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訪問看護に役立つ資格8選!取得のメリットや学生のうちに準備すべきことを解説
利用者さんの自宅に訪問して看護を行う訪問看護は、看護師資格以外に必須の資格はありません。しかし、専門資格を取得することでより幅広い支援が可能になり、管理職へのキャリアアップも目指せます。
本記事では、訪問看護で役立つおすすめの資格を8つ紹介し、それぞれの特徴や取得のメリット、看護学生のうちにできる準備についてわかりやすく解説します。
※資格の詳細は2025年12月15日時点の情報です。最新の資格要件については、各公式サイトをご参照ください。
1.訪問看護に資格は必要?
訪問看護師として働くために必須となる資格は、看護師資格のみです。訪問看護師になるための特別な資格はないため、看護師資格があれば訪問看護の現場で働くことができます。
なお、准看護師の資格でも働ける場合はありますが、オンコール対応や訪問看護計画書の作成・報告、高度な医療的判断を単独でおこなうことはできません。採用を見合わせている事業所もあるため、訪問看護師になるには正看護師の資格を取得しておくのが良いでしょう。
また、事業者によっては、利用者さんの自宅を訪問するために普通自動車運転免許を必須条件としている場合があります。さらに、必須ではないものの、訪問看護師として働くうえで役立つ資格もありますので、専門性を高める手段としてチェックしておくと良いでしょう。
2.訪問看護に役立つ資格8選
ここからは、訪問看護に役立つ資格を8つ紹介します。将来を見据え、各資格の取得条件や業務でどのように役立つのかを確認しておきましょう。
認定看護師
認定看護師とは、特定の看護分野において高度な知識と優れた看護技術と知識を有していることを、日本看護協会から認められた看護師を指します。
認定看護師の資格を取得するには、次の要件が必要です。
- 認定看護分野の実務経験3年を含む通算5年以上の看護実務経験
- 日本看護協会が定める600時間以上の認定看護師教育の修了
- 認定看護師認定審査の合格
※2025年11月時点
認定看護師には19の分野(B課程)がありますが、訪問看護に役立つものとして主に次の分野が挙げられます。
| 訪問看護に役立つ主な認定看護師の分野(B課程) | 求められる知識と技術の一例 |
|---|---|
| 在宅ケア |
・生活の場におけるQOLの維持・向上とセルフケア支援 ・生活に焦点をあてた在宅療養移行支援及び多職種との調整・協働 ・身体所見から病態を判断し、気管カニューレや胃ろうカテーテルの交換が安全にできる知識・技術 |
| 緩和ケア |
・痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題のアセスメント ・全人的問題を緩和し、QOLを向上するための症状マネジメント ・家族の喪失や悲嘆への対応 |
| 皮膚・排泄ケア |
・褥瘡のトータルマネジメント ・管理困難なストーマや皮膚障害を伴うストーマケア ・専門的な排泄管理とスキンケア |
| 認知症看護 |
・認知症の症状マネジメント及び生活・療養環境の調整 ・家族への心理的・社会的支援 ・身体所見から病態を判断し、抗けいれん剤、抗精神病薬及び抗不安薬の臨時の投与ができる知識・技術 |
※2025年12月時点
いずれも訪問看護では欠かせない看護分野であり、これらの認定看護師資格を取得することで、より質の高い訪問看護ケアを提供できるでしょう。
専門看護師
専門看護師とは、日本看護協会の専門看護師認定審査に合格し、特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有していると認められた看護師を指します。
専門看護師の資格を取得するには、次の要件が必要です。
- 専門看護分野の実務経験3年を含む通算5年以上の看護実務経験
- 看護系の大学院で修士課程を修了して必要な単位を取得
- 専門看護師認定審査の合格
※2025年12月時点
専門看護師には14の分野がありますが、訪問看護に役立つものとして主に次の分野が挙げられます。
| 訪問看護に役立つ主な 専門看護師の分野 |
分野の特徴 |
|---|---|
