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助産師の初任給はいくら?平均年収や手当の種類、看護師との違いも解説
助産師の初任給は約27〜28万円が一つの目安で、経験を積むことなどによって月収・年収を上げていくことができます。平均年収を見ると、助産師はその専門性の高さなどから、看護師と比べても給与水準が高めなのが特徴です。
本記事では、助産師を目指している学生の方に向けて、最新の公的データや統計をもとに、助産師の初任給の目安をはじめ、平均年収、収入に影響する手当の種類などもわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
INDEX
1.助産師の平均初任給は約27~28万円が目安
助産師の初任給は、就職先によって差はあるものの、約27〜28万円が目安です。厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」から、「20〜24歳・経験年数0年」の助産師のデータを参照すると、所定内給与額は27万1,900円となっています。
所定内給与とは、毎月決まって支払われる給与から時間外勤務手当や深夜勤務手当などの超過労働給与を差し引いたものです。つまり、この額が月給の一つの目安となり、夜勤などがある場合はその分の手当がプラスされると考えられます。
なお、初任給を27万1,900円とすると、手取り額はその8割、約21〜22万円程度となるのが一般的でしょう。
| 所定内給与額 | 手取り額 | |
|---|---|---|
| 助産師の初任給目安 | 27万1,900円 | 21万7,520円 |
| 助産師全体の給与目安 | 34万7,200円 | 27万7,760円 |
【出典】e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査(職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計))」
新卒助産師のボーナス(賞与)
上記と同じ「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、「20〜24歳・経験年数0年」の助産師の年間賞与その他特別給与額は10万600円となっています。このことから、新卒助産師のボーナスは年間で10万円程度、手取り額はその8割程度が目安といえるでしょう。
ボーナスは年に2回支給されることが多いため、1回あたりの金額は5万円前後が目安です。少なく感じるかもしれませんが、ボーナス額には経験年数・勤務年数も大きく影響するため、助産師として仕事を続けることで大幅にアップする傾向にあります。
| ボーナス支給額の目安 | ボーナス手取り額の目安 | |
|---|---|---|
| 20〜24歳・経験年数0年 | 10万600円 | 8万480円 |
| 20〜24歳・経験年数1~4年 | 94万9,300円 | 75万9,440円 |
| 30~34歳・経験年数5~9年 | 121万7,100円 | 97万3,680円 |
| 35~39歳・経験年数10~14年 | 122万6,800円 | 98万1,440円 |
2.【条件別】助産師の平均年収
ここからは、助産師全体の平均年収について解説していきます。年収は、月ごとの給与12カ月分と年間のボーナスを合わせることで算出できます(ここでは、所定内給与と年間賞与その他特別給与をもとに算出します)。
平均年収は労働条件などによって差が出てくるため、「令和6年賃金構造基本統計調査」を参考に、年齢や経験年数、勤務先の規模といった条件に分けて見てみましょう。
【年齢別】助産師の平均年収
助産師の平均年収は年齢とともに上がっていく傾向があり、特に20代前半と20代後半では100万円以上の差があります。このデータでは経験年数は考慮していませんが、年齢と年収が比例するのは、年齢に伴って経験値も上がるのが一般的であるためだと考えられます。
40〜44歳ではやや落ち込みますが、これは助産師本人の出産や子育てが重なるのが一つの要因でしょう。それ以降の数値を見ると、経験豊富な年代は年収も高めであることが分かります。
| 年齢 | 所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 平均年収 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 27万8,300円 | 44万5,500円 | 378万5,100円 |
| 25〜29歳 | 33万4,700円 | 90万2,500円 | 491万8,900円 |
| 30〜34歳 | 33万4,900円 | 110万9,200円 | 512万8,000円 |
| 35〜39歳 | 33万8,700円 | 127万8,600円 | 534万3,000円 |
| 40〜44歳 | 32万7,100円 | 91万400円 | 483万5,600円 |
| 45〜49歳 | 37万300円 | 121万9,700円 | 566万3,300円 |
| 50〜54歳 | 36万8,900円 | 121万8,700円 | 564万5,500円 |
| 55〜59歳 | 43万8,200円 | 120万5,500円 | 646万3,900円 |
| 60〜64歳 | 40万6,100円 | 120万4,500円 | 607万7,700円 |
【出典】e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査(職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計))」
【経験年数別】助産師の平均年収
経験年数別のデータを見ると、助産師としての経験を積むとともに年収が上がるということの裏付けが取れます。
経験年数0年では平均年収が約345万円なのに対し、15年以上では約565万円と、200万円以上の差があり、やはり経験豊富な助産師ほど重宝されるといえるでしょう。また、長期的なキャリアを築きやすく、長く安定して働ける職種であることも分かります。
| 経験年数 | 所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 平均年収 |
|---|---|---|---|
| 0年 | 27万5,800円 | 13万2,700円 | 344万2,300円 |
| 1〜4年 | 32万4,200円 | 104万9,000円 | 493万9,400円 |
| 5〜9年 | 33万8,100円 | 118万300円 | 523万7,500円 |
| 10〜14年 | 34万1,800円 | 106万7,600円 | 516万9,200円 |
| 15年以上 | 38万2,000円 | 107万2,200円 | 565万6,200円 |
【出典】e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査(職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計))」
