看護師の休日はどれくらい?勤務形態別の実態と過ごし方を看護学生向けに解説

看護師の休日はどれくらい?勤務形態別の実態と過ごし方を看護学生向けに解説

看護師の休日は、勤務形態や職場によって大きく異なります。平均年間休日は117.2日、週休は「4週8休」が一般的で、有給休暇の取得率は約70%です。病棟勤務ではシフト制による不規則な休みが多く、施設勤務では比較的安定した休日を確保できる場合があります。

本記事では、看護学生の方々に向けて、看護師の休日の実態から勤務形態ごとの違い、休日の過ごし方、法的ルール、年間休日が多い職場の探し方まで解説します。

監修者

荒井 麻弥

荒井 麻弥

昭和大学保健医療学部看護学科卒業。大学病院の集中治療室で急性期看護に従事したのち、産業保健師として労働者の健康管理やメンタルヘルス支援に携わる。離島医療や高齢者施設での勤務を経験し、急性期から慢性期、在宅支援、終末期ケアまで幅広い領域を担当。地域特性に応じた支援や多職種連携を重視し、一人ひとりの生活に合わせたケアを心がける。これまでの幅広い臨床経験をもとに、看護師や保健師を目指す方に役立つ情報を発信中。

1.看護師の休日の実態とは?

看護師の休日数は、職場の勤務形態やシフト制の影響を受けやすいのが実態です。日々の業務の中で休暇がどのように確保されているのかを理解することで、看護師としての働き方がイメージしやすくなります。

ここでは、実際の調査データをもとに、看護師の平均的な年間休日や有休休暇の取得状況について解説します。

平均年間休日総数は117.2日

日本看護協会「2024年病院看護実態調査」によると、病院勤務の看護職員における所定年間休日総数は、平均で117.2日です。一方、厚生労働省の「令和6年就労条件総合調査の概況」では、全労働者の平均年間休日総数は116.4日となっています。

つまり、看護師の休日数は全国平均とほぼ同程度といえるでしょう。ただし、病院の規模や勤務体制によって差が生じることも考えられ、所定年間休日総数に年次有給休暇や慶弔休暇は含まれていません。

区分 平均年間休日総数
看護職員 117.2日
全労働者平均 116.4日

週休形態は4週8休が最多

日本看護協会「2024年病院看護実態調査」を見ると、休日の取り方で最も多いのが「4週8休」です。これは、4週間ごとに最低8日休みが確保される仕組みで、看護師の勤務形態では一般的な制度です

しかし、「完全週休2日制」と同様に、休日が必ず土日に固定されるわけではありません。シフト上、平日が休みになることも多いため、予定の組み方には工夫が必要です。

週休形態 割合
完全週休2日制 23.6%
4週8休 49.8%
月3回
週休2日制
4.1%
月2回
週休2日制
4.5%
月1回
週休2日制
0.3%
週休1日半制 0.9%
週休1日制 0.2%
その他 15.2%
無回答・不明 1.3%

平均年間有給休暇取得率は69.7%

日本看護協会「2024年病院看護実態調査」では、看護職員の年次有給休暇取得率が69.7%となっています。これは、厚生労働省「令和6年就労条件総合調査の概況」による全労働者平均の65.3%を上回っており、働き方改革の影響を受けているといえるでしょう。

一方、病棟では患者対応が多いことから、希望日に有給休暇を取得しにくいケースもあります。そのため、病院によっては「リフレッシュ休暇」や「バースデー休暇」など、独自の特別休暇制度を導入する動きが増えているのも現状です。

区分 有給休暇取得率
看護職員 69.7%
全労働者平均 65.3%

2.看護師の勤務形態と休日のパターン

看護師の勤務形態は病棟や施設によって異なりますが、「2交代制」「3交代制」といったシフト制を採用している職場が多いです。また、勤務時間の長さや勤務日数に応じて、「常勤」「非常勤」という雇用形態にも分かれます。

