看護職の仕事図鑑

訪問看護ステーション

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利用者を訪ねて西へ、東へ
在宅医療の要の存在

訪問看護ステーションってどんな仕事?

訪問看護ステーションのイメージ

地域包括ケアシステムに基づく在宅医療を推進するため、要の存在ともいえるのが訪問看護ステーション(以下、訪問看護ST)、そして訪問看護師です。
訪問看護STから派遣される訪問看護師は、基本的には1人で利用者の居宅を訪れ、ケアを提供します。困ったことがあったとしても、病院のようにすぐに誰かに質問するというわけにはいきません。その難しさや責任の重さから、これまでは病院などで経験を積んでから訪問看護師をめざす人が多かったのが実情です。しかし、近年では地域で若い看護師の力が必要とされていることなどから、新卒看護師の採用や育成に積極的な訪問看護STも増え始めました。
また、長期にわたり利用者の生活の場に入り込んでいくわけですから、利用者の家族を含めて平穏な生活をかき乱さない配慮が必要で、この点も病院でケアする場合とは勝手が異なります。
在宅医療は訪問看護STだけで完結できるものではなく、主治医、ケアマネジャー、リハビリテーション職、看護職、ヘルパーなどとの積極的な連携が求められます。訪問するときは一人でも、所属施設の垣根を超えた専門家チームとして利用者を支える意識が大切です。
なお、訪問看護STは、看護師が経営者または管理者となって運営することが許されています。看護師として普通に働いていては経験できない施設経営のスキルを発揮し、利益の獲得と利用者への貢献を両立させている看護師も少なくありません。

実際に訪問看護ステーションで働いている人の声

Good

最初は先輩との同行訪問を重ね、利用者さんとの関係性ができてから単独で訪問というかたちが普通。訪問中にも電話で先輩からアドバイスをもらえるため、意外と「1人で訪問」という意識は薄いです。
(36歳、訪問看護ST勤務)

看取りの場面に立ち会ったとき、「あなたのおかげで父と最期まで自宅で過ごせました」とご家族から涙ながらに感謝され、胸がいっぱいになりました。
(29歳、訪問看護ST勤務)

出産をきっかけに現場から離れていましたが、子どもが大きくなったので訪問看護師として復職。夜勤がないため、子育てとの両立もスムーズです。
(34歳、訪問看護ST勤務)

No Good

「前の人とやり方が違う」と言って何回も担当者変更を要求するなど、気難しい利用者さんやご家族に悩まされることもあります。問題の根っこを探ろうとしても、そう簡単ではありません。
(37歳、訪問看護ST勤務)

自転車で訪問しているため、天候の影響をダイレクトに受けます。寒い雨の日や、日差しが照り付ける猛暑日などは大変です。
(40歳、訪問看護ST勤務)

訪問看護ステーションに向いている人

  • 患者さんやその家族の背景を知り、一人ひとりにしっかりと向き合える
  • 「正解」を押し付けるのではなく、相手の状況や考え方に合わせて柔軟に対応できる人
  • 所属・職種の壁を越え、一緒に利用者を支える仲間とスムーズに連携できる人

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