助産師の一日のスケジュール|日勤・夜勤の流れ、勤務体制を解説

助産師の一日のスケジュール|日勤・夜勤の流れ、勤務体制を解説

妊婦の産前・産後ケアや出産介助を行う助産師は、勤務する総合病院・クリニック・助産院によって一日のスケジュールが異なります。また、日勤・夜勤によっても、業務内容や働き方に違いが生まれます。

本記事では、看護学生に向けて助産師の一日のスケジュールを勤務先別に日勤・夜勤に分けて比較し、勤務体制や仕事内容、就職先の選び方についても解説します。

監修者

小渕 麻弥

小渕 麻弥

慈恵第三看護専門学校、母子保健研修センター助産師学校卒業。公立病院の産婦人科病院の助産師として、病棟・外来業務を兼任。関わった母子は3,000組以上を超える。現在は一般病院の女性混合病棟・産婦人科外来に従事しながらライターとして医療の正しい知識を伝える活動をしている。

1. 【日勤】助産師の一日のスケジュール

助産師は、妊娠期のケアや出産介助、産後のサポートまで、母子の健康を支える職業です。主に総合病院やクリニック、助産院で働いており、一日の流れは勤務先によって異なります。

ここでは、助産師の日勤スケジュールを勤務先ごとに表にまとめ、それぞれ解説します。助産師を目指す学生の方は、職場ごとの業務の流れを確認しておきましょう。

総合病院

産科のある総合病院では、年間1,000〜3,000件の分娩を扱う施設も珍しくなく、ハイリスクの妊産婦を受け入れることも多いです。また、働く人数が比較的多く、業務が細分化されている傾向があります。

以下では、総合病院で働く助産師の日勤のスケジュール例を紹介します。

日勤(8:30~17:30の場合)
時間 業務内容
8:30 出勤・夜勤助産師からの引き継ぎ
9:00 診察介助・妊産婦のケア・分娩介助・授乳介助・新生児のケア
12:00

13:00
昼休憩
13:00 食事摂取量の確認・食後薬の与薬・口腔ケア・点滴交換
15:00

15:30
カンファレンス
15:30 出産介助・授乳介助・哺乳量や尿量測定・退院指導
17:00 夜勤助産師への引き継ぎ
17:30 退勤

クリニック

産院クリニックは病院よりも分娩数が少ない傾向があります。「レディースクリニック」などの名称を掲げる施設が多く、エステなどで産後の体を労わるケアが充実しているところも多いです。

以下では、クリニックで働く助産師の日勤のスケジュール例を紹介します。

日勤(8:30~17:30の場合)
時間 業務内容
8:30 出勤・夜勤助産師からの引き継ぎ
9:00 妊産婦のケア・新生児のケア・母乳外来の対応
12:00

13:00
昼休憩
13:00 授乳介助や母親学級の開催など
15:00 出産介助・授乳介助・哺乳量や尿量測定・退院指導
17:00 夜勤助産師への引き継ぎ
17:30 退勤

助産院

助産院では、助産師が正常分娩のみを扱います。妊婦健診も助産師が担当しますが、医師の指示のもと行う採血などは行えません。また、少ない助産師の数で対応している分、妊産婦一人ひとりに目を向けやすいのが特徴です。

以下では、助産院で働く助産師の日勤のスケジュール例を紹介します。

日勤(8:30~17:30の場合)
時間 業務内容
8:30 出勤・夜勤助産師からの引き継ぎ
9:00 外来の妊婦健診・入院中の妊婦・母子のケア
12:00

13:00
昼休憩
15:00 マタニティクラスの体操・母親学級・入院中の妊婦・母子のケア
17:00 夜勤助産師への引き継ぎ
17:30 退勤
小渕 麻弥

小渕 麻弥

日勤の業務は、外来から病棟まで多岐にわたります。最も特徴的なのは、多職種との連携や退院に向けた指導など、動的な業務が多い点です。分娩が重なると予定通りに進まないこともありますが、お母さんやご家族と直接コミュニケーションをとる機会が多く、対話を通じて信頼関係を築けるのが日勤の醍醐味です。学生のうちに、優先順位の立て方を意識しておくと、入職後の動きやすさが変わります。

2. 【夜勤】助産師の一日のスケジュール

日勤の業務は、妊婦健診や母親学級の指導など、基本的に慌ただしく過ごすことが多いです。一方夜勤では、急なお産や手術の対応、新生児ケア、日中にできなかった記録の整理、物品管理などを、少ない人数で分担しながら行います。

また、緊急対応が入ると休憩を取りづらくなるため、二交代制などの場合は状況を見ながら順番に仮眠を取るよう調整が必要です。ここでは、総合病院・クリニック・助産院の夜勤のスケジュール例を紹介します。