ここでは、看護師の主な勤務形態と休日のパターンを解説します。

2交代制と3交代制の違いと休日の取り方

2交代制は「日勤・夜勤」の2種類のシフトで構成され、夜勤の勤務時間は約16時間程度になることが多く、連続勤務が発生する場合もあります。その分、夜勤終了後に数日間の休息日が確保されるケースがほとんどで、まとまった時間を確保できるのが特徴です。

3交代制は「日勤・準夜勤・深夜勤」の3種類に分かれており、2交代制と比べて勤務時間は比較的短めですが、勤務時間帯が日ごとに変わるため、生活リズムが不規則になりやすいです。休日はシフトの合間に設定され、連続勤務の負担はやや低いともいえます。

どちらの勤務形態でも、休日は労働基準法で定められた日数の確保が義務付けられています。看護師として働く際には、自分の生活スタイルや体調に合わせて休日を有効活用しましょう。

勤務形態 勤務時間の目安 休日の取り方
2交代制 日勤8時間/夜勤約16時間 夜勤後にまとまった休息日が確保されやすい
3交代制 日勤8時間/準夜勤8時間/深夜勤8時間 シフトの合間に休日が設定される

常勤と非常勤の勤務時間・休日の違い

看護師の働き方には、常勤(フルタイム勤務)と非常勤(パートタイム勤務)があります。常勤看護師は、1週間あたりの勤務日数や時間を固定し、労働基準法で定められた休日に加え、病院ごとのシフトに応じた休暇が設定されます。

勤務時間は日勤・夜勤を含めたフルタイムで働くため、休みの日はプライベートな時間を確保できます。非常勤看護師は、勤務日数・時間を自分で調整できることが多く、生活や学業などと両立しやすいのがメリットです。

ただし、勤務スケジュールによっては連続勤務が発生したり、勤務と勤務の間隔が短くなることがあります。そのため、無理のない働き方を心掛け、計画的に休息を取ることが重要です。

勤務形態 勤務時間の目安 休日の取り方
常勤 フルタイム(週40時間前後) シフトに基づき、法定休日+病院の休日を確保
非常勤 シフトによる(数時間~1日単位) シフトと希望休による
荒井 麻弥

荒井 麻弥

看護師の休日は、勤務形態によって大きく異なります。二交代・三交代制、夜勤専従、日勤のみなど、働き方によって休みの取り方や生活リズムはさまざまです。「土日休みでない=大変」と感じる方もいますが、平日休みだからこそ得られるメリットもあります。自分が何を重視したいのかを整理し、休日の質も含めて勤務形態を選ぶ視点が大切です。

3.病棟勤務と施設勤務で異なる休日の事情

看護師は、勤務先によって休日の取りやすさや生活リズムへの影響は大きく異なります。特に、病棟勤務と施設勤務では、勤務時間帯やシフトパターンに違いがあります。ここでは、具体的な休日の事情について解説します。

病棟勤務の休日

病棟勤務の看護師は、入院患者のケアを24時間体制で行うため、日勤と夜勤の交代制で勤務するのが一般的です。そのため、休日は勤務スケジュールの中で交互に割り当てられ、平日や土日祝日に関わらず変動します。

夜勤の後には連続で休みが設定される場合もあり、体力の回復や心身のリフレッシュに充てやすいのが特徴です。しかし、休日が不規則になるため、買い物や趣味、家族・友人との予定は前もって調整しなければなりません。

施設勤務の休日

施設勤務の看護師は、介護施設や訪問看護ステーションなどで働き、勤務時間は病棟勤務と比べて安定しているのが特徴です。日勤中心の勤務が多く、夜勤が少ないことから、休日はカレンダー通りに取得しやすく、生活リズムも乱れにくいといえます。

また、施設勤務では利用者のケア内容や業務スケジュールがあらかじめ決まっており、急な入退院対応が少なく少人数でシフト調整がしやすい環境です。これにより、学業やプライベートと両立しながら、長期休暇や有給休暇の取得もしやすくなっています。

