夜勤専従看護師とは?働き方のルールや給料、仕事内容を紹介!

夜勤専従看護師とは?働き方のルールや給料、仕事内容を紹介!

夜勤専従看護師とは、日勤をせず夜勤のみを担当する看護師のことです。夜勤に特化することで、日中に自由な時間を確保できたり、少ない勤務回数で一定の収入を得られたりなどのメリットがあります。

本記事では、夜勤専従看護師の働き方に関するルールや給料の相場、仕事内容をわかりやすく紹介します。また、夜勤専従看護師として働くメリット、新卒から目指す場合の注意点なども解説しますので、働き方選びの参考にしてください。

監修者

荒井 麻弥

荒井 麻弥

昭和大学保健医療学部看護学科卒業。大学病院の集中治療室で急性期看護に従事したのち、産業保健師として労働者の健康管理やメンタルヘルス支援に携わる。離島医療や高齢者施設での勤務を経験し、急性期から慢性期、在宅支援、終末期ケアまで幅広い領域を担当。地域特性に応じた支援や多職種連携を重視し、一人ひとりの生活に合わせたケアを心がける。これまでの幅広い臨床経験をもとに、看護師や保健師を目指す方に役立つ情報を発信中。

1. 夜勤専従看護師とは?

看護師の中には夜勤専従看護師として活躍している方もいますが、一般的な看護師と比べて働き方や勤務時間、給料にはどのような違いがあるのでしょうか。

夜勤専従看護師は夜勤のみを専門に行う看護師のこと

夜勤専従看護師とは、日勤業務を行わず、夜間の勤務だけに特化して働く看護師のことです。病棟や施設において、夜間の患者対応や見守り業務、急変時の処置などを行います。

2025年に行われた日本看護協会の調査によると、「夜勤専従者がいる」と答えた施設は41.7%にのぼり、多くの夜勤専従看護師が活躍していることがわかります。

夜勤は限られた人数で多くの業務をこなさなければならない場面があり、看護師の負担は大きくなりがちです。そうした中、夜勤体制の安定やケアの質を保つうえでも、夜勤専従看護師は非常に心強い存在です。

夜勤専従看護師の勤務回数と勤務時間の上限

夜勤専従看護師の夜勤体制には、一般的な夜勤体制と同様「二交代制」と「三交代制」の2種類があります。

二交代制は、1日の勤務を「日勤」と「夜勤」に分ける方式で、1回の夜勤時間はおよそ13~16時間と長時間になります。これに対し、三交代制は「日勤」「準夜勤」「深夜勤」と3つに分けるため、1回あたりの夜勤時間はおよそ8~9時間と短めです。

夜勤専従看護師の勤務時間は、日本看護協会のガイドラインで「月144時間以内」に抑えるよう推奨されています。そのため、二交代制では月に9~11回程度、三交代制では準夜勤・深夜勤を合わせて月に16~18回程度は勤務できる計算です。

ただし、同ガイドラインでは「1勤務の拘束時間は13時間以内」「次の勤務まで11時間以上の間隔を空ける」など、夜勤専従看護師の健康維持や質の高い看護の提供につなげるための方針も示されています。

実際、現場では「月に4回だけ」「金曜日のみ」など、自身の体調や都合に合わせて働き方を調整している方もいます。夜勤は身体への負担も大きくなりやすいことから、勤務先と相談のうえ、無理のない働き方を選択することが大切です。

夜勤専従看護師の給料

労働基準法においては、22時~翌5時までの勤務に対して25%以上の割増賃金を支払うことが義務づけられています。

また、2025年に公表された日本看護協会の資料によると、夜勤手当として二交代制では1回あたり11,815円、三交代制の準夜勤では4,567円、深夜勤では5,715円が支給されています。さらに、「夜勤専従者への特別な手当がある」と回答した施設が14.2%ありました。

このように、夜勤には割増賃金や手当が上乗せされることが多いため、夜勤専従看護師の給料は、一般的な看護師が同じ時間勤務した場合よりも高くなる傾向があります。

荒井 麻弥

荒井 麻弥

夜勤専従看護師とは、主に夜勤業務を担当し、日勤を行わない、または回数が限られている働き方です。生活リズムや収入面に特徴があり、自分に合えば働きやすさを感じる一方、体調管理や責任の重さが求められます。夜勤専従は「数ある働き方の一つ」であり、メリットだけでなく負担や責任も含めて理解することが大切です。自分の体力や経験段階に合っているかを考えたうえで、選択肢として検討するとよいでしょう。