【規模別】助産師の平均年収
助産師の年収は勤務先の規模(従業員数)によっても変わってくることがあります。ボーナスの額を見てみると、規模が大きくなるほど金額も大きくなる傾向です。特に1,000人以上の企業では、月々の給与、ボーナス、年収ともに最も高い水準になっています。
ただし、月々の給与や年収に関しては、100〜999人の中規模企業よりも、10〜99人の小規模企業のほうが平均額が上回っています。理由としては、小規模な施設で助産師一人ひとりに求められる業務量の多さや専門性の高さが挙げられるでしょう。
| 企業規模 | 所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 平均年収 |
|---|---|---|---|
| 10〜99人 | 36万5,000円 | 57万3,500円 | 495万3,500円 |
| 100〜999人 | 32万3,200円 | 82万3,000円 | 470万1,400円 |
| 1,000人以上 | 35万3,400円 | 125万9,900円 | 550万700円 |
【出典】e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査(職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計))」
【地域別】助産師の平均年収
地域によっても、助産師の給与水準に差がみられるケースがあります。都道府県別のランキングにすると、平均年収が最も高いのは埼玉県(約630万円)、続いて兵庫県(約595万円)、北海道(約585万円)です。
給与水準が高い県と低い県では数百万円に及ぶ平均年収の差が生まれることも考えられますが、これには助産師以外も含めた就業者全体の給与水準の違いに加え、地域での助産師不足の状況や、自治体ごとの妊産婦支援への取り組みの違いなどが影響していると考えられます。
| 所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 平均年収 | |
|---|---|---|---|
| 全国 | 33万4,700円 | 95万6,100円 | 497万2,500円 |
| 都道府県 | 所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 平均年収 | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 埼玉県 | 44万5,000円 | 96万600円 | 630万600円 |
| 2 | 兵庫県 | 38万7,200円 | 130万2,800円 | 594万9,200円 |
| 3 | 北海道 | 37万5,700円 | 134万700円 | 584万9,100円 |
| 4 | 東京都 | 35万6,300円 | 149万600円 | 576万6,200円 |
| 5 | 新潟県 | 38万9,300円 | 107万7,800円 | 574万9,400円 |
| 6 | 大阪府 | 32万3,200円 | 178万8,300円 | 566万6,700円 |
| 7 | 福島県 | 36万9,000円 | 123万2,600円 | 566万600円 |
| 8 | 京都府 | 36万1,400円 | 121万8,800円 | 555万5,600円 |
| 9 | 富山県 | 40万4,500円 | 68万4,400円 | 553万8,400円 |
| 10 | 青森県 | 36万6,800円 | 89万1,100円 | 529万2,700円 |
平均年収が高い都道府県順
【出典】e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査(sanko4 都道府県、職種(特掲)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)(役職者を除く))」
3.助産師の平均時給
続いて、パート・アルバイトなど短時間の時給制で働く助産師の平均時給を見てみましょう。1時間当たりの所定内給与額は平均で2,187円、年間賞与その他特別給与額の平均は19万7,400円となっており、ほかの職種と比べても給与水準は高めです。
また、規模別の平均時給を見てみると、従業員数10〜99人の小規模企業が最も高くなっています。ただし、ボーナスについては規模が大きくなるほど金額も高くなる傾向があり、労働時間によっては必ずしも小規模企業のほうが収入が高いとはいえません。
| 1時間当たり所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 |
|---|---|
| 2,187円 | 19万7,400円 |
| 企業規模 | 所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 |
|---|---|---|
| 10〜99人 | 2,343円 | 7万7,400円 |
| 100〜999人 | 1,800円 | 27万8,800円 |
| 1,000人以上 | 2,246円 | 61万7,600円 |
規模別の平均時給
【出典】e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査(短時間労働者の職種(小分類)別1時間当たり所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計))」
4.助産師に支給される手当
助産師の給与には、基本給に加えて各種手当が含まれるのが一般的です。実際にどのような手当が支給されるのか、その代表例をご紹介します。
分娩介助手当
分娩介助は助産師の主要な業務ですが、これに対して手当が支給されることが多いです。金額は1回につき1万円程度が目安で、オンコールの待機についても数千円程度の手当が付くことがあります。
正常分娩は医師の立ち会いのもとで助産師が中心となって進めるため、その負担や責任の大きさを考慮した手当だといえるでしょう。
夜勤手当
お産や母子の急変は曜日や時間に関係なく発生するものです。そのため、入院病床がある病院やクリニックは24時間体制で運営されており、助産師も二交代制や三交代制などで勤務しています。
夜勤には夜勤手当が支給されるのが一般的で、1回につき5,000円程度が支給されます。夜勤の頻度は職場や個人の働き方によって異なりますが、月に4〜8回程度、夜勤手当の金額は月に3〜4万円程度が目安でしょう。
住宅手当・通勤手当・残業手当など
上記のほかに、多くの場合は住宅手当や通勤手当、残業手当といった一般企業と同じような手当も支給されます。例えば、住宅手当や通勤手当は月5,000円程度、または1km当たり〇円、家賃の〇%などと決まっていることが多いです。
それ以外にも、家族手当、育児手当、資格取得手当など職場によってさまざまな手当制度が設けられています。こうした福利厚生は規模の大きい施設のほうが充実している傾向がありますが、職場ごとに差があるため事前に確認しておくと安心です。
5.助産師と看護師の給料はどちらが高い?
