看護職の仕事図鑑

ICU/NICU

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急性期患者の命を救う「医療の最後の砦」

ICU/NICUってどんな仕事?

ICU/NICUのイメージ

ICU(集中治療室)は、病棟で急変して危機的な状態に陥った入院患者、救急搬送されて処置を受けた後も継続管理が必要な救急患者、手術を受けた後も高度管理が必要な術後患者などを受け入れ、診療科の枠を超えた集学的治療を24時間体制で集中的に施す場です。医師が常駐しており、看護師の配置も一般病棟より手厚いことが多いでしょう。また、NICU(新生児集中治療室)は、極低出生体重児(出生体重1500g未満)や仮死新生児などを受け入れる新生児向けのICUです。
生命維持装置につながれた患者さんを精密にモニタリングしながら、次々と投薬治療が行われていく……。ICU勤務の看護師には、そうした緊迫した雰囲気のなかで最善の選択肢を選び続ける強靭な精神力が必要です。もちろん、知識や技術レベルも特段のものが求められるでしょう。
ICUの性格上、ワークライフバランスの確保については、それなりに厳しい環境です。夜勤も多くなりがちですが、その分だけ手当の関係で収入がアップすることは確かです(特別にICU手当てが支給される施設もあります)。しかし、自らの知識と技術を振り絞って患者さんの生命の危機を救ったという充実感は何ものにも代えがたく、使命感に燃えて働く「熱い看護師」が多いようです。
なお、ICUはより機能特化したかたちで設置されている場合があり、NICUもその一つですが、ほかに循環器系のCCU、脳神経内科系のSCU、呼吸器系のRCUなどがあります。これらにおいては対象となる患者さんが必然的に絞られることになるため、そこで働く看護師のキャリア形成にも影響があることを頭に入れておきましょう。

実際にICU/NICUで働いている人の声

Good

医療ドラマにあこがれてICUへの配属を希望しました。実際にはドラマのようなことばかり起こるわけではありませんが、一日として同じ日はなく、刺激を受けながら看護師として成長している実感があります。
(28歳、大学病院勤務)

昇圧薬などの強力な薬剤を扱いますが、医師の指示を受けて投与するのは看護師であることが多いので、緊張感と責任感で精神をピンと張っていなければなりません。でも、それがやりがいにつながっています。
(32歳、市中病院勤務)

ICU勤務を通して「この現場が務まればどこへ行っても大丈夫だろう」という自信が得られました。
(27歳、大学病院勤務)

No Good

やはり治療やケアも空しく亡くなってしまう患者さんがたくさんいます。それを引きずるのは半人前だとするような雰囲気もありますが、なかなか適応できないでいます。
(29歳、大学病院勤務)

ある程度覚悟はしていましたが、職場環境的にも精神的な意味でも、オンとオフの切り替えがしにくいのはありますね。
(29歳、市中病院勤務)

ICU/NICUに向いている人

  • 患者さんのささいな状態変化も見逃さない観察力アセスメント能力を備えた人
  • 一刻を争う状況にあってもやるべきことを見失わない冷静沈着な人
  • あわただしい現場で働き続けられる体力と、患者さんの不幸な転帰も受け止める精神力を兼ね備えた

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