職場によっては、連休を活用して旅行や趣味を楽しんだり、資格取得の勉強に充てたりなど、ライフワークバランスを重視した働き方がしやすいのが魅力です。

荒井 麻弥

荒井 麻弥

病棟勤務と施設勤務では、休日の考え方や取りやすさに違いがあります。急性期病棟ではシフト制による不規則さがある一方、施設勤務では比較的安定した休みが確保しやすい傾向があります。どちらが良い・悪いではなく、ライフステージや体力、働き続けたい年数によって適した環境は変わります。将来を見据えた選択が重要です。

4.看護師の休日の過ごし方と工夫

看護師は、勤務中に心身のエネルギーを消耗しやすい職業です。そのため、休日を有効活用して心身のリフレッシュや自己成長につなげることが、長く働き続けるためのポイントとなります。ここでは、看護師の休日の過ごし方と工夫を具体例と合わせて解説します。

リフレッシュにつながる過ごし方

休日はまず、心身の回復に重点を置くことが大切です。看護師は夜勤や連続勤務があると生活リズムが不規則になりやすいため、リフレッシュにつながる休みを意識しましょう。

具体的には、以下のような過ごし方が挙げられます。これらは単に「リラックスする時間」としてだけでなく、次の勤務に向けた心身の準備としても重要です。

概要 休日の過ごし方の具体例
趣味に打ち込む 映画鑑賞、読書、手芸などを楽しむ
軽い運動や散歩 ウォーキングやヨガなどの軽い運動
友人や家族との交流 休日に他者との交流を持つ
自然に触れる時間を作る 公園、海、山など自然の環境に身を置く

休日をキャリアアップに生かす方法

休日は単に休むだけでなく、スキルアップや自己成長に活用することもできます。看護師としての成長を意識した休日の過ごし方は、将来のキャリア形成にも役立ちます。

具体的な方法は、以下のとおりです。こうした過ごし方により、休息と学びのバランスを取りながら看護師としての成長意欲を持続できるでしょう。

概要 休日の過ごし方の具体例
資格取得や勉強の時間に充てる 認定看護師や専門看護師の資格取得、臨床で必要な知識の習得など
勉強会・研修に参加する 勤務先や地域の看護協会が主催する
研修に参加
業務を振り返る時間を作る 日々の実習や勤務で学んだことを振り返りノートにまとめる
将来のキャリアプランを考える時間にする 訪問看護、管理職、教育・研究分野など、将来どの分野で働きたいのか考える時間を作る
荒井 麻弥

荒井 麻弥

限られた休日をどう過ごすかは、心身の回復に大きく影響します。まとめて休める日を活用してリフレッシュする人もいれば、あえて何もせず休むことを大切にする人もいます。仕事とプライベートを切り替える工夫は、人それぞれで構いません。「休むことも仕事の一部」と考えて、自分に合った過ごし方を見つけていくことが、長く働き続けるための支えになります。

5.看護学生が知っておきたい労働の法律と制度

看護師として働く際には、労働基準法をはじめとした法律によって、休日や労働時間のルールが定められています。医療機関では夜勤や交代勤務など、一般企業とは異なる勤務形態が採用されているため、法的な基準・健康管理に向けた制度を理解しておく必要があります。

ここでは、看護学生が知っておきたい労働の法律と制度について詳しく解説します。

労働基準法における休日のルール

日本の労働環境を支える基本法である「労働基準法」では、休日について明確な定めがあります。第35条において「使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。」と規定されており、これがいわゆる「週休1日制」の基本です。

また、4週間を単位として8日の休日を設ける「4週8休制」は、多くの医療機関で採用されている勤務形態です。ただし、主に病棟では夜勤や緊急応対が発生するため、実際には「勤務の間隔」や「休息時間」の確保に向けた工夫が必要になります。