助産師になるには看護師免許も必要ですが、看護師との給料の違いが気になる方もいるでしょう。以下の表にまとめたように、助産師は看護師と比べて平均給与額が高いです。年収に換算すると、平均で約38万円の差が生まれています。
| 所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 平均年収 | |
|---|---|---|---|
| 助産師 | 34万7,200円 | 101万400円 | 517万6,800円 |
| 看護師 | 32万9,600円 | 83万5,000円 | 479万200円 |
【出典】e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査(職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
助産師の給与水準が高い理由
助産師の給与水準が高い理由としてまず挙げられるのは、資格の難易度や専門性の高さです。助産師になるためには看護師養成課程と助産師養成課程の両方を修了し、看護師国家試験に合格したうえで助産師国家試験にも合格しなければなりません。
その分、求められる知識やスキルのレベルが高く、分娩介助手当をはじめとする各種手当も支給されやすいです。加えて近年では、高齢出産の増加などから妊産婦のニーズも多様化していて、専門人材である助産師の需要はますます高まっています。
需要に対して供給が追いついていない現状もあり、日本看護協会の調査でも院内助産の実施の予定がない病院の約半数が助産師不足をその理由に挙げています。また、助産師の採用を増やしたいとする病院も全体の半数以上です。人材確保のために給与が高く設定されているとも考えられるでしょう。
【出典】日本看護協会「2022年 病院看護・助産実態調査(表151 院内助産の実施予定がない理由、表178 助産師の採用意向)」
6.学生が助産師のキャリアに向けて意識したいこと
助産師を目指す学生の皆さんは、これからキャリアを構築していくための準備をしておきましょう。特に以下の3つの観点から自身が働く環境についてよく考えておくことをおすすめします。
将来のキャリアビジョンを描く
一言で助産師といっても、キャリアの歩み方は人それぞれです。まずは現場で助産に関する基本的なスキルを身に付ける必要がありますが、その後のキャリアの選択肢は多様なので、自分はどのような道を歩みたいのかイメージしておくことが重要です。
専門分野に特化したスキルを高めたり、マネジメントスキルを身に付けて助産師長や看護部長といった管理職を目指したり、あるいは独立開業する方もいます。また、保健所などで地域の子育て全般を支援することもあります。
学生時代からさまざまな可能性を考慮してキャリアビジョンを描いておくことで、理想のキャリアを実現しやすくなるでしょう。
関連資格の取得も視野に入れておく
助産師としてキャリアアップしていくうえで、関連資格の取得は大きな糧となります。自分の興味・関心に合わせて、関連資格を取得することもあらかじめ視野に入れておくと良いでしょう。
例えば、より高い助産実践能力を証明する「アドバンス助産師」、産後の女性を専門的にサポートするための「産後ケアリスト」、また認定看護師や専門看護師の分野にも「新生児集中ケア」「生殖看護」「母性看護」などがあります。
実務経験が必要な資格もあるため、資格取得までの道のりも含めてイメージしておくことをおすすめします。
【出典】一般財団法人 日本助産評価機構「アドバンス助産師について」
【出典】一般社団法人 日本産後ケア協会「産後ケアリスト認定講座」
就職先の研究・比較をしっかり行う
就職活動をする際は、就職先の候補となる施設の研究・比較をしっかり行いましょう。この記事で解説してきた給与面はもちろんのこと、そのほかの福利厚生、教育体制、分娩件数や助産師の勤務体制なども重要です。
また、施設としてどのような方針で妊産婦やその家族を支援しているかを確認し、その内容や理念に共感できる職場で働くことができれば、より充実感を得られるでしょう。多角的に研究・比較を行うことで、助産師として良いスタートを切れる可能性が高まります。
7.まとめ
新卒助産師の初任給は約27〜28万円が目安です。それに加えて1年の間にボーナスが支給されることもありますが、新卒の場合は金額が低いこともあるでしょう。
ただし、経験を積むにつれて月給・ボーナスともに上がるのが一般的で、助産師の平均年収を見ると看護師よりも高い水準であることがわかります。とはいえ、職場の規模や地域によっても給与水準は異なる場合があるため、就職前によく確認する必要があります。
満足できる就職先を見つけるには、情報収集を積極的に行うことが重要です。マイナビ看護学生では、エリアや待遇などさまざまな条件で病院を検索することができ、説明会やセミナーの情報も受け取れます。ぜひ登録して、助産師としてのキャリアを踏み出しましょう。














