実習悩み相談室 こんな時、あなたならどう考える?

看護学生にとって自分の看護観を形作る重要な時間が「看護実習」。
とくに臨地実習では誰もが苦労や挫折を経験するようです。

この連載は実習での起こったトラブルとその対処方法を紹介します。
いま、この記事を読んでいるあなたならどう考えますか?たくさんの意見の中から自分なりの看護を考えてみましょう。

対患者さん編 CASE12 子宮がん患者さんへの声掛けがわかりませんでしたまるの(専門学校2年生)

子宮がん患者さんへの声掛けがわかりませんでした

子宮がんで骨や肺まで転移している60歳代の女性の患者さんを受け持ちました。

患者さんは、転移については医師から説明を受けていました。

訪室した時、全身の強い痛みを訴えていることが多く、「こんなに痛みを我慢して生きている意味はあるのかね」とよく呟いていました。

私はそんな時、患者さんへどのような声掛けをして、どのように受け止め返していけばいいのかわからず、患者さんの心が落ち着くような声掛けをすることができませんでした。

どうやって乗り切ったか

まだ解決していません

結局、どのように受け止め、返していけばいいのかわからないままです。

多くの考えが挙がるとより参考になる! 匿名でつぶやいてみよう!(200文字以内)

みんなのつぶやき

私は患者経験があるため、患者の気持ちが分かる気がするのですが、私が患者の時は孤独でした。だから、側にきて言葉を軽くキャッチボールしてもらうだけでホッとできましたよ。

痛みの緩和の援助をしてはどうかと思います。生きている意味を考えたくなるくらい痛いということだと思うので。あと、がんという疾患に痛みが加わって死を感じたり予後が気になっている可能性もあると思うので、その可能性も考えながら関わってみるといいのではと思いました。

『痛みを我慢してらっしゃるのですね。』『お辛いのですね。』といったオウム返しや言い換えなどを使用して患者さんの気持ちに寄り添う事で患者さんの気持ちを共感しているのだと伝えることができるかと思います。

受容・傾聴・共感ですかね。沈黙も大切なコミュニケーションの1つだと思います。

目をしっかりとあわせ、話を誠実な姿勢で聞くことを意識すればもっと患者さんは思いを表出してくれるかもしれません。「こんなに痛みを…」と患者さんがおっしゃってくださったのは少なからず、まるのさんが患者さんにとって安心できる存在になったからだと思います。落ち込まず、実習がんばってください!

まずは患者さんが表出する言動を受け止めることから始まると思います。痛みはその人にしかわからないから、と思いとどまるのではなく、その痛みを少しでも緩和できるように働きかけるのが看護師だと思います。安楽な体位の工夫や冷罨法など、患者さんに合ったケアを考える必要があると思います。

言葉ではなくても、そばにいることや、手を握るなど行動で返す方法もあるのではないかと思います。

聞くだけが看護ではありません。傍にいる、場を共有することも看護のひとつではないでしょうか。今回のケースではまず痛みのコントロールをすることが大事ですね。

それを言われた時は、なにか励ますことはせず、お辛いですよね。などと受け止めることが大切だと思いました。

まるのさん、ご質問ありがとうございました。

その後、実習の経過はいかがでしょうか?

受け持ち患者さんは担当の先生からどの様なMT(ムンテラ)をされたのでしょうか。患者さんの今後の治療、治療法、余命、家族背景は? そして、それを受け持ち患者さんはどう受け止めているのでしょうか? 受け持ち患者さんは原発の子宮がんから肺や骨まで転移してしまったのですね。呼吸障害や背部痛、各関節の痛みなど出現されていませんか?

このようなお話を聞くと、「がんの痛みは“痛い”と言う言葉だけでは表現しきれない」と、がんの患者さんが言われた言葉を思い出します。

ただ、痛みを軽減するための援助は、薬物による援助だけではありません。痛みを緩和するために、「楽になる方法を一緒に考えてみましょう」と身体を摩ったり、楽な体位を考えたり、保温したりと寄り添うことが精神的な援助にも繋がるのです。

また受け持ち患者さんが心理プロセスの5段階分類に当てはめたとき、どの段階にいるのかでも精神的援助の方法や段階が変わってくると思います。

がん、ましてや痛みが強い患者さんにどう接していいか悩むのもよくわかります。そういう時は、自分や家族に当てはめてみたり、そうしたことで、より患者さんに近い心理と理解ができると思います。

でも何よりも、現在の病状、心理状況を把握していなければ、正しい援助はできません。

「可哀想」「痛そう」「辛そう」それは誰にでも伝わります。

でも、看護学生のまるのさんにしかできないケアがあるのではないでしょうか?

質問の内容から、受け持ち患者さんの現在の状況が「痛みで辛い」としか示されいませんが、まるのさんがその痛みだけでも理解し、寄り添ってあげることが1番なのではないでしょうか。

1番近くにいて、「生きていても仕方がない」と患者さんに言われたときに、まるのさんが「辛いですよね」と一言返すだけでも違うと思いませんか? 簡単な一言かもしれませんが、それが「受け止める」一言ではないでしょうか。

がんの患者さんのケアは、現在の身体的、精神的ケアが最優先されます。少しでも一緒に受け持ち患者さんの苦痛が少なくなるといいですね。

頑張ってください。応援しています。

プロフィール

ナースいぶき

南国出身。看護学生時代は学費捻出のため、バイトに明け暮れる毎日。 (恥ずかしながら追試が多かった…(^_^;))
就職後、内科、循環器など、数々の科を経験。現在、仮面ライダーにハマっている夫、泣き虫な4歳の息子、おてんばな2歳の娘、おばあちゃん猫(♀)と暮しながら育児とナース、医療ライター業をこなすパワフルアラフォー。

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