実習悩み相談室 こんな時、あなたならどう考える?

看護学生にとって自分の看護観を形作る重要な時間が「看護実習」。
特に臨地実習では誰もが苦労や挫折を経験するようです。

この連載は実習で起こったトラブルとその対処方法を紹介します。
いま、この記事を読んでいるあなたならどう考えますか? たくさんの意見の中から自分なりの看護を考えてみましょう。

対患者さん編 CASE18 言語コミュニケーションをとることが難しい病状の患者さんとの対話ハナ(大学3年生)

言語コミュニケーションをとることが難しい病状の患者さんとの対話

私は、4年制大学の3回生です。
1回生の夏に初めての実習があったのですが、その時のことがずっと心にひっかかっています。

私は、食道がんの患者さんを受け持たせていただきました。
その患者さんは、余命半年と言われていて、私が受け持たせていただいた時には絶飲食(IVH)、床上安静の状態でした。

初めての実習でしたので、コミュニケーションをとることが最大の目的・目標とされていました。患者さんは明るく、私にたくさん話をしようとしてくれるのですが、やはり食道がんの影響で声がうまく出せず、私はほとんど聞き取ることができませんでした。さらに、話すごとに強く咳き込まれて、血が混じった痰が出てきていました。

担当の看護師さんから、「あなたが来るのを楽しみにしていたのだから、しっかり話をきいてあげて」と言われたこともあって、なんとか聞き取ろうと頑張ったのですが、それでもほとんど聞き取れませんでした。

一生懸命に話して下さっている内容をよく理解もせずにうなずくのは失礼なのではないか…と悩みました。

でも、苦しそうに話してくださる患者さんに、もう一度言ってもらうこともできませんでした。

私はあのときどうすればよかったのでしょうか?

どうやって乗り切ったか

対応策が見つかりませんでした・・・。

話の内容をよく理解もせずに、うなずいてしまったように思います。
いまでも心が痛みます。

多くの考えが挙がるとより参考になる! 匿名でつぶやいてみよう!(200文字以内)

みんなのつぶやき

認知症のお年寄りと話している時、「この人何言ってるんだろう?」「話の内容がまったくわからない」そんな困った状況になる時がよくあります。そんな時は、相手の方の表情を見ます。楽しく話してるのか、くやしそうなのか、悲しそうなのか、そういう気持ちの所で一緒にいることが大切だと思います(^_^)

私はいま、声がなさない方を実習で受けませてもらっています。やばり、声が出ない、喋れないとしったときどうコミュニケーションをとっていいかわからずすごい戸惑いました。でも、私たちが聞こうとする姿勢は相手に伝わってると思いますし、聞き取れないことがあった時はごめんなさい、私の方がまだまだでと言ってたもう一回言ってもらうようにしています。

曖昧な頷きが時に恐ろしい場面に出会うことがあります。対象理解だと思います。苦しそうに何かを訴えているとき、何度も聞くのは申し訳ないと思いつつも自分はなぜここにいるのか、この方の病状をよくするために看護者は存在しています。その目的にいつも戻るようにすると関わり方も変わってきますよ。

聞き取れなくても、傾聴する姿勢であったりタッチングを、しながら苦しいですねなどと患者さんの気持ちに寄り添うだけでも、患者さんにとっては十分救われると思いますし、安心できると思います。

筆談私も難しかったです。時間がかかるし伝えたいことを伝えれないもどかしさを同じように実感することも必要と指導者さんに言われました。そしてお互い意思疎通ができたら共に喜び伝える意欲がなくならないようにしました。

私も似た経験をしました。筆談も難しいかたで、言葉にならない声わー、丁寧に一生懸命きく姿勢をまず大切にしました。わかる言葉は、◯◯なんですね、と確認しながら、思いを少しでも受け止めたいと 必死でした。

わたしは声がでない患者さんとは筆談でコミュニケーションを取りました!声がでないからどうしても何を言いたいのかジェスチャーをしてもらっても分からなかったから筆談をすることでコミュニケーションをしてました!

聞き取りにくい声でも看護師さんは「〜なの?」とひとつひとつ大きな声で聞いている様子をよく見たことがあります。

コミュニケーションは言葉だけではありません。文字盤を用いたり、患者さんの気持ちを紙に書いてもらうなど、立派なコミュニケーションです。また非言語的コミュニケーションも大切だと思います。患者さんと目線を合わせ、微笑みかけたり、そばにいたり・・・・そういったことでも患者さんはうれしいと思います。

今でも患者さんのことを考えている、ということがすばらしいと思います。患者さんのためにも、その気持ちを持ち考え続けていくことが大切だと思います。

ご質問ありがとうごさいます。

ハナさん、毎日の講義、演習、実習お疲れ様です。
4年制の3年生。この3年間でいろいろな事を学び、考え、今までの学生生活とともにご自分の看護を振り返り、見直す時期に来ているのではないでしょうか。入学して初めての実習で何もかも緊張していたと思います。

余命半年、そして言語コミュニケーションが思うように取れない患者さんを受け持たせていただいたのですね。きっと患者さんはハナさんが受け持ちについてくれることで本当に嬉しかったのでしょう。ご自分の状況は一番患者さんがわかっていたはず。だから声が出ず、聞き取れない言葉であると分かっていても、ハナさんとたくさんお話したかったのでしょうね。ハナさんが言われるように「一生懸命に話して下さっている内容をよく理解もせずにうなずくのは失礼なのではないか」と思われるでしょう。ですが患者さんにとって、がんの影響でうまく声が出せず、「辛くても自分の言葉で聞いてほしい」と言う気持ちがきっと強かったのだと思います。

例えば「声を出すと咳が出てしまうので、ノートに書いてお話ししましょう」などの筆談や、コミュニケーションボードを使った方法もあったかもしれません。他のコミュニケーション方法を見つけられれば、ハナさんも今まで思いが残ることがなかったかもしれませんね。

同じ疾患、同じ状況でも、同じ看護はありません。患者さん1人ひとりが違うのです。優しくすることは誰にでもできます。でも、その患者さんの「現在の状況」「現在の状態」に、苦痛が無く、一番安全で安楽な関わりを提供することが看護です。

私ももう20年ほど前の話にはなりますが、実習で受け持たせていただいた患者さんを今でもお一人お一人しっかりと思い出すことができます。看護師としても人間としても未熟だった自分。看護計画の目標は達成できても、「本当に喜んでいただけたか」「本当にこれで良かったのか」と今でも考えたりします。でも看護の、自分の原点がそこにあり、今でもいろいろな場面にぶつかったとき、学生時代に受け持たせていただいた患者さんを思い出し、できなかった事、後悔した事を繰り返さないよう進んできました。

そして、看護師として今の自分がいます。振り返りは必要です。ですが、振り返ってばかりでは何も変わりません。後悔も失敗も自分の力に変えていかなければなりません。

これからもつまづくことがあるかもしれません。
でも前を向いて、頑張りましょう!!

応援していますね。

プロフィール

ナースいぶき

南国出身。看護学生時代は学費捻出のため、バイトに明け暮れる毎日。 (恥ずかしながら追試が多かった…(^_^;))
就職後、内科、循環器など、数々の科を経験。現在、仮面ライダーにハマっている夫、泣き虫な4歳の息子、おてんばな2歳の娘、おばあちゃん猫(♀)と暮しながら育児とナース、医療ライター業をこなすパワフルアラフォー。

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