各医療機関では、労働基準法に基づいた勤務形態を採用しながら、看護師の健康維持を考慮した独自のシフト調整や休日管理を行っているケースが多いです。

看護師の働き方改革と休日を確保する動き

近年、看護師の労働環境改善に向けた働き方改革が全国で進んでいます。その背景には、夜勤や長時間労働による心身への負担が大きく、離職の一因となっている現状があります。

日本看護協会の「夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」では、連続勤務の回数制限や勤務間隔の確保(インターバル制度)など、看護師が健康を維持しながら働き続けられるような勤務体制が推進されています。

また、「改正労働基準法」でも、医療職を含むすべての労働者に対して年5日の年次有給休暇の取得義務が導入されました。これにより、現場でも有給休暇の取得率向上やシフト調整の柔軟化が進みつつあります。

働き方改革をはじめとした制度改革は、単に「休みを増やす」という目的ではなく、看護師が質の高い看護を提供し続けるための、体調管理・ワークライフバランスの確保を重視した動きです。

6.年間休日が多い職場の探し方

看護師として働き始めるとき、「どれくらい休めるか」は職場選びの大きなポイントとなります。年間休日が多い職場ほど、体調管理やプライベートとの両立がしやすく、長く働きやすいといえるでしょう。

ここでは、年間休日数や有給休暇取得率に注目した職場探しのポイントを解説します。

年間休日120日以上を求人票で確認する方法

看護師の求人情報を見る際には、まず「年間休日」の欄に注目しましょう。一般的に、年間休日120日以上の職場は休みが取りやすい職場の目安とされています。

この数値は、週休2日制に祝日や年末年始休暇を含めた水準で、ワークライフバランスを重視する病院・クリニックで採用されていることが多いです。また、求人票で「4週8休制」「週休2日制」などと表記されていても、実際の休日数には差が出ることがあります。

そのため、求人票の中に「年間休日◯日」と明記されているか、夏季休暇・年末年始休暇の有無、シフト制での休日の取り方も併せてチェックするのがおすすめです。

有給休暇取得率が高い職場を見分けるポイント

「年間休日」が多いだけでなく、有給休暇がしっかり取得できるかどうかも、働きやすい職場を見極める重要なポイントです。

2024年の日本看護協会の調査では、看護職全体の有給休暇取得率は69.7%で、全国平均・65.3%と比べてやや高いものの、施設によっては大きな違いがあります。有給休暇取得率が高い職場には、次のような特徴が見られます。

  • 少人数体制の人員体制ではない
  • シフト作成時に希望休の申請制度がある
  • 上司や管理職が有給休暇の取得を推奨している
  • 有給休暇取得に関する制度の説明が明確である

これらの特徴を見分けるには、求人票の確認はもちろん、説明会や見学会で実際に質問してみるのがおすすめです。学生のうちから、各休暇制度について理解しておくと、無理のないペースでキャリアを積める環境を選びやすくなります。

荒井 麻弥

荒井 麻弥

年間休日の多さは、働きやすさを判断する重要な指標の一つです。ただし、数字だけでなく「実際に取得できているか」「有給休暇の使いやすさ」まで確認することが欠かせません。求人情報だけでは分からない点も多いため、見学や面接時に具体的な状況を質問することをおすすめします。納得できる環境選びが、離職の防止にもつながります。

7.まとめ

看護師の休日は、勤務形態や職場の種類によって大きく異なります。病棟勤務では夜勤の後に連続で休みが設けられることがあり、施設勤務では日勤中心で安定した休日が取りやすいといった特徴があります。

近年では、働き方改革や日本看護協会のガイドラインを通じて、休日を確保する動きが進んでいます。看護学生のうちから労働基準法や勤務制度を理解し、自分のライフスタイルに合った職場環境を選ぶことが、将来のキャリア形成と心身の健康維持に期待できます。

看護師として長く働くうえで、より良い看護を提供するためにも、休日を上手に活用しましょう。年間休日が多い職場を探すなら、まずはマイナビ看護学生に登録し、説明会・セミナーへの参加や病院検索を行ってみるのがおすすめです。