備・消灯
21:30

23:00
巡回・点滴交換・
排泄介助・体位変換
・ナースコール対応
0:30 深夜勤への引き継ぎ
1:00 退勤

深夜勤

時間 業務内容
0:30 出勤、
準夜勤看護師からの引き継ぎ
1:00 巡回・カルテ整理・
排泄介助・体位変換
・ナースコール対応
4:00 休憩
5:00 巡回・カルテ整理・
排泄介助・体位変換
・ナースコール対応
6:00 起床・点滴交換・
バイタルサイン測定
・採血・洗面介助
7:00 朝食の配膳・食事介助
・与薬・口腔ケア
8:30 日勤看護師への引き継ぎ
9:00 退勤
荒井 麻弥

荒井 麻弥

夜勤は勤務時間が長くなりやすく、日中とは異なる集中力や体調管理が求められます。スケジュール例を見ることで、業務の流れを具体的にイメージしやすくなりますが、実際の忙しさや仮眠の取りやすさは職場によって差があります。夜勤前後の休息や生活リズムの整え方も含めて、無理のない働き方を考えることが重要です。

4. 看護師の夜勤手当と回数

日本看護協会の調査によると、病棟で勤務している2交代制の看護師における夜勤手当額の平均は11,368 円、3交代制では準夜勤が4,234 円、深夜勤が5,199 円です。また、1人あたりの月平均夜勤回数は、2交代制で4.9 回、3交代制で7.5 回となっています。

2交代制は1回の勤務時間が長いため手当が高めに設定されていますが、体力的な負担も大きいです。一方、3交代制は1回あたりの勤務時間が短く、準夜勤と深夜勤の2回を合わせることで2交代制と同程度の手当額になることもあります。

夜勤手当は勤務1回ごとに定額で支給されるケースが一般的ですが、病院によって金額や支給方法は異なります。そのため、勤務環境や休憩の取りやすさ、チーム体制なども含めて、自分の体調とライフスタイルに適した勤務先を選ぶことが大切です。

勤務形態 平均の夜勤手当額
2交代制 夜勤 11,368 円
3交代制 準夜勤 4,234 円
3交代制 深夜勤 5,199 円
勤務形態 病院における月平均夜勤回数
2交代制 4.9 回
3交代制 7.5 回

5. 看護師の夜勤のメリット・デメリット

看護師の夜勤は、生活リズムが乱れやすく体力的にも負担が大きい一方で、収入面や専門性の向上など、日勤では得られないメリットも多い働き方です。ここでは、夜勤の良い面と大変なポイントを整理し、看護学生が将来の働き方を考える際のヒントとして解説します。

看護師の夜勤のメリット

夜勤の最大のメリットは、夜勤手当による収入アップです。同じ基本給でも、夜勤の回数が増えるほど手当が加算されるため、月収や年収に大きな差が生まれます。

2交代制で月に約5回程度の夜勤をこなす看護師では、年収が日勤のみよりも数十万円高くなるケースもあります。また、夜勤中は日中よりもスタッフの数が少ないため、自分の判断力・観察力・優先順位を考える力が鍛えられるのも大きなポイントです。

患者の急変対応や緊急処置に立ち会える機会が増えることで、貴重な臨床スキルの実践力を磨く場となるでしょう。さらに、夜勤後は明け休み・平日休みが取りやすいのも魅力です。プライベートの時間を確保しやすいと、生活スタイルの自由度も上げられます。

看護師の夜勤のデメリット

夜勤には、看護師の身体的・精神的な負担が大きいという側面もあります。まず、夜勤勤務では生活リズムが乱れやすく、睡眠不足や慢性的な疲労、集中力の低下などが生じることが想定されます。

特に、2交代制では勤務時間が長いため、集中力の維持と体調管理が課題です。夜勤は家族や友人との生活習慣が合いづらく、社会的な交流が減りやすいのもデメリットとして挙げられます。