総合病院

総合病院で働く助産師の夜勤のスケジュール例は、以下のとおりです。

夜勤(17:00~9:00の場合)
時間 業務内容
17:00 出勤、日勤助産師からの引き継ぎ
18:00 分娩介助・授乳介助・新生児のケア
19:00 夕食介助
20:00 食事摂取量の確認・食後薬の与薬
21:00 消灯、巡回、分娩介助・授乳介助・新生児のケア
22:00

4:00
交代で仮眠、食事休憩(2時間)
6:00 朝食準備、検温、患者ケア
8:30 日勤助産師への引き継ぎ
9:00 退勤

クリニック

クリニックで働く助産師の夜勤のスケジュール例は、以下のとおりです。

夜勤(17:00~9:00の場合)
時間 業務内容
17:00 出勤、日勤助産師からの引き継ぎ
18:00 分娩担当、新生児対応などの役割に分かれて業務を行う
19:00 夕食介助
20:00 分娩介助・授乳介助・新生児のケア
22:00

4:00
交代で仮眠、食事休憩(2時間)
6:00 朝食準備、検温、患者ケア
8:30 日勤助産師への引き継ぎ
9:00 退勤

助産院

助産院で働く助産師の夜勤のスケジュール例は、以下のとおりです。

夜勤(17:00~9:00の場合)
時間 業務内容
17:00 出勤、日勤助産師からの引き継ぎ
18:00 分娩介助・授乳介助・新生児のケア
19:00 夕食介助
20:00 分娩介助・授乳介助・新生児のケア
22:00

4:00
交代で仮眠、食事休憩(2時間)
6:00 朝食準備、検温、患者ケア
8:30 日勤助産師への引き継ぎ
9:00 退勤
小渕 麻弥

小渕 麻弥

夜勤は、少ないスタッフで安全を守り抜く責任感のある時間帯です。日勤に比べると落ち着いている時間もありますが、急な分娩の入院があれば一気に現場の緊張感が高まります。一方で、静かな夜の病棟でゆっくりとお母さんの悩みを聞いたり、授乳にじっくり向き合ったりする時間は、助産師としての深まりを感じる瞬間であるとともに、お母さんにとっても大切な時間です。夜勤明けの解放感や、チームで夜を乗り切ったあとの連帯感は、この働き方ならではの魅力です。

3. 【状況別】一日の仕事内容

助産師の仕事は、妊娠から出産、産後まで幅広く、業務内容は妊産婦の状況によって異なることが多いです。ここでは、一日の仕事内容を出産前・出産時・出産後の3つの状況に分けて紹介します。

妊婦の出産前

妊娠期には、以下のような仕事を担当します。

  • 妊婦健診
  • 妊婦の健康管理
  • 母親学級の指導

妊婦健診では、月に1〜2回程度、尿検査やエコーなどで妊婦と胎児の健康状態を確認します。また、健康的な妊娠生活を送れるよう食事内容や運動方法を指導するほか、母親学級を開催して妊娠・出産・子育てに必要な情報を提供するのも助産師の役割です。

妊婦の出産時

出産時には、以下のような仕事を担当します。

  • 出産の準備・介助
  • 分娩介助
  • 新生児の呼吸確立を援助

妊婦に陣痛や破水など、お産の兆候が見られたら分娩の準備が必要です。妊婦への食事や排泄の介助のほか、声掛けや赤ちゃんを受け取るベビーキャッチなども行います。その際、初産の妊婦がパニックにならないよう、心身のケアも求められるでしょう。

産婦の出産後

産後には、以下のような仕事を担当します。

  • 産褥経過の観察・ケア
  • 母乳指導
  • 新生児のケア

出産後の産婦は数日間入院するため、母子の健康状態を観察したり、新生児のお世話の方法を指導したります。また、授乳方法やマッサージ方法など、産褥期のケアに伴うサポートを行うのも重要な仕事の一つです。

小渕 麻弥

小渕 麻弥

助産師の仕事は「点」ではなく、妊娠から産後までの「線」でつながっています。健診で関わった妊婦さんの分娩を介助し、その後の育児を支えるという一連の流れを経験できるのが、この仕事の最大の特徴です。それぞれの場面で求められる技術や知識は異なりますが、常に根底にあるのは、母子の安全と産む力の尊重です。状況に応じた柔軟な対応力を磨くことで、お母さんたちにとって心強い存在になれるでしょう。

4. 助産師の勤務体制

出産はいつ始まるか分からないことも多いため、助産師がいつでも対応できるよう、さまざまな勤務体制を設けている施設が少なくありません。ここでは、助産師の勤務体制を4つのパターンに分けて紹介します。