2. 夜勤専従看護師の仕事内容とスケジュール

夜勤専従看護師は、実際にどのような業務を行っているのでしょうか。また、二交代制、三交代制それぞれのスケジュールについても解説します。

夜勤専従看護師の仕事内容

夜勤専従看護師の主な仕事内容には次のようなものがあります。基本的に、通常夜勤の業務と大きな違いはありません。

  • 夜間の入院患者の見回り・状態観察(バイタルサインの確認など)
  • 点滴・投薬管理、ナースコール対応
  • 夜間の急変時対応(医師への連絡・応急処置など)
  • 就寝前や起床時のケア(清拭・体位変換・おむつ交換など)
  • 夕食や朝食の準備、食事介助、片付け
  • 療養環境の整備(物品補充・記録業務など)
  • 夜間入院や救急搬送の受け入れ対応
  • 日勤者への申し送り(患者の状態や夜間の様子を共有)

夜勤専従看護師のスケジュール

夜勤専従看護師のスケジュールの一例を、二交代制と三交代制に分けて紹介します。

二交代制の場合

二交代制で働く夜勤専従看護師のスケジュールの一例は次のとおりです。

時間帯 業務内容
16:30 出勤・日勤者から申し送り(患者さんの状態・注意事項の確認)
17:00 点滴確認・バイタルチェック・ナースコール対応など
18:00 夕食の配膳・食事介助・内服薬確認など
19:00 片付け・環境整備・記録入力など
20:00 巡回(患者さんの体調確認・点滴チェック)
21:00
  • 消灯
  • バイタルチェック・ナースコール対応・夜間巡回・点滴交換・記録入力など
1:00
  • 休憩(交代で仮眠・仮眠のない病棟もあり)
  • 夜間巡回
  • ナースコール対応など
6:00 起床介助・採血・検温・バイタルチェック
7:00 朝食の配膳・食事介助・内服確認
8:00 片付け・環境整備・記録入力など
8:30 日勤者への申し送り・夜勤業務終了
9:00 退勤

三交代制の場合

三交代制で働く夜勤専従看護師のスケジュールの一例は次のとおりです。

準夜勤(16:30〜1:00の場合)
時間 業務内容
16:30 出勤、日勤看護師からの引き継ぎ
17:00 巡回・点滴交換・検温
18:00 夕食の配膳・食事介助・与薬・口腔ケア
19:00 巡回・点滴交換・バイタル測定・排泄介助
20:00 休憩
21:00 就寝準備・消灯
21:30〜23:00 巡回・点滴交換・排泄介助・体位変換・ナースコール対応
0:30 深夜勤への引き継ぎ
1:00 退勤
深夜勤(0:30〜9:00の場合)
時間 業務内容
0:30 出勤、準夜勤看護師からの引き継ぎ
1:00 巡回・カルテ整理・排泄介助・体位変換・ナースコール対応
4:00 休憩
5:00 巡回・カルテ整理・排泄介助・体位変換・ナースコール対応
6:00 起床・点滴交換・バイタルサイン測定・採血・洗面介助
7:00 朝食の配膳・食事介助・与薬・口腔ケア
8:30 日勤者への引き継ぎ
9:00 退勤
荒井 麻弥

荒井 麻弥

夜勤専従看護師は、少人数体制の中で患者さんの状態を観察し、急変時には迅速な判断と対応が求められます。夜間は医師や他職種の人数も限られるため、看護師の役割がより大きくなる時間帯です。スケジュールは日中と異なり、生活リズムの調整が欠かせません。業務内容だけでなく、夜勤特有の環境や責任の重さをイメージしておくことが重要でしょう。

3. 夜勤専従看護師のメリット

一般的には負担が大きいと思われそうな夜勤ですが、専従で働く看護師にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

日中にプライベートな時間を確保できる

夜勤専従看護師は日中の勤務を行わず夜間のみ働くため、日中の時間を自由に使うことができます。例えば、趣味や習い事、資格取得の勉強など自分の生活リズムに合わせて活動することが可能です。

また、銀行や役所の手続きは平日の日中しか対応してもらえないことも多いですが、日中に時間を確保できる夜勤専従看護師であれば用事も済ませやすいでしょう。このように、生活面での利便性を感じられるのも大きなメリットです。