その他、勤務時間中は少人数体制で多くの患者を担当することから、緊張感が高く孤独を感じやすいともいえるでしょう。

荒井 麻弥

荒井 麻弥

夜勤には、収入面でのメリットや日中の自由時間を確保しやすい点がある一方、体調管理の難しさや生活リズムの乱れといった課題もあります。どちらか一方だけに注目するのではなく、メリットとデメリットを理解したうえで、自分が許容できる範囲を見極めることが大切です。

6. 夜勤に注目して就職先を選ぶ際のチェックポイント

看護師として働くうえで、夜勤は避けて通れない勤務形態の1つです。そして、同じ夜勤でも、勤務体制やサポート内容は病院によって異なります。ここでは、就職先を選ぶ際に確認しておきたいチェックポイントを解説します。

2交代制と3交代制のどちらを導入しているか

夜勤の勤務形態は「2交代制」と「3交代制」に分かれます。2交代制は1回あたりの勤務時間が長くなりますが、夜勤回数が少ないのが特徴です。一方、3交代制は勤務時間が短い代わりに、夜勤回数が多くなる傾向があります。

どちらが自分に合うのかは、生活習慣や体力面、家庭の事情などによっても異なります。就職活動の際は、募集要項や採用担当者の説明を通じて、勤務体制を必ず確認しておきましょう。

夜勤手当や福利厚生は充実しているか

夜勤手当の金額や支給方法は、病院ごとに差があります。同じ夜勤でも、2交代制か3交代制か、または勤務する病棟の種類によっても変動します。

収入面だけでなく、夜勤明けの休みがしっかりと取れるか、仮眠室・休憩スペースが整っているかといった勤務環境も重要なチェックポイントです。「夜勤がつらい」と感じる要因の多くは、勤務環境や休息・休憩状況によるものともいえます。

給与に関わる夜勤手当に加え、福利厚生も充実しているか、働きやすさも含めて総合的に確認しておきましょう。

夜勤のサポート体制は整っているか

夜勤では少人数で業務をこなすことが多く、急変対応などの場面で不安を感じることもあります。そのため、夜勤時にどのようなサポート体制が整っているかを確認するのが大事です。

病院説明会では「夜勤中のフォロー体制」「新人に夜勤が導入される時期」などを質問してみると良いでしょう。また、見学会に参加すれば、仮眠室や休憩スペースの環境、夜勤明けの雰囲気も実際に確認できます。

安心して夜勤に臨める環境であるかを、先輩の説明や現場の雰囲気からしっかり見極めるのがおすすめです。

荒井 麻弥

荒井 麻弥

夜勤の有無や回数は、職場選びにおいて重要な判断材料の一つです。ただし、回数だけでなく、夜勤体制や休憩・仮眠の取りやすさ、夜勤明けの勤務調整なども確認することも大切です。求人情報だけでは見えにくい部分も多いため、見学や面接の場で具体的に質問し、働くイメージを持つようにしてみてください。

7. まとめ

看護師の夜勤は、患者の安全を守りながらケアを提供するために欠かせない勤務形態であり、日勤では経験できない臨床スキルや判断力を磨けます。夜間はスタッフが少ない中で多くの患者を担当し、観察力や優先順位を付ける能力も求められるでしょう。

主に、勤務形態は2交代制と3交代制に分かれ、体力や生活リズムへの影響、夜勤回数と手当の差異など、それぞれ特徴があります。また、将来的には夜勤専従という選択肢も存在し、自分のライフスタイルやキャリアプランに合わせた働き方の選択が可能です。

就職先を選ぶ際には、夜勤の勤務体制、手当や福利厚生、仮眠・休息の環境、夜勤時のサポート体制などを十分に確認するのが重要です。情報収集のためにも、まずはマイナビ看護学生に登録し、説明会・セミナーへの参加や病院検索を行ってみましょう。