二交代制

二交代制は、24時間を日勤と夜勤の2つに分けて勤務する仕組みです。日勤は8時間、夜勤は16時間勤務のスケジュールで対応します。

夜勤は夕方から翌朝までの長時間勤務になるため、仮眠を取れる場所が設けられていることが多いです。とはいえ、長時間の夜勤は身体への負担も大きいため、一般的には夜勤の翌日を休日とし、体調を整える時間が確保されます。

三交代制

三交代制は、24時間を日勤・準夜勤・深夜勤の3つに分け、それぞれ7〜8時間の勤務時間になるように調整されます。具体的な勤務時間は、以下のとおりです。

  • 日勤:(出勤)8~9時、
    (退勤)16~17時
  • 準夜勤:(出勤)16~17時、
    (退勤)24~25時
  • 深夜勤:(出勤)24~25時、
    (退勤)8~9時

日勤は二交代制とほぼ同様の働き方ですが、準夜勤と深夜勤は日勤よりも人数が少なめです。分娩担当・ベビーキャッチ・その他業務というような役割に応じて担当を分け、必要に応じて緊急対応にあたることが多くあります。

夜勤

助産師の勤務体制は二交代制と三交代制が多く、月に平均4〜6回程度夜勤を担当します。二交代制の場合は仮眠を取りますが、三交代制の場合は勤務時間が均等に分けられているため、仮眠時間は設けられていません。

また、夜間は出産の兆候が現れやすいとされており、救急車の対応が増えることもあります。地域によっては夜間に対応できる病院が限られるため、大型病院では分娩対応に追われるケースも少なくありません。

シフトの組み方と休日

助産師は出産のタイミングに合わせてシフトを組むことが多く、日勤と夜勤の両方に対応する場面も多いです。

また、休日の取り方も勤務先によってさまざまで、市町村の保健センターや養成学校、不妊治療クリニックなどは残業が少なく、休みを取りやすい傾向にあります。助産師を目指す際は、無理のない勤務体制や人数、休日の取りやすさに着目して勤務先を選びましょう。

5. 学生のうちに知っておきたい職場選びのポイント

現在、助産師を目指して学業に励む学生の方は、将来どのような職場で働くのが自分に合うのか考え始める人もいるかもしれません。今のうちから職場選びのポイントを押さえておけば、就職活動をスムーズに進められるでしょう。

研修や教育体制が整っているか

助産師としてキャリアを築くには、手厚い研修制度や教育制度が欠かせません。長く働くことで助産師としての知識やスキルは磨かれていきますが、勤務先からの教育支援があれば、より成長が期待できます。

また、求人票だけではこのような職場環境を見極めることは難しいため、病院などで行われる説明会や見学会などを通じて具体的な研修内容や教育体制を確認しましょう。

夜勤手当や福利厚生を確認する

助産師は夜勤対応を求められることが多いため、夜勤手当がどの程度もらえるかを確認しましょう。夜勤の回数や手当の金額は勤務先によって異なるため、基本給だけで判断せず項目ごとに確認することが大切です。

また、長く安心して働き続けるには、福利厚生の充実度も重要です。住宅手当や扶養手当、育児支援制度などが整っているかどうかで、働きやすさは大きく変わります。

病院見学・説明会を活用して雰囲気を掴む

助産師として働ける病院は数多くありますが、その中で自分の希望に合う勤務先を見つけるのは簡単ではありません。そこで活用したいのが、病院見学会や説明会です。

見学会や説明会に参加することで、職場の雰囲気や実際の労働環境を直接確認できます。また、不明点を質問して疑問を解消していくことで、入職後のギャップが起こりにくくなるでしょう。

小渕 麻弥

小渕 麻弥

最初の就職先選びは、その後のキャリアを左右します。単に「有名だから」「給与が良いから」という理由だけでなく、自分がどのような助産ケアを学びたいかを軸に考えてみてください。研修制度の充実はもちろんですが、職場の人間関係や理念が自分に合うかどうかも、長く働き続けるためには欠かせない視点です。見学会では、ぜひスタッフ同士の会話や表情にも注目し、自分がそこで生き生きと働く姿を想像できるかを確かめてみましょう。

6. まとめ

助産師は、妊娠期のケアや出産介助、産後のサポートまで、母子の健康を支える職業です。勤務先には総合病院・クリニック・助産院などがあり、一日のスケジュールや夜勤の回数、休みの取りやすさはそれぞれ異なります。

こうした違いを踏まえて将来の就職先を選ぶ際は、研修や教育体制が整っているか、夜勤手当や福利厚生が充実しているかなどを確認しておきましょう。それには、病院などで行われる説明会や見学会に参加して、実際の雰囲気や体制を確認することが有効です。

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