看護職の仕事図鑑

救急病棟・救命救急センター

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「まさか」の事態に迅速対応 救命のプロフェッショナル

救急病棟・救命救急センターってどんな仕事?

救急病棟・救命救急センターのイメージ

我が国の救急医療体制では、医療機関(救急指定病院)を機能別に分類し、手術や入院を伴わない初期治療を行う一次救急、手術や入院を伴う重症患者を受け入れる二次救急、一次や二次では対応できない重篤なケースに対応する三次救急という役割を各機関に持たせています。これらの機関で救急患者を受け入れるのが救急病棟であり、救命救急センターは三次救急を担っています。近年は、これらの分類にとらわれず、すべての救急患者を受け入れる北米型ERシステムを採用する医療機関も増えています。
救急医療の現場で働く看護師の様子は報道番組やテレビドラマでもおなじみですが、心肺停止状態で搬送されてくる患者さんもおり、一分一秒を惜しんで的確な救命処置、初療を施すなど、きわめて迅速な対応を迫られます。救急患者の発生は時を選んでくれないだけに、スタッフも息つく暇がありません。緊迫しがちな現場でチームワークを重視しながら動くためのリーダーシップやコミュニケーション能力は、救急領域の看護師として必須のものといえるでしょう。
近年は全国でドクターヘリの整備が進み、それに乗り込んで事故などの現場へ飛ぶフライトナースも脚光を浴びています。「日本航空医療学会フライトナース委員会」が示した選考基準では、看護師経験5年以上、救急看護師経験3年以上で、外傷・蘇生初療の資格(ACLSプロバイダーなど)を保持していることが望ましいとされています。
様々な事情で救急医療から撤退する医療機関もあり、体制のほころびが懸念されてはいますが、市民が安心して暮らせるのは救急医療を担う看護師の存在あってこそなのです。

実際に救急病棟・救命救急センターで働いている人の声

Good

瞬時の判断が患者さんの生死を左右しかねないため、時にプレッシャーに押しつぶされそうになります。その分、元気になった患者さんを見たときは喜びも倍増です。
(28歳、市中病院勤務)

何か自分なりの「得意技」を身に付けると、周囲から一目置かれますし、業務に自信が出てきます。ACLSプロバイダーのような救命処置の資格を取るのもいいですし、外国人の患者さんも増えているので「英語が話せる」でもいいですね。
(28歳、救命救急センター勤務)

救急搬送がない夜勤のときなどは、「今日は皆さんが無事に過ごせてよかった」と、しみじみ心からホッとします。
(27歳、救命救急センター勤務)

No Good

チームワークが重要になる現場だけに、それをかき乱すスタッフがいると全体が疲弊します。医療の質にも影響しかねないので困っています。
(32歳、市中病院勤務)

新卒で入職してすぐに救急をやりたい人もいるようですが、よほどの覚悟が必要です。数年は他の現場で力を養ってからでも遅くないと思います。
(29歳、救命救急センター勤務)

救急病棟・救命救急センターに向いている人

  • 緊迫した状況でプレッシャーに打ち勝ち、最善を尽くすことができる精神力を持つ人
  • チームが迅速かつ的確に動けるようなリーダーシップコミュニケーション能力を備えた人
  • 日ごろから鍛錬を重ね、いつ来るかわからない救急搬送に対して準備し続けられる

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