| 地域看護 | 産業保健、学校保健、保健行政、在宅ケアのいずれかの領域において水準の高い看護を提供し、地域の保健医療福祉の発展に貢献する。 |
| 老人看護 | 高齢者が入院・入所・利用する施設において、認知症や嚥下障害などをはじめとする複雑な健康問題を持つ高齢者のQOLを向上させるために水準の高い看護を提供する。 |
| 家族支援 | 患者の回復を促進するために家族を支援する。患者を含む家族本来のセルフケア機能を高め、主体的に問題解決できるよう身体的、精神的、社会的に支援し、水準の高い看護を提供する。 |
| 在宅看護 | 在宅で療養する対象者及びその家族が、個々の生活の場で日常生活を送りながら在宅療養を続けることを支援する。また、在宅看護における新たなケアシステムの構築や既存のケアサービスの連携促進を図り、水準の高い看護を提供する。 |
| 精神看護 | 精神疾患患者に対して水準の高い看護を提供する。また、一般病院でも心のケアを行う「リエゾン精神看護」の役割を提供する。 |
※2025年12月時点
専門看護師資格は取得のハードルが高いものの、訪問看護のスペシャリストを目指したい方にとっては、挑戦する価値のある資格と言えるでしょう。
介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護を必要とする人ができるだけ自立した生活を送れるようケアプランを作成し、関係機関と連携しながら支援を行う専門資格です。
訪問看護師がこの資格を取得すれば、医療と介護の両方の視点で利用者を支援できるようになるため、訪問看護の現場で活躍の幅を広げたい方にとっては有意義な資格と言えます。
介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得するには、次のような要件を満たす必要がありますが、都道府県ごとに異なる可能性があるため、詳細は就業を予定している場所で確認するようにしましょう。
- 看護師資格など特定の国家資格に基づく実務経験が通算5年以上かつ従事した日数が900日以上、もしくは相談援助業務が通算5年以上かつ従事した日数が900日以上
- 介護支援専門員実務研修受講試験に合格
- 介護支援専門員実務研修の修了
※2025年12月時点
在宅看護指導士
在宅看護指導士は、訪問看護師のスキル向上を目的として2024年に新設された更新制の資格です。疾患ごとのケア方法をはじめ、営業活動や保険制度など、訪問看護分野における高い専門性と実践力を証明することができます。
在宅看護指導士認定試験の概要は次のとおりです。
| 受験資格 | 看護師・理学療法士・言語聴覚士・作業療法士いずれかの資格を取得後、2年以上の実務経験があること |
|---|---|
| 出題内容・形式 |
・協会認定 在宅看護指導士 公式テキスト及び時事問題 ・90問の択一問題 ・CBT試験(試験会場は全国に300ヶ所以上) |
| 試験時間 | 90分 |
| 受験料 | 11,000円(税込12,100円) 配送料・各種手数料が別途発生 |
| 更新期間 | 5年ごと |
| 更新料 | 11,000円(税込12,100円) 配送料・各種手数料が別途発生(ココリンク加入者は原則免除) |
| 合格率 (第2回・2025年) |
71.4% |
※2025年12月時点
【出典】一般社団法人全国在宅医療マネジメント協会「訪問看護の認定資格 在宅看護指導士とは」
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は、認知症介護に携わる人の継続的な学びと専門性の向上を目的とした更新制の資格です。資格保有者は、認知症のある方やその家族に対して、高度な知識と技術を活かした支援を行うことができます。
厚生労働省のデータによると、2022年時点で認知症の高齢者は443.2万人に達しており、訪問看護の現場においても認知症ケアは欠かせない分野となっています。そのため、専門的な知識と対応力を身につけられる認知症ケア専門士の資格は、訪問看護において大いに役立つ資格と言えるでしょう。
| 受験資格 | 試験年の3月31日を基準日として、過去10年以内に認知症ケア分野で3年以上の実務経験があること |
|---|---|
| 出題内容・形式 |
