実習悩み相談室 こんな時、あなたならどう考える?

看護学生にとって自分の看護観を形作る重要な時間が「看護実習」。
とくに臨地実習では誰もが苦労や挫折を経験するようです。

この連載は実習での起こったトラブルとその対処方法を紹介します。
いま、この記事を読んでいるあなたならどう考えますか?たくさんの意見の中から自分なりの看護を考えてみましょう。


対患者さん編 CASE13 患児に付き添う母親と患児とのコミュニケーションに困りましたぽむ(大学3年生)

患児に付き添う母親と患児とのコミュニケーションに困りました

私の担当した患児の母親は、1日中患児に付き添っていることがあったのですが、あまり治っていかない患児に対し不安が大きくなりイライラしていました。

そのような場合に、母親に対して、どのようなケアが不安の緩和に適していたのかわかりませんでした。

患児も、母親に気を遣っているのか安心しているのか、母親が外に出てるときは、いっぱい話してくれたのに、母親がいる時は学生にあまり話をしてくれませんでした。

このような場合は、どのようにすれば良かったでしょうか?

どうやって乗り切ったか

気を紛らわせるような工夫をしました

不安の緩和では、天気の話をしたりして気を紛らわせるような会話をしたりしました。

多くの考えが挙がるとより参考になる! 匿名でつぶやいてみよう!(200文字以内)

みんなのつぶやき

母親が外に出ている時の患児の様子を伝えたり、病気のことを詳しく伝える、同じ病気の人がどのように回復していったかなどを話して母親から少しでも心労をとる

母親の話も傾聴することが大事だと思います。また、患児と接するときは、母親と共にコミュニケーションを取れるような工夫が必要であると思います(o^^o)

母親の身体的、精神的、社会的な悩みや苦痛を傾聴、受容したり、疾患についてご自分で学んだことを母親に伝えることでも不安の軽減に繋がると思います。分からないことが重なると、不安が大きくなっていきますよね

母親の体を心配するだけでなく、いつも付き添っている母親へねぎらいの言葉をかけることも必要だと思います。母親の頑張りを認めたうえで、体調を気遣ったりすることで学生と母親の関係も形成されていくのではないでしょうか。

母親の不安は患児に伝わってしまいます。 私なら、母親にもっと病気のことについて理解してもらうように、病気に関する情報を提供し患児は回復していますというように安心感を与えると思います。 また、実習生がケアに入ることによって、「自分の子供はこんなに看てくれている」というように看護師に対して信頼すると思います。それによって、母親の不安軽減にもつながると思います。

ぽむさん、ご質問ありがとうございました。

その後、小児科の実習は無事に終わりましたか?

どの実習、どの科でも、患者さんの家族背景、サポート者の把握は必要ですし、小児科では特に、患児だけではなく、付き添いの母親(家族)の精神的、身体的なフォローが必要となります。

さらに小児の実習では、まず小児の成長発達を理解していなければ適切な援助ができませんし、その発達段階に合わせた看護が必要になります。ぽむさんが受け持たれた患児さんの年齢、疾患がどういったものかはわかりませんが、その年齢に応じて、わかる説明をしなければなりません。

簡単に言えば、1歳の患児さんに「お着替えを自分でしなさい」「箸を使ってご飯を食べなさい」と言うことが正しいか否か。4歳児の体重が10kgでは正常な発達をしているか否か、ということです。「○歳では○cm、○kg」、「○歳で○○が出来る」と言う全身の成長発達状態をきちんと把握しておくことが重要です。

小児は成人のミニチュアではありませんし、個別性もはっきりとしています。その疾患や重症度でも関わりや精神的サポートの度合いが変わってくることをしっかり理解し、関わることが大切です。

さて、不安の緩和ではお天気の話をされたようですが、その会話から何かを解決する糸口はありましたか? ただの会話で終わってしまったようであれば、会話の広げ方によっては母親や患児さんの「不安の原因」を見出せることができたかもしれません。たとえば患児さんに「お天気が良いね」と話しかけた場合、患児さんの返答から、「何か運動をしているの?」「退院したら何がしたい?」と持っていければ、年齢に合わせた注意や安静度を説明できますね。

また、同じように、母親の返答からも現在のストレス状況や疲労度もわかってくると思いませんか?

母親は子供が病んだとき、多くの場合自分を責めます。先天性疾患であれば丈夫に産んであげられなかった私が悪かったのではとか、怪我をしてしまったのであれば、自分の不注意でこんなことになってしまったのではとか。

母親にとって子供の入院は重く苦しいもの。入院が長期すればするほど、母親の心配も疲労もストレスも積み重なりますし、治療の効果が出ずに苦しむこともあることでしよう。

そんな時に気を紛らわせる会話だけでは、母親の気持ちが表出されないまま、閉ざされてしまうと思いませんか? 不安やストレスを表出することが出来ず、疲れてしまい、付き添いも負担になってしまう。そんな風に母親が思ってしまったら笑顔もなくなってしまいますよね。

患児さんの機嫌や処置、検査などの治療でも、母親の不安や心配は日々変化することでしょう。看護を通して関わっているからこそ、ぽむさんにしかできない看護や精神的サポートがあったと思います。それができなかったのが残念ですね。

看護におけるコミュケーションは奥が深く、その会話から色々な方向に枝葉がのびます。その時、「患者さんがどう思われているか」と感じ取るのも一つの看護技術です。

今回の実習をバネに、これからも頑張ってくださいね。応援しています。

プロフィール

ナースいぶき

南国出身。看護学生時代は学費捻出のため、バイトに明け暮れる毎日。 (恥ずかしながら追試が多かった…(^_^;))
就職後、内科、循環器など、数々の科を経験。現在、仮面ライダーにハマっている夫、泣き虫な4歳の息子、おてんばな2歳の娘、おばあちゃん猫(♀)と暮しながら育児とナース、医療ライター業をこなすパワフルアラフォー。

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