日勤より少ない勤務回数で同等の収入が得られる可能性がある

先述したように、夜勤には割増賃金や手当が加算されることが多いため、夜勤1回あたりの給料は日勤1回分より高くなる可能性があります。

つまり、日勤の常勤看護師より勤務回数が少なくても、同等、あるいはそれ以上の収入を得られる場合があるのです。日中の自由時間を確保しつつ効率的に高収入を得られるのは、夜勤専従看護師のメリットと言えます。

看護業務に向き合う時間を確保しやすい

夜勤専従看護師は夜間の勤務に特化しているため、日中の会議や研修に参加する機会が比較的少ない職場もあります。

落ち着いた状況であれば、夜間は業務の流れがシンプルになりやすく、患者さんの状態観察やケアに継続して向き合いやすい時間帯でもあります。

少人数体制での勤務となることが多く、判断や対応を任される場面も増えるため責任は伴いますが、患者さんの変化に気づく力や看護師としての視点を養う経験につながることもあるでしょう。

荒井 麻弥

荒井 麻弥

夜勤専従看護師のメリットとして、勤務日数が少なくなる場合があることや、収入面で安定しやすい点が挙げられます。また、日中の時間を有効に使えるため、家庭やプライベートとの両立をしやすいと感じる人もいます。一方で、体調管理や睡眠の質を保つ工夫が欠かせません。メリットだけでなく、自分の生活や価値観に合うかを冷静に考えることが大切です。

4. 新卒から夜勤専従看護師を目指す場合の注意点

さまざまなメリットがある夜勤専従看護師ですが、学生のみなさんが目指す際は注意すべき点もあります。

就職先の選択肢が少ない可能性がある

多くの病院では、新卒看護師はまず日勤で経験を積むことを基本としているため、新卒から夜勤専従として働ける職場はあまり多くありません。

さらに、夜勤は少ない人数で業務を行うことが多いことから、夜勤専従の求人は経験者が優先される傾向にあり、新卒の場合は就職先の選択肢が少なくなる可能性があります。

新卒で夜勤専従看護師を目指す場合は、まずは選択肢の多い日勤看護師として入職し、その際に夜勤専従看護師を視野に入れていることを伝えれば、キャリアプランを考慮してもらえることがあります。

また、病院だけでなく療養型病院や老人保健施設などを就職の選択肢に入れることも検討しましょう。

教育体制が整っていないことがある

夜勤は日勤に比べて勤務するスタッフの人数が少なく、新卒で夜勤専従看護師になった場合は、先輩看護師から十分な指導を受けられない可能性があります。

もしも、夜勤専従の勤務体制に特化した教育体制が整っていなければ、基礎的な看護スキルや緊急時の対応を十分に学べないまま現場に立つことになるかもしれません。

このような状況を避けるためにも、教育体制が整っているか、夜勤中でもフォローしてもらえる環境かどうかといった点を、就職前にしっかり確認することが大切です。

昇進やキャリアアップにはつながらないことが多い

夜勤専従看護師として働く場合、日中に行われる院内研修や勉強会へ参加しにくいため、学ぶ機会が限られてしまうことがあります。また、夜勤の業務だけでは、スキルや知識に偏りが生じてしまうことも考えられます。

特に、新卒のうちから夜勤専従として働くと、幅広い経験を積む機会が少なくなり、将来的に昇進やキャリアアップの選択肢が狭まる可能性もあるでしょう。

そのため、新卒で夜勤専従看護師を目指す際は、目先の働きやすさや収入だけでなく、将来のキャリア形成についてもしっかり考えておくことが大切です。

荒井 麻弥

荒井 麻弥

新卒から夜勤専従を選ぶ場合、十分なサポート体制がある職場かどうかの確認が欠かせません。
夜勤専従の現場では、即戦力としての対応力が求められることも多く、夜間は少人数体制の中で判断や対応を任される場面が増えます。そのため、基礎的な看護技術や臨床経験を積む機会が限られてしまうかもしれません。
まずは日勤と夜勤の両方を経験しながら、看護の基礎や現場での判断力を身につけていくなど焦らず、自分の成長段階に合った働き方を選びましょう。

5. まとめ

夜勤専従看護師とは、日勤を行わず夜勤に特化した働き方をする看護師を指します。日中、自由な時間を確保できたり、日勤より高い収入を得られる可能性があったりするのが大きなメリットです。

一方で、新卒から目指す場合は、就職先の選択肢が少なく、キャリアアップの機会が限られてしまうこともあります。もしも、これから夜勤専従看護師として活躍したいという方は、求人情報や勤務条件をしっかり確認し、自分に合った病院を探すことが大切です。

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