【第1次試験】 ・「認知症ケア標準テキスト」に準じた内容 ・各分野50問/ 4分野合計200問 (五者択一) ・Web試験 【第2次試験】 ・全国4会場における実地での論述試験(倫理と実践の計2題) ・面接なし |
| 試験時間 | 【第1次試験】:9:30~15:15(各分野60分・15分ずつの休憩あり) |
| 受験料 |
【第1次試験】:4,000円×受験分野数(4分野で16,000円) 【第2次試験】:9,000円 |
| 更新期間 | 5年ごと |
| 更新料 | 10,000円 |
| 合格率 第20回試験 (2024年) |
45.7% |
※2025年12月時点
【出典】厚生労働省「認知症および軽度認知障害(MCI)の高齢者数と有病率の将来推計」
【出典】一般社団法人日本認知症ケア学会「認知症ケア専門士 公式サイト」
【出典】一般社団法人日本認知症ケア学会「認知症ケア専門士認定試験」
【出典】一般社団法人日本認知症ケア学会「認知症ケア専門士『更新の手引』」
終末期ケア専門士
終末期ケア専門士は、臨床現場において終末期ケアを専門的に担う人材を認定する更新制の資格です。この資格を取得すれば、利用者さんの生活に寄り添いながら、科学的根拠に基づいた終末期ケアが実践できることを証明できます。
令和5年に厚生労働省が実施した調査によると、病気で治る見込みがなく、およそ1年以内に徐々にあるいは急に死に至ると考えたときに、「自宅で最期を迎えたい」と答えた人の割合は52.6%にのぼりました。
このような背景からも、訪問看護における終末期ケアの重要性はますます高まっていくと言えます。
| 受験資格 | 看護師・准看護師・保健師など指定の免許を取得後、2年以上の実務経験があること |
|---|---|
| 出題内容・形式 |
・終末期ケア専門士 協会認定テキスト及び時事問題 ・90問の択一問題 ・CBT試験(試験会場は全国に300ヶ所以上) |
| 試験時間 | 90分 |
| 受験料 | 11,000円(税込12,100円) 配送料・各種手数料が別途発生 |
| 更新期間 | 5年ごと |
| 更新料 | 5,500円(ココリンク加入者は原則無料) |
| 合格率 (第6回・2025年) |
73% |
※2025年12月時点
【出典】厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査報告書」
【出典】:一般社団法人日本終末期ケア協会(JTCA)「終末期ケア専門士認定試験」
特定行為研修
訪問看護師に役立つものの一つとして、特定行為研修があります。これは資格ではありませんが、一定の医療行為を医師の包括的な指示のもとで実施できるようになる研修制度です。
この制度には21の特定行為区分が設けられており、研修を修了することで、その区分における迅速な対応が可能になるため、在宅医療の質向上や利用者さんとご家族の安心感につながります。
訪問看護の現場で役立つ特定行為区分には、次のようなものが挙げられます。
| 訪問看護に役立つ主な特定行為区分 | 特定行為 |
|---|---|
| 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 | ・気管カニューレの交換 |
| ろう孔管理関連 |
・胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換 ・膀胱ろうカテーテルの交換 |
| 創傷管理関連 |
・褥瘡(じょくそう)又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 ・創傷に対する陰圧閉鎖療法 |
| 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 |
・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 ・脱水症状に対する輸液による補正 |
※2025年12月時点
【出典】一般社団法人 看護師の特定行為に係る指定研修機関協議会「看護師の特定行為研修制度 ポータルサイト」
精神障がい者の在宅看護セミナー
精神障がいをもつ利用者の在宅支援に必要な知識や対応力を高めるための研修です。こちらも資格ではありませんが、受講することで精神疾患に関する深い知識を学べるため、精神科訪問看護を含む在宅看護の現場で、より安心・安全なケアを提供できるようになります。
精神疾患を抱える利用者への対応に不安がある訪問看護師にとって、実践力を高める有意義な学びと言えるでしょう。
| 受講時間 | 約21時間(テスト含む) |
|---|---|
| 修了要件 |
下記1~3をすべて満たすこと 1.講義動画をすべて視聴 2.すべての確認テストにその研修で定められた正答率で合格 (※確認テストが設定されている研修のみ) 3.アンケートの回答 |
| 受講料 |
会員:15,400円(税込) 非会員:25,300円(税込) |
※2025年12月時点
【出典】公益財団法人日本訪問看護財団「W7_令和6年度改訂版精神障がい者の在宅看護セミナー」
3.訪問看護師が資格を取得するメリット
訪問看護師として働くために必須となる資格はありませんが、これまで紹介したような資格や研修によって、具体的にどのようなメリットがあるのかを紹介します。
専門性が高まり質の高い看護を提供できる
訪問看護では利用者さんの自宅という限られた環境で、看護師が一人で対応しなければならない場面も多く、精神的な負担を感じやすい側面があります。
しかし、資格取得を通じて疾患や症状への理解が深まれば、根拠に基づいた判断が可能になり、自信をもった看護を実践できるでしょう。
また、専門知識を活かすことで利用者さんやご家族への説明にも説得力が増し、信頼関係の構築にも役立ちます。医師やケアマネジャーなど多職種との連携においても、専門的な視点から意見を共有できるため、チームケアの質向上にもつながります。
管理職へのキャリアアップが目指せる
例えば、認定看護師や専門看護師の資格を取得すれば、より高度で専門的なスキルを持つ人材として評価されやすくなります。その結果、他職種との連携調整などを担う中心的なポジションを任される可能性が高まります。
また、資格取得の過程で身につく訪問看護制度の理解やマネジメント視点、根拠に基づく判断力は、事業所全体の質を高めるうえでも重要です。このような能力は管理職としての信頼につながるため、将来的なキャリアの選択肢を広げることにもなるでしょう。
4.訪問看護師として活躍したい学生が準備しておくべきこと
ここでは、将来訪問看護師として活躍したい学生が、今から取り組んでおくと良い準備について紹介します。キャリアの選択肢や活躍の場を広げたい方は、早めの行動を心がけましょう。
資格や研修制度について早めに調べておく
資格は、訪問看護師としてスキルアップするうえで有効な手段ですが、紹介してきたとおり、多くの資格では一定期間の実務経験が取得要件とされています。なかには、専門看護師のように特定の学歴が求められる資格もあります。
そのため、学生のうちから将来の働き方を見据え、訪問看護師として活躍するにはどのような資格や研修があり、どんな条件が必要なのかを事前に調べておくことが大切です。
併せて、資格の難易度、試験勉強に必要な時間、受験料や更新料などの情報を早めに把握しておくことで、計画的なキャリア形成につながります。
訪問看護ステーションの見学や説明会へ積極的に参加する
実際に現場を見学することで、訪問看護師がどのように一日のスケジュールを組み、利用者さんの生活に寄り添った看護を行っているのかを具体的にイメージできるようになります。
また、同行訪問の様子や多職種との連携の様子を見ることで、教科書だけでは分かりにくい訪問看護の役割や責任の重さを理解しやすくなるでしょう。
さらに、説明会で現役の訪問看護師や管理者から直接話を聞けば、やりがいや大変さ、必要なスキル、就職までの流れなど、学生のうちに知っておきたい情報を得ることができます。就職後のミスマッチを防ぐためにも早い段階で情報収集をして、自分に合った働き方や事業所を見極めることが大切です。
5.まとめ
訪問看護師に看護師資格以外の特別な資格は必要ありませんが、今回紹介したような専門資格や研修を知っておくことで、将来のキャリアの選択肢は大きく広がります。学生のうちから「どんな訪問看護師を目指したいのか」を意識しておくことは、将来を具体的に描くうえで大きなヒントになります。
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ぜひマイナビ看護学生を活用し、訪問看護師として活躍するための一歩を踏み出